ピエール瀧
1967年、静岡県出身。1989年に、石野卓球らと電気グルーヴを結成。音楽活動の他、俳優、声優、タレント、ゲームプロデュース、映像制作などマルチに活動を行う。近著は『ピエール瀧の23区23時 2020-2022』(産業編集センター)。
いや、すげえな! これは来てよかったと思うわ!
今日はここ横須賀にゴジラの滑り台を見に来たんだけどさ、そもそもなんで横須賀にゴジラの滑り台があんの?
—— はい、その説明をまずは手短にやっておきますね。初代ゴジラ(1954年)の作中に、「観音崎北東15マイルの海中に、北西に向け移動のゴジラを発見す!」というセリフがありまして。それで「ゴジラは横須賀市の観音崎海岸から上陸したんじゃないか?」ということで、映画公開直後の1950年代半ばにコンクリート製のゴジラの滑り台が観音崎のたたら浜に作られました。実際は観音崎ではなかったんですが、1973年に老朽化で壊されるまで、大変人気があった遊具だったらしいんです。
そういう経緯があった上で、1994年頃に横須賀商工会議所青年部が「横須賀のランドマーク創造」を掛け声に、ゴジラ滑り台の復元運動をスタートさせます。そうしていろんな方の寄付もあって、1999年に東宝公認でゴジラの滑り台がこの公園内に作られ、現在に至るそうです(情報の出典は観音崎自然博物館公式HP&神奈川タウンニュースサイト「レアリア」より)。
なるほどね。だからこの公園入り口の売店でもゴジラグッズを売っている、と。しかしさ、ここの公園めちゃくちゃ広くない? この地図見てごらんよ。ここを全部まわろうと思ったら、山をUの字にぐるっと移動する感じだよね。ぶっちゃけLUUPとかで移動したいんだけど(笑)。
—— アップダウンも激しいですしね(笑)。なので、園内を移動するためにフラワートレインという乗り物が稼働しています。来園した方にはこちらをすすめているそうです。
ただ、今回は特別に許可をいただき、ゴジラのあるエリアまで車で移動させてもらうことになりました。というわけで、車で向かいましょう。
それはすげえありがたい(笑)。
—— はい、到着しました! ここがゴジラの滑り台がある冒険ランドというエリアです。
ここまで結構な坂だったから、完全に山の上じゃん。そして、あれがゴジラの滑り台か!
いや、すげえな! これは来てよかったと思うわ!
—— 残念ながら遊具としては小学生向けなんで大人は見るだけになっちゃいますけど、とっても精巧にできていますよね。
この爪の感じとか、あと背中っていうか尻尾か。すごく緻密につくってある。尻尾のところが滑り台になってるんだな。
「ゴジラ復活!までの軌跡」だって。さっき説明してくれたようなことが書いてあるね。
最近のゴジラではなく俺らが子供の頃に見ていたゴジラだ
—— 「ゴジラの滑り台に協賛をしていただいた企業」の企業名がズラッと載ってますね。東京湾フェリー、東宝、京浜急行……。
横浜ベイスターズもあるね。でもやっぱこれだよ、おつけもの須藤。地元の企業なんだろうけど、字も大きいしめっちゃ目立つね(笑)。個人の名前もある、樋口監督の名前とかないかな? こうなってるっていうことは、造形も東宝にちゃんと監修してもらったってことだよね。
目とか見てよ。『シン・ゴジラ』とか『ゴジラ-1.0』じゃなくて、俺らが子供の頃に見ていたゴジラだ。ほら、ゴジラの右側から見てみると、空が抜けて高圧線なんかもバックになるじゃん。ロケーションもバッチリでなんかエモいわ!
そんで喫煙所もすみっこの方にちゃんとあるというおっさん仕様。
—— このエリア、他の遊具も結構見ものですよ。
大人も乗っていいのかな? この船みたいな遊具結構でかいね。これはさ、やっぱ場所柄ペリー来港的なイメージにしてあんのかな? さすがに船を黒に塗るのはためらったろうけど、遊具の上からの眺めは最高にいい。山の上だけあって、眺めと抜けがすばらしいね。対岸の千葉まで見えちゃうからね。
これさ、なかなかのオリジナル複合型遊具で素晴らしいんだけど、ここまでのアクセスの難易度のせいなのか、子供が全然いないね(笑)。今は昼の2時ぐらいだけどさ、これが近所の公園にあったら幼稚園児とかであふれかえっててもいい時間じゃん。結局子供の足だけで来れるところじゃないんだろうな。でもその代わりに、たどり着けば独占できるよね!
—— さっきから何人か、特撮好きっぽい人は来てますけどね。海外の方もいらっしゃいましたし。
うんうん、分かるよ。そういう人は平日の昼でも来るよね。さて、公園としてはこの奥もまだまだあるんだよね?
—— ですね。レストランとかもあるんですけど、そこはもちろん有料なんで。ハーブ園や足湯がある、くりはまKidsガーデンというエリアがあるんで、そっちに行ってみましょうか。そこもこんな感じで子供が遊べるようになってます。
……いや~、結構歩いたね(笑)。途中、停車してるフラワートレインや花を愛でたりはしたけれど。もう脚がパンパンだわ。でもこっちのKidsガーデンも充実してる。ハーブ園とか足湯があるって言ってたけど、ここの複合型遊具も規模がデカい。
小さい子はこっちの方が遊びやすいんじゃない? 斜面を登るロング滑り台は、もう階段を登る元気がないからパスします(笑)。
この公園ってさ、いろんな人がすごい一生懸命手入れしていることは伝わるんだけど、広大過ぎて一人当たりの担当面積が多分膨大なんじゃないかな(笑)。
—— 毎日違うエリアの手入れをしてるんでしょうね。
山を切り拓いて公園に仕上げた感じだもんね。一日で見て回るならフラワートレインは必須だと思うけど、ハイキングがてらに来るのもありかも。でも、やっぱりゴジラの滑り台は一見の価値ありだよ!
『くりはま花の国』詳細
ゴジラ完成度 ★★★★★
複合型遊具充実度 ★★★★
乳酸蓄積度 ★★★★★
水飲み場:あり トイレ:あり
自販機:あり 灰皿:あり
構成=カルロス矢吹 撮影=横井明彦
『散歩の達人』2026年1月号より








