国立大学法人岡山大学

2024(令和6)年 12月 6日
国立大学法人岡山大学
https://www.okayama-u.ac.jp/




<発表のポイント>
「21世紀出生児縦断調査」(厚生労働省)のデータベースを使用し、7歳までのケガによる病院受診の有無について、1歳半までのケガの受傷歴の有無で比較しました。

約8割の家庭で乳児期に何らかのケガを経験しており、乳児期にケガの経験がある子どもの場合、7歳に至るまでに再度ケガを負いやすいということが明らかになりました。




◆概 要
 子どものケガは家庭においても社会的にも取り組むべき非常に重要な課題です。乳幼児期では、ケガの多くが家庭内で発生しており、適切な予防策が講じられない場合には、再度、ケガを繰り返す可能性があります。

 国立大学法人岡山大学(本部:岡山市北区、学長:那須保友)学術研究院医歯薬学域(医)救命救急・災害医学講座の平岡知浩大学院生、小原隆史助教、中尾篤典教授のグループは、疫学・衛生学分野の松本尚美助教、頼藤貴志教授らとの共同研究において、「21世紀出生児縦断調査(平成22年出生児)」(厚生労働省)のデータベースを縦断的に解析し、1歳半までのケガの受傷歴と7歳までのケガによる病院受診の有無の関連性について検討しました。

 その結果、本邦では約8割の家庭で乳児期に何らかのケガを経験しており、乳児期にケガの経験があるとその後のケガの再発リスクが1.5倍になることが分かりました。さらに、転落、挟まれ、溺水、誤飲、熱傷によるケガは、独立した再発リスクであることが示されました。

 今回の結果は、家庭内でのケガ予防策を見直す必要性を示唆するとともに、医療機関や母子保健行政による啓発や介入の一助となることが期待されます。

 この研究成果は、2024年10月21日ドイツ Springer Nature社の『Scientific Reports』に掲載されました。

 なお本情報は、2024年12月5日に岡山大学から公開されました。


◆平岡知浩大学院生と小原隆史助教からのひとこと
 日々の生活の中、病院を受診するのは子ども自身も家族も大変ですよね。今回の研究が、乳幼児のケガを減らす対策に繋がっていくことを願っています。
平岡知浩大学院生と小原隆史助教(右)


◆論文情報
 論 文 名:A nationwide longitudinal survey of infantile injury and its recurrence in Japan
 掲 載 紙:Scientific Reports
 著  者:Tomohiro Hiraoka, Takafumi Obara, Naomi Matsumoto, Kohei Tsukahara, Takashi Hongo, Tsuyoshi Nojima, Masaki Hisamura, Tetsuya Yumoto, Atsunori Nakao, Takashi Yorifuji, Hiromichi Naito
 D O I:10.1038/s41598-024-76403-z
 U R L:https://www.nature.com/articles/s41598-024-76403-z


◆詳しい研究内容について
 乳児期のケガは小学校入学前までのケガの再発につながる!~家庭内での事故予防の再確認を~
 https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r6/press20241205-1.pdf


◆参 考
・岡山大学医学部
 https://oumed.okayama-u.ac.jp/
・岡山大学病院
 https://www.okayama-u.ac.jp/user/hospital/
・岡山大学病院 救命救急科
 https://okayama-u-qq.sakura.ne.jp/




岡山大学病院(岡山市北区)


◆本件お問い合わせ先
 岡山大学 学術研究院 医歯薬学域(医)救命救急・災害医学講座 助教 小原隆史
 〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1 岡山大学鹿田キャンパス
 TEL:086-235-7427
 FAX:086-235-7427
 https://okayama-u-qq.sakura.ne.jp/

<岡山大学病院との連携等に関する件(製薬・医療機器企業関係者の方)>
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 http://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/ph_company/

<岡山大学病院との連携等に関する件(医療関係者・研究者の方)>
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