NPO法人AYA
11都府県で13回の上映会を実施、6月16日 TOHOシネマズ 錦糸町でフィナーレ
NPO法人AYA(本社:東京都中央区、代表:中川悠樹)は、医療的ケア児・障がい児とそのご家族を対象に、『映画ドラえもん のび太の地球交響楽(ちきゅうシンフォニー)』を上映するイベント~AYAインクルーシブ映画上映会~を開催。3月17日のTOHOシネマズ 川崎を皮切りとして、全国11都府県で13回の上映会を実施し、延べ2,067名を動員しました。イベントには、同法人代表で医師の中川ほか、医療従事者がスタッフとして参加し映画鑑賞をサポート。参加者からは「家族みんなでリラックスして楽しく参加できた」「車椅子でも温かくサポートしてもらえて安心できた」などの声が届いています。
~AYAインクルーシブ映画上映会~TOHOシネマズ ららぽーと横浜の様子。参加者は300名を超え、上映会初の2会場同時上映が実現した。
■NPO法人AYA と、映画『ドラえもん』上映会開催の背景
医療的ケア児とは、日常生活及び社会生活を営むために恒常的な医療的ケア(人工呼吸器による呼吸管理、喀痰吸引その他の医療行為)を受けることが不可欠な子どものことを指します。厚生労働省の推計(令和4年)によると、全国の医療的ケア児(在宅)は約2万人。また総務省の発表※によると、障がい児は約60万人。社会全体で、医療的ケア児や障がい児の日常生活・社会生活を支援することが求められています。
NPO法人AYAは「スポーツ・芸術・文化を通じて、子どもたちの世界観が広がる場を提供します」をMissionに掲げ、病気と闘う・障がいと共に生きる・医療的ケアが必要である子どもたちとそのご家族に、様々な挑戦の場を提供しています。2023年度(2023年4月~2024年3月)は、バスケットボール観戦や、小笠原諸島での海水浴等、計33回のイベントを実施。のべ1,368名(ご家族・スタッフを含む)にご参加いただきました。
上映会誕生のきっかけは、「映画館で、映画を鑑賞したい!」という医療的ケア児のお母さんからの声。席にじっと座っていることができない、急に声を出してしまう、医療機器のアラーム音・痰の吸引音が鳴るなどの理由から、周囲に迷惑がかかることを気にして、映画館での映画鑑賞に高いハードルを感じている現状を知ったことがスタートでした。
「健常な子どもたちや、その家族と同じように映画館で映画を見てみたい!」という、彼らの思いを叶えるためにスタートした本プロジェクトですが、実現までには資金や会場の確保など、たくさんの課題がありました。
最終的には、映画館のシアターをまるごと貸し切ることで、“音や声が出ても、じっとしていられなくても、安心して映画を鑑賞できる環境”を実現。医師や看護師などの医療従事者が会場内で見守ることで、緊急時の対応を懸念する映画館側の受け入れ障壁を下げました。
■秋田から広島まで、11都府県で13回の上映会を実施 延べ2,071名を動員
『映画ドラえもん のび太の地球交響楽(ちきゅうシンフォニー)』~AYAインクルーシブ映画上映会~は、配給会社である東宝株式会社と、会場となった各映画館の全面協力を得て実現しました。全13会場と動員数は以下の通り。この場を借りて、すべての関係者の皆さまに御礼申し上げます。
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2024年3月17日(日) 129名動員
TOHOシネマズ 川崎(神奈川県川崎市)
2024年3月24日(日) 89名動員
T・ジョイ京都(京都府京都市)
2024年3月31日(日) 125名動員
TOHOシネマズ ららぽーと磐田(静岡県磐田市)
2024年4月7日(日) 189名動員
広島バルト11(広島県安芸郡府中町)
2024年4月14日(日) 136名動員
USシネマつくば(茨城県つくば市)
2024年4月21日(日) 337名動員
TOHOシネマズ ららぽーと横浜(神奈川県横浜市)
2024年4月28日(日) 139名動員
MOVIX仙台(宮城県仙台市)
2024年5月5日(日) 244名動員
イオンシネマ高崎(群馬県高崎市)
2024年5月12日(日) 137名動員
イオンシネマ白山(石川県白山市)
2024年5月19日(日) 165名動員
イオンシネマ茨木(大阪府茨木市)
2024年5月26日(日) 79名動員
TOHOシネマズ 秋田(秋田県秋田市)
2024年6月2日(日) 191名動員
TOHOシネマズ 日本橋(東京都中央区)
2024年6月16日(日) 107名動員
TOHOシネマズ 錦糸町(東京都墨田区)
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TOHOシネマズ ららぽーと磐田 上映中の様子 照明を明るめに設定することで、お子様も安心。手元が見えるので上映中の医療的ケアも可能に。
■「できるんだぁ!」「娘のキラキラした目を見て涙」参加者の声
上映会にご参加くださった医療的ケア児・障がい児とそのご家族の皆さまからお寄せいただいたコメントの一部をご紹介します。
・車椅子から降りて、一般席での体験! とても貴重でした! できるんだぁ!という嬉しさと、イベントだったからこそ出来たチャレンジだったので、新しい発見をいただけました!(川崎)
・映画が楽しくて踊ったり、解説してくれるわが子に出会えて、こんな映画の見方があるんだと目から鱗でした!(京都)
・音楽にのって身体を動かしたり、拍手をしたりと楽しそうだったので、参加してよかった!と心から思いました!(磐田)
・とくにきょうだい児にとって身内にハンディキャップのある家庭は自分だけじゃないよと知る機会になったと思います。(広島)
