いじられて小岩

作詞 松岡サラサ
作曲 中谷泰啓

ひとり黄色い電車で
あの町に戻っていく
ネオン灯る路地裏
酒場に入るわたし
いじられて苦笑い
治安悪くないわ
いじられて思い出す
話盛りすぎる癖
だけど いいのウケたから
東京のはし 小岩

ふたり秘密の約束
酔ってまた話したのね
いつも裏切るあなた
もうあきらめたわ
いじられて苦笑い
本当はそうじゃない
いじられて思い出す
笑い欲しさの嘘を
だけど いいの慣れたから
東京のはし 小岩

さまよい歩く
迷子のわたし
これから ふたたび
返り咲くの
恋は(小岩) ここで

いじられて苦笑い
飲んで忘れたいわ
いじられて思い出す
酒場で迎える朝
だけど いいの好きだから
東京のはし 小岩

美濃屋マチコ

フォーナ所属タレントの美濃屋マチコさん。
フォーナ所属タレントの美濃屋マチコさん。

小岩生まれの小岩育ちで、趣味は盆踊りと人におせっかいを焼くこと。2025年4月に『いじられて小岩』で歌手デビューを果たした。

プロデュースを手掛けたフォーナの代表を直撃

切ない名曲である。思わず歌詞全文を掲載してしまった。しかし、小岩といえば1日の駅乗車人数が6万人超、魅力的な酒場もたくさんある、再開発が進んでいるというが下町情緒は各所に残っている。そう考えると、「いじられて苦笑い」「東京のはし」などの歌詞はちょっと自虐的すぎるのはないだろうか。

プロデュースを手掛けた株式会社フォーナの代表・松岡サラサさんを直撃してみた。

「僕は小岩生まれの小岩育ち。懐かしさと温かさが今も残る大好きな街なんです。歌詞には主人公が地元ならではの人情に触れ、癒やされる光景を描いています。『東京のはし』というのはお隣が千葉県の市川なので実際に“端っこ”なんです(笑)」

「歌詞は小岩の阿久悠になったつもりで半年間かけて書きました」と笑う松岡さん。
「歌詞は小岩の阿久悠になったつもりで半年間かけて書きました」と笑う松岡さん。

フォーナでは他にも小岩情報をYouTubeで発信する『小岩デラックス』の運営、老舗の名店を紹介する書籍『ラブユー小岩レトロ』の制作など、コンテンツを活用した地域活性化に取り組む。

「子供の頃は2階建てバスが走っていて、商店街の縁日も大にぎわいでした。ところが、20年間外でサラリーマンをやった後で戻ってきたらなんだか元気がないように感じて。じゃあ、当時の活気を取り戻してやろうとさまざまなまちおこし企画を始めたんです」

「盆踊りは見るもんじゃない」というひと言がきっかけ

一方で、これまた小岩が地元の美濃屋さんの実家は、かつて8代続く種苗屋だったという。

「総武線一の歓楽街なので、子供の頃の駅前はおっかなかったですね。また、快速が止まる新小岩と市川に挟まれて鈍行しか止まらないせいか、田舎臭さが残っていると思います。盆踊りは10年ぐらい前に娘を連れて行った地元のお祭りがきっかけ。ぼーっと立って娘が踊るのを見ていたら、周囲の人に『お母さんも踊りなさいよ。盆踊りは見るもんじゃないから』と言われて踊って完全にハマりました。踊れる曲が増えるのもまた醍醐味(だいごみ)なんです」

今では自称“盆踊ラー”を名乗るほど。小岩地域では夏の間、毎週のように各町内会が盆踊りを開催するそうだ。定番は東京音頭、炭坑節、大東京音頭などだが、毎年新曲も出る。小岩の新たな定番として『いじられて小岩』が踊られまくる日も近いかもしれない。

毎年5月にはまちフェスを開催。518(小岩)の日という遊び心。
毎年5月にはまちフェスを開催。518(小岩)の日という遊び心。
illust_2.svg

『小岩デラックス』から小岩情報をお届け!

「小岩グルメ」や「クイズラリー」「川柳コンテスト」など、小岩人でなくとも楽しめる情報を続々と発信。

取材・文=石原たきび 撮影=佐藤侑治
『散歩の達人』2026年1月号より