ポーラ文化研究所
2024年12月19日(木)から2025年3月28日(金) まで開催


《名筆浮世絵鑑》五渡亭国貞 1818~30年(前期に展示)

《当勢三十二想 あたたまり相》国周 1869年(後期に展示)

 株式会社ポーラ・オルビスホールディングスが運営するポーラ文化研究所の化粧文化ギャラリー(東京・港区南青山)は、江戸時代の通過儀礼としての化粧に焦点を当てた「初化粧」展を2024年12月19日(木)よりスタートします。

 当ギャラリーでは、今年5月から2025年3月まで「はじまりの美学」をキーワードに3期に分けて展示を行っており、今回3期目となります。江戸時代、化粧には身分や階級、年齢、職業によって多くの決まりごとがあり、成人、結婚、出産などライフステージの変化を機に「初めて行う化粧」がありました。今回は、さまざまな通過儀礼のある中、特に既婚女性を象徴する「剃り眉※1と丸髷(まるまげ)※2」に焦点を当て、化粧のもつ社会的な意味や、人生に訪れる「初化粧」への思いや不安、ためらいを掘り下げます。

 本展では、五渡亭国貞や三代歌川豊国の浮世絵など未婚・既婚女性のよそおいを描いた作品6点※3や、江戸時代後期の眉つくり道具、当時の髪型を約2分の1の大きさで再現した「結髪雛形(けっぱつひながた)」を展示します。ライフステージの変化とともに、髪型を変え、顔の印象を大きく左右する眉毛を落とす。個人にとってその衝撃は大きいことが想像され、「初化粧」に向かう当時の女性の期待や不安、ためらいなど揺れ動く気持ちを、川柳や絵画資料なども挙げながら、多角的に読み解きます。

 また、Booksのコーナーでは、「転換点」から連想を広げた6つのテーマ「Border/変態/ 流行/視覚/ためらい/自信」を軸に選定した書籍が並びます。ユニークなラインナップの数々に思わず手が伸びる、化粧文化との予期せぬ出会いを楽しめる内容となっています。

※1 剃り眉とは、江戸時代の女性は結婚や子ができると眉を剃り落として、描かないまま過ごしました。この習慣は「慎ましく、そして、表情をあらわにしない」という江戸女性の心がまえの表現と考えられています。
※2 丸髷(まるまげ)とは、江戸時代~明治時代の代表的な既婚女性の髪型(日本髪)
※3 浮世絵は、前後期に分けて3点ずつ展示
 

《江戸名所百人美女 芝神明前》三代歌川豊国、歌川国久(こま絵)安政5年(後期に展示)

■展示概要 
展覧会名:オープニング企画「はじまりの美学」3期 初化粧
会期:2024年12月19日(木)~2025年3月28日(金)
※浮世絵は前後期で全点入れ替え(前期:12月19日~2月7日、後期:2月13日~3月28日)
場所:ポーラ文化研究所 化粧文化ギャラリー
住所:東京都港区南青山2-5-17 ポーラ青山ビルディング1F
開室日:木曜日・金曜日 ※木曜日は予約制
休室日:2024年12月20日、2025年1月2日、1月3日、3月20日
開室時間:11:00~17:00(最終入室は16:30まで)
料金:無料
公式サイト:https://www.cosmetic-culture.po-holdings.co.jp/gallery/

【化粧文化ギャラリーについて】
展示室は約14平方メートル とコンパクトな空間ながら、化粧道具や装身具、絵画資料、文献などを複合的に展示・構成することで、化粧文化やその時代風俗を読み解いていただけるよう企画しています。学芸員によるギャラリートークやレファレンスなども予約制で実施し、研究所が運営するギャラリーならではの学び・気づき・楽しさがつまったプログラムをご用意しています。

結髪雛形「丸髷(まるまげ)」江戸時代末-明治時代

■関連イベント開催 
 港区立赤坂図書館との共催で、ポーラ文化研究所の学芸員によるスライドトークを行います。開催中の「初化粧」展の見どころを中心に、化粧の歴史的な意味や社会的な側面についてご紹介します。

イベント名:「はじまりの美学」 スライドトーク
日時:2025年1月26日(日)14:00~15:00
場所: 港区立赤坂図書館 多目的ホール
住所:〒107-0062 東京都港区南青山1丁目3番3号 青山1丁目タワー3階
公式サイト:https://www.lib-minato.jp/library/akasaka.html
定員: 30名 ※事前申込制、先着順
申込方法:12月22日(日)より赤坂図書館カウンターおよび電話にて予約受付
(電話番号03-3408-5090)

■デジタルミュージアムでも「はじまりの美学」展覧会を公開 
 オンライン上で、ポーラ文化研究所の所蔵コレクションを閲覧いただけるデジタルミュージアムのコンテンツに、12月24日より「はじまりの美学」1期~3期の展示が加わります。2024年にローンチしたデジタルミュージアムは、当研究所が長年にわたって企画開催してきた展覧会を再構築し、現在10企画展、約1,000点のコレクションを公開しています。

デジタルミュージアム 
https://www.cosmetic-culture.po-holdings.co.jp/digitalmuseum

■歴史上の人物になりきる「BEAUTY TRIP」に新たなバージョンが追加 
 ポーラ文化研究所が、株式会社PIVOTに協力いただき開発した顔はめアプリ「BEAUTY TRIP」は、西洋版画や浮世絵の人物にご自身の顔をはめて撮影し、それぞれの時代のメークを疑似体験できる人気の予約制プログラムです。18世紀フランスのマリーアントワネット風から大奥御台所、花魁まで和洋さまざまなビューティアイコンになりきることができます。2025年1月からは男性のアイコンが新たに登場します。さあ、あなたはどんな人物になってみますか?

予約方法:下記URLよりご予約いただけます
https://www.cosmetic-culture.po-holdings.co.jp/gallery/discoverydays/

制作協力:株式会社PIVOT 
https://pivot.jp/work/pola

「BEAUTY TRIP」使用の様子

ビューティアイコンの一例:17世紀後半のフランス王侯貴族



「BEAUTY TRIP」アプリの機能イメージ

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