・息子と映画を観ることは一生出来ないと思っていたので、とっても嬉しく、貴重な体験でした!(つくば)
・映画中、ポップコーンを食べながら一緒に映画を観ることができたことが嬉しくて泣いてしまいました。(横浜市)
・病気をしてからは、気軽に”やってみよう!行ってみよう!”ができなくて諦めることが多い日常でした。が、今回の上映会に参加させていただき、娘のキラキラした目を見て涙が出ました。(仙台)
・我が子も私(母)も、気を遣うことなく、リラックスした状態で、心の底から楽しむことができました。きっと他のみなさんも同じだと思います。 本当に幸せな時間でした!(高崎)
・下を向きがちな日々、前をしっかり向いて歩こうという気にさせてくれました。(金沢)
・結果としては最後まで見ていることは出来ませんでしたが、今度は事前にこういう声かけをしたら座っていられるかも、席を出入口に一番近いところにすればまたチャレンジ出来るのでは?など、一緒に映画館に行くことに少し前向きな気持ちになれました。(茨木)
・今まで挑戦出来なかった事を経験させて頂けて、車椅子でも実は色んな事が出来るかも、行けるかもと思えるようになり、車椅子ユーザーの息子を連れて出掛ける機会が増えそうです!(秋田)
・好きなキャラクターでも通常の映画館ではかなりハードルが高く、ただストレスなだけで楽しむことができなかったのですが、今日はイヤマフも無し、大騒ぎも無し、中座もトイレの2回だけ、自宅にいるようにリラックスして最後まで楽しんだ息子を見ることができて胸がいっぱいになりました。(日本橋)
・ほかの人が少し声を出していても、まったく気にすることなく映画を楽しめました。(錦糸町)
上映中は、声を出しても、立ち歩いてもOK。お手洗い等の中座の際も適宜サポートします。
■NPO法人AYA代表 中川悠樹より 上映会開催を終えて
障がいのある子どもたちも、医療的ケアが必要な子どもたちも、当たり前に映画を見ることができる世の中を作りたい。この夢に向かうためのプロセスとして、まずは全国12か所で、12週連続の映画上映会をしよう。そう決意して動きはじめたものの、本当に実現できるのか、大きな不安もありました。そんななか、日本を代表する映画配給会社である東宝株式会社の皆さまが、設立1年に満たないNPO法人である僕たちAYAを全面的に応援して下さったこと、また全国13か所もの映画館(5月末に急遽13会場目の錦糸町を追加)が協力を申し出てくださったことが大きな励みになりました。この場を借りて御礼申し上げます。
実際に、全国13会場での上映会を開催するにあたっては、東宝株式会社様、映画館の皆様のほか、各地でボランティアとして参加して下さった皆様のお力なしに実現することは不可能でした。SNSでの拡散や、当日の参加者の皆さんのサポートに至るまで、多くの協力をいただいたこと、本当に感謝しています。
NPO法人AYA代表 中川 悠樹(なかがわ ゆうき)
僕自身、全国各地を巡るなかで、どの地域にも特色があって非常に楽しませていただきました。また、たくさんの参加者の皆様からエールをいただくなかで、どの地域にも大きなニーズがあることが分かりました。
一方で、今後への課題を見つけることもできました。今回の上映会の約12週間で映画を届けられたのは2,067人です。一方で、いま現在だけでも全国に障がいのあるお子さんは約60万人※いると言われています。全国、そしていずれは世界にこうした取り組みを広げていくためには、もっと仲間を増やして、もっともっと加速度を上げなくてはいけません。
この夏には、また新たな映画上映会イベントを計画しています。僕たちの活動に共感して下さる方はぜひ仲間になって下さい。ボランティアはもちろん、イベント運営や広報活動のためのご支援・ご寄付も受け付けております(詳細はこちら)。一緒に、障がいのある子どもたちも、医療的ケアが必要な子どもたちも、当たり前に映画を見ることができる世の中を作りましょう。
※身体障害児(18歳未満):約7万人1) 、知的障害児(18歳未満):約23万人1) 、精神障害児(20歳未満):約28万人1)、医療的ケア児(20歳未満) :約2万人2) オーバーラップあり
【出典】
1)内閣府ホームページ「障害者の状況」
2) 厚生労働科学研究費補助金障害者政策総合研究事業「医療的ケア児に対する実態調査と医療・福祉・保健・教育等の連携に関する研究(田村班)」 及び当該研究事業の協力のもと、社会医療診療行為別統計(各年6月審査分)により厚生労働省障害児・発達障害者支援室で作成)
◆中川 悠樹(なかがわ ゆうき)
2009年 京都大学医学部卒業。救急科専門医・外科専門医・JSPO公認スポーツドクター・医師会認定産業医・旅行医学会認定医・JDLA G検定/E資格。三井記念病院、横浜労災病院での消化器外科・救命救急センターでの勤務を経て、ドクターヘリ添乗医、離島医療などを実践。様々な活動を行いながら、2022年1月にNPO AYAを立ち上げ、2023年6月に法人化、代表理事就任。
◆NPO法人AYAについて
NPO法人AYA は、スポーツ・芸術・文化との出会いや触れ合いを通して、病気と闘っている・障がいとともに生きている・医療的ケアが必要である子どもたちの世界観が広がる場を提供します。 病気になったからこその出会いが、子どもたちの人生に彩りを添え、次の挑戦へ向かう情熱と勇気になればと考えています。
【法人概要】
社名:特定非営利活動法人AYA
本社所在地:東京都中央区日本橋兜町6番5号
HP:https://aya-npo.org/
取材・お問い合わせ:https://aya-npo.org/contact/
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