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― 日本とハワイの文化にみる性と歴史 ― 2025年8月15日(金)~8月31日(日)

2025年8月15日より、新宿・歌舞伎町のアートスペース「デカメロン」にて、展覧会 「波間の体 ― 島々の性と文化」 を開催いたします。
本展は、日本とハワイ、それぞれの歴史のなかで育まれてきた性のあり方と、その表現文化に焦点を当てます。
会場では、渓斎英泉による笑本をはじめとした実物の春画を展示し、江戸時代の人々が春画に触れてきた空気感を追体験できるような距離感でご鑑賞いただけます。さらに、ネイティブ・ハワイアンのルーツを持ち、ハワイ語を第一言語として育ったアーティスト Koa へのインタビュー映像も上映いたします。ハワイ文化における性やアイデンティティの価値観、hula や mele ma’i(性器を讃える詩歌)などの表現、その歴史的変遷、そしてそれらを未来へつなぐ重要性を、当事者の語りを通してご紹介いたします。
性表現の多層性 ー 歴史と文化の視点から
春画が「笑本」と呼ばれるように、そこにはユーモラスで祝祭的な表現が多く見られ、性の欲動や子孫繁栄の願いが持つ創造的な側面を感じとることができます。しかし、そうした豊かな表現を支えていた社会の影には、搾取的な遊郭制度や人身売買制度、そして男性優位的な権力構造が存在していました。このような背景を踏まえると、当時の性表現を単にユーモラスで自由なものとして再評価することには慎重さが求められます。同時に、誰が何を、そしてなぜ「野蛮」や「猥褻」と定義するのかを問い直すことは、現代においても重要な意味を持ちます。
一方、ハワイの性表現は、古来より生命や性の悦びを祝福する独自の文化として育まれてきました。しかし、19世紀以降の植民地主義的な支配や経済構造の変化の中で、性的搾取が広がり、そのうえ元来の性表現は外来の規範や価値観によって制限されるようになっていきました。
本展は、異なる二つの歴史的表現を並置することで、私たちが無意識のうちに内面化してきた“近代的”な視点をほどき、性やアイデンティティの多様なあり方、そしてそれらを取り囲む社会について、あらためて見つめ直す機会といたします。


2つの展覧会で、性表現の世界をより深く堪能する
現在、新宿歌舞伎町能舞台にて開催中の 「新宿歌舞伎町春画展 ― 文化でつむぐ『わ』のひととき」(2025年7月26日[土]~9月30日[火])では、さらに幅広い春画の世界をご覧いただけます。両展をあわせて巡っていただくことで、それぞれの展示の奥行きと広がりをより深く味わっていただけます。併せてぜひご高覧ください。
開催概要
「波間の体 ― 島々の性と文化」
会期: 2025年8月15日(金) - 8月31日(日)
休廊日: 月曜日
時間: 20:00 - 27:00
会場: デカメロン
住所: 東京都新宿区歌舞伎町1丁目12-4
※18歳未満入場不可
ご来場時に年齢確認のために本人確認書類(マイナンバーカード、免許証、健康保険証など)のご提示をお願いする場合がございます。あらかじめご了承ください。
新宿歌舞伎町春画展 ― 文化でつむぐ「わ」のひととき。
会期:2025年7月26日~9月30日
会場:新宿歌舞伎町能舞台
住所:東京都新宿区歌舞伎町2-9-18 ライオンズプラザ新宿 2階
開館時間:11:00~21:00(土日祝10:00~) ※入場は閉館時間の30分前まで
休館日:月(ただし祝日の場合は開館し、翌火曜休み)
料金:一般 2200円 ※日時指定予約制(当日、日時指定枠に空きがある場合は、事前予約なしで入館可能)。18歳未満入場不可(チケット購入時に年齢確認が必要)
HP:https://www.smappa.net/shunga/

デカメロンについて

2020年、新宿・歌舞伎町の中心地に開廊。同店は、1348年からヨーロッパで猛威を振るったペストの様子を克明に綴ったボッカッチョによる物語集『デカメロン』を店名に冠した。
2階が展示スペース、1階のバーは展示鑑賞前後にアーティストや観覧客が交差するコミュニケーションスペースとなっている。2021年4月にはギャラリースペースの増床を行い、実験的な現代アートの展覧会を開催し続けている。
HP:https://decameron.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/decameron_kabukicho/
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