JDMSO
DNA鑑定では産地を証明できなかった日本酒を新技術をつかって鑑定。比較データが作成できるようになったことで全世界から「本物の日本酒」であるかを証明可能に。電子タグが埋め込めない食品や飲料への展開に期待
日本流通管理支援機構株式会社(本社:東京都世田谷区、代表:佐野 正登、通称:JDMSO社)は、6月10日、ダイヤモンドの産地鑑定で用いられる技術を応用したサービスを使った“日本酒の原産地鑑定”を行いました。その結果「どこの酒蔵で生産されたのか」というピンポイントな原産地まで特定できたことを報告いたします。なお、今回の鑑定は技術の証明のために、当社が自主的に行ったものです。
■日本酒の原産地鑑定 どこの酒蔵で作られたのかを可視化
今回の鑑定は、当社が提供している国内唯一の“科学的”原産地証明サービス・「産地の証印(TM)」を使って、「どこの酒蔵で生産されたものか」というピンポイントな原産地まで特定するものです。これまでワインなどの原産地鑑定は行われていましたが、日本酒の原産地鑑定を行ったのは当社が初めてです。日本酒は原材料が「水」と「米」だけのため、ワインに比べて鑑定が難しいといわれています。そんな中、水や米などを分子レベルまで解析し、オリジナル(本物)と一致するか?という鑑定を行いました。
今回の鑑定では3つの県(新潟・群馬・京都)で作られた3銘柄、製造年月日が異なるものを合計9本使用しました。
水と米で作られた日本酒でも正確に分類できており、更に細かく見ることで「いつの仕込みか?」というレベルで鑑定も可能。
図にプロットされた緑色の部分が京都府、オレンジ色が新潟県、水色が群馬県で製造されたということを示しています。もし偽造品の場合、図中のまったく違う場所にプロットされることから、すぐに偽造品だと判断することができます。今回の鑑定では、どこの酒蔵で作られたものかまで特定することができ、原産地の鑑定に成功しました。
■多発している日本酒偽造問題
この鑑定を行った理由は、近年、高額な日本酒の空き瓶がインターネットで販売され、中身だけが入れ替えられて、海外で取引されるという事例が多発しているからです。また、新酒発表会の“直後”に輸出した覚えのない国に並んでいるという実態もあります。日本酒メーカーからすると、出荷した覚えがないのに海外の市場に並んでいるのです。世界で流通している酒の30%は偽造品ともいわれていますが、消費者はもちろん、輸入業者や販売者が本物か偽造品かを判断する方法はありませんでした。
■国内で唯一の”科学的”原産地証明サービスで、原産地を特定
上記のような問題に対して、当社が提供している国内唯一の“科学的”原産地証明サービス・「産地の証印(TM)」(https://bornhere.jp/)を使えば、本物か偽造品かを正確に判断することができます。
「産地の証印(TM)」は、ダイヤモンドの産地鑑定で用いられる技術を応用したサービスで、「どこの酒蔵で作られたのか」「どこの畑で育ったのか」「どこの海で獲れたものか」というピンポイントな原産地の証明ができるものです。
「産地の証印(TM)」は日本に先んじて、海外で多くの実績があります。そのひとつが、穀物をめぐるウクライナ-ロシア間の問題です。同じDNAを持つ小麦がある穀倉地帯。DNA鑑定では同じになってしまいますが、原産地を特定することで、「略奪されたものではないか?」という検証をすることができます。本来はウクライナ産である穀物を、ロシア側が自国産の穀物と混合したり、嵩増ししたりしてロシア産として販売してしまうと、その利益が戦争の資金源に繋がる可能性があるのです。そのようなことを避けるべく、検証しているという信頼のある技術です。他にも、コーヒーやワイン、アワビ、肉類など、あらゆる食品や加工品での実績があります。食品に限らず、鉱物、金属、レアメタルなどの原産地を証明することも可能です。
また、裁判での適用事例も豊富です。たとえば、食品中の異物の出所を特定し、企業に科学的証拠として提出、裁判で使われた事例があります。FBIやインターポール、オーストラリア警察の捜査に活用されたこともあるほどです。
■DNA鑑定など、これまでの対策との違い
これまで原産地鑑定といえば「DNA鑑定」を用いることが一般的でした。しかし、日本酒の場合はDNAを持たないため、DNA鑑定は使用できません。また、QRコードやRFID(ICタグの情報を非接触で読み書きする自動認識技術)を使った対策もありますが、そもそもコードやタグが偽造されてしまう可能性もあります。
しかし「産地の証印(TM)」なら、国内外問わず、どこからでも本物か偽造品かを判断することができます。シンガポール政府では国を挙げてこのサービスを導入しており、輸入品に対して抜き打ち検査を行い、原産地の特定をしています。
(生産物自体の情報を解析して比較するので、ITによる実物との紐づけが不要)
(QRやNFC/RFIDなどでは、中身の入替には対応できない)
■FBIやインターポール、外国政府が導入する技術を比較的リーズナブルな費用で利用可能
日本酒の場合は、50-300万円程度から、分析情報を作成可能です。
価格に幅がある理由は、「製造は1つの酒蔵か?複数地点か?」「年に何度生産しているか?」「添加物が含まれるか?」「定期的に検証を行うか?スポットか?」などで変わってくるからです。
例:
「和牛」を証明してほしいというリクエスト→ 日本のすべての牛を検証する必要がある
「神戸牛」を証明してほしいというリクエスト→ 調査対象は神戸牛のみになるため、コストが圧縮、価格が低下
■「産地の証印(TM)」を使って期待できること
当社は分析だけでなく、現地(海外)にいるサポーターと連携し、偽造品の疑いがある日本酒をピックアップ、ラボに送るというサービスも行っています。ラボで解析後、数日で鑑定結果のレポートを提出。偽造品販売業者を特定し、取引を停止させることが可能です。解析を重ねることで日本酒のデータが集まり、精度がさらに高まることが期待されます。
また、webサイトで「全世界から品質証明可能」「輸入前にチェックできる」などとPRすることで、海外バイヤーや消費者からの信頼が上がり、企業や商品の価値向上にも繋がります。提携マーケティング会社にて広報支援も行っております。
偽造された日本酒が流通すると、日本酒ブランドの価値が下がり、経済的にも大きな損失となりかねません。本物の日本酒ブランドの価値を守り、輸出量を増やし、世界に日本酒ファンを増やすためにも、当サービスがお役に立てると考えています。今回のリリースをきっかけに、より多くの方に知っていただけますと幸いです。
【日本流通管理支援機構(株)企業概要】
模造品対策を専門に行うシステム会社。 日本産の価値を未来に残すため、バイオ技術やAI(IT)を活用した先進的なシステム開発力で、転売・横流し・偽物対策のためのシステム、トレーサビリティの仕組み構築などを展開。日本青果物輸出促進協議会におけるブランディング・マーケティングの流通支援、輸出時の農作ものの腐敗などのトラブルに備える、農林水産省の補助事業における大規模かんしょ事業などの実績がある。
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更新日:2024.07.01
“日本酒の原産地鑑定”に成功!バイオ技術を使い「いつ、どこの酒蔵で作られたのか」までピンポイントで特定。海外で売られる偽日本酒から消費者や日本メーカーを守る新技術
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