国立大学法人岡山大学

2025(令和7)年 11月 16日
国立大学法人岡山大学
https://www.okayama-u.ac.jp/
<発表のポイント>
- イネのタンパク質IET1は、これまでほとんど見つかっていなかった、細胞内から細胞外に二価鉄イオンを排出する輸送体です。IET1は主に節の分散維管束の導管の周辺の細胞に発現します。
- IET1は、この導管に節内で維管束間輸送された鉄を再度積み込むことで、新しい葉や穂への鉄の分配に重要な働きをします。
◆概 要
国立大学法人岡山大学(本部:岡山市北区、学長:那須保友)高等先鋭研究院を構成するひとつである岡山大学資源植物科学研究所(倉敷市)の馬建鋒教授らの研究グループ、学術研究院教育研究マネジメント領域(自然生命科学研究支援センター:ゲノム・プロテオーム解析部門)の宮地孝明研究教授らの研究グループは、中国科学院南京土壌研究所の車景研究員らの研究グループと共同で、イネの節で発現し、二価鉄イオンを細胞の外に排出する輸送体タンパク質IET1(Iron Efflux Transporter 1)を発見し、植物体内での鉄の分配に不可欠な新たなメカニズムを解明しました。
これらの研究成果は2025年11月12日、英国の総合学術誌「Nature Communications」に掲載されました。
鉄は植物にも動物にも生きていくために欠かせない微量必須元素です。鉄は土壌中に広く分布していますが、環境条件(土壌のpHや酸化還元状態など)によって水に溶ける量が極端に変化するため、植物は土壌から鉄を獲得し、体内で過不足なく分配するためのさまざまな仕組みを発達させています。IET1はイネの節で維管束間輸送された鉄を、新葉や穂へと続く分散維管束の導管に再度積み込む役割を担っていることが分かりました。このような研究を通じてイネや他の植物の環境適応能力をより良く理解し、持続可能な農業生産に貢献することが期待されます。

◆馬建鋒教授からのひとこと
この研究は車景博士が岡山大学資源植物科学研究所の植物ストレス学グループに所属していた頃に始めたもので、車博士が南京土壌研究所に転出した後も、本学で引き続き前例のない輸送体の機能や役割を解明するために5年以上の時間がかかりました。
下記の写真は今年7月、ポルトガルのポルトで開催された国際植物栄養学会議にて撮影したものです。

車景研究員と馬建鋒教授(右)
◆論文情報
論 文 名:A node-localized efflux transporter for loading iron to developing tissues in rice.
邦題名 「成長組織への鉄の分配に働くイネ節の鉄排出輸送体」
掲 載 誌:Nature Communications
著 者:Jing Che, Sheng Huang, Yuting Qu, Yuma Yoshioka, Chiyuri Tomita, Takaaki
Miyaji, Zhenyang Liu, Renfang Shen, Naoki Yamaji, and Jian Feng Ma
D O I:10.1038/s41467-025-64863-4
U R L:https://www.nature.com/articles/s41467-025-64863-4
◆研究資金
本研究は、主に独立行政法人日本学術振興会(JSPS)「科学研究費助成事業」(基盤S・21H05034 研究代表:馬建鋒)の支援を受けて実施しました。
◆詳しい研究内容について
イネの節で鉄を細胞外に排出する新奇輸送体を発見!鉄の過不足を解消し、環境変動に強い作物に期待
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r7/press20251114-1.pdf
◆参 考
・岡山大学資源植物科学研究所(IPSR)
https://www.rib.okayama-u.ac.jp/
・岡山大学資源植物科学研究所植物ストレス学グループ
http://www.rib.okayama-u.ac.jp/plant.stress/index-j.html
◆参考情報
・【岡山大学】オオムギのアルミニウム耐性を担うクエン酸輸送体の構造的基盤を解明
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003289.000072793.html
・【岡山大学】イネのケイ素吸収を制御する長距離シグナルタンパク質を発見!ケイ素蓄積を増やし、ストレスに強い作物に期待
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002811.000072793.html
・【岡山大学】イネをストレスから守る「ケイ素」の蓄積を担う輸送体を世界で初めて発見!~ケイ素を利用した作物の安定生産や安全性の向上に期待~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001753.000072793.html
・【岡山大学】イネのホウ素吸収はクラスリン非依存性経路を介して輸送体タンパク質の翻訳後に制御される
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000538.000072793.html
・【岡山大学】イネにおける亜鉛の輸送:植物の要求量と人の栄養とのバランス
https://www.rib.okayama-u.ac.jp/researchactivity/20220303-2/
・【岡山大学】イネの安定多収に欠かせないケイ酸輸送体の構造解明
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000333.000072793.html
・【岡山大学】イネ導管へのケイ酸のローディングに関与する輸送体Lsi3の同定
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000542.000072793.html
・【岡山大学】イネのカドミウム集積を抑制する遺伝子の同定により、収量と食味に影響しない低カドミウム集積イネの育成に成功!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000836.000072793.html



◆本件お問い合わせ先
岡山大学資源植物科学研究所 教授 馬 建鋒(ま けんぼう)
〒710-0046 岡山県倉敷市中央2-20-1
TEL & FAX:086-434-1209
E-mail:maj◎rib.okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id1464.html
<岡山大学の産学官連携などに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究・イノベーション共創機構 産学官連携本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
TEL:086-251-8463
E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/
<岡山大学の研究機器共用(コアファシリティ)などに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究機器の共用の体制・整備等の強化促進に関するタスクフォース(略称:チーム共用)
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
TEL:086-251-8705
FAX:086-251-7114
E-mail:cfp◎okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
https://corefacility-potal.fsp.okayama-u.ac.jp/
<岡山大学のスタートアップ・ベンチャーなどに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究・イノベーション共創機構 スタートアップ・ベンチャー創出本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
E-mail:start-up1◎adm.okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
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岡山大学SDGs~地域社会の持続可能性を考える(YouTube):https://youtu.be/Qdqjy4mw4ik
岡山大学Image Movie (YouTube):https://youtu.be/pKMHm4XJLtw
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産学共創活動「岡山大学オープンイノベーションチャレンジ」2025年10月期共創活動パートナー募集中:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003423.000072793.html


国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています。地域中核・特色ある研究大学として共育共創を進める岡山大学にご期待ください
- 岡山大学 文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」に採択~地域と地球の未来を共創し、世界の革新の中核となる研究大学:岡山大学の実現を加速とともに世界に誇れる我が国の研究大学の山脈を築く~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001935.000072793.html

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