通常入手不可能な航空用品が大放出

成田空港に隣接する千葉県芝山町の「スカイパークしばやま」にある『航空科学博物館』は、国内初の航空に関するミュージアム。実物のエンジンやコックピットを見ながら飛行機の仕組みを学ぶことができる展示をはじめ、ボーイング747の大型模型の操縦体験や本格的なフライトシミュレーター、約20機の航空機を間近で見ることができる屋外展示場など、見どころが盛りだくさんだ。

そんな『航空科学博物館』で開館翌年の1990年から年に2回、3月と9月に行われているイベントが「航空ジャンク市」だ。めずらしい航空部品や客室シート、大型模型、機内カート、機内食の食器、エアライングッズなどが格安で放出されるイベントで、航空ファンはもちろん、子供から大人まで楽しめる。

ジャンク品の驚くべき使用術とは……!

購入した廃品や放出品は一体どのように使われるのか、長年「航空ジャンク市」を担当しているという『航空科学博物館』の秋葉さんに話を聞いてみた。「コックピット内にある速度や方向などを計る計器は部屋のインテリアとして人気です。飛行機の模型も人気で、例えば新婚旅行でハワイアン航空に乗ったという方がハワイアン航空の模型を旅の記念に買われたりします。飛行機のタイヤを売ったこともありますが、船乗りの方が接岸するときのクッションにするとか、車のディーラーの方がお店に飾るとか、農家の方が畑に置いて友達に自慢するとか(笑)、使い方は十人十色です」。

博物館では出品するアイテムを一生懸命かき集めているというが、昨今はジャンク品がなかなか出回らないということもあり、JALやANAをはじめ、成田空港に発着するさまざまな航空会社のエアライングッズも販売される。また、第3滑走路を建設する際に出る廃材も出品されるかもということなので、気になる方はぜひチェックを。使い方はアイデアによって無限大だ。

このように博物館に飾られるような貴重なアイテムから、どうやって使うのだろうと首をかしげるようなアイテムまで、さまざまな廃品や放出品が一堂に会するジャンク市。「自分にとってのお宝を見つけるのが醍醐味。一期一会の出合いを求めて、歴史あるイベントにお立ち寄りください」と秋葉さん。見て回るだけでも十分に面白いので、ミュージアムの展示とともに楽しもう。

2日間で約3000人が来場する人気イベント。今回はどんなアイテムが出品されるかお楽しみ。
2日間で約3000人が来場する人気イベント。今回はどんなアイテムが出品されるかお楽しみ。

開催概要

「航空ジャンク市」

開催期間:2025年3月8日(土)・9日(日)
開催時間:10:00~17:00(9日は~16:00)
会場:航空科学博物館(千葉県芝山町岩山111-3)
アクセス:JR成田線・京成電鉄京成本線成田空港駅からバス「航空科学博物館」下車すぐ
入館料:700円

【問い合わせ先】
航空科学博物館☎0479-78-0557
URL:https://www.aeromuseum.or.jp/

 

取材・文=香取麻衣子 ※画像は主催者提供