吉玉サキ(達人)の記事一覧

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“大人”になった私を見てなんて言うだろう? 共に作家を目指し、旅立った彼女に語りかける
「さんたつ」ではエッセイを書いているが、実は私の仕事の9割はインタビュー記事だ。特にジャンルを決めず、幅広く書いている。企業の方やお店の方、芸能人や作家、なんらかの専門家の方などにお話を伺うことが多い。インタビュー中、「なるほど、すでに潜在的なニーズはあったんですね」などと相槌を打っているとき、ふと「今の私、大人みたいだな」と思うことがある。いや、年齢的にはとっくに大人なのだが、急に実感すると妙な気分になるのだ。
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旅することは本を読むこと。旅の数だけそこで読んだ思い出が残っているのだ。
出不精であまり旅行に行かない私だが、29歳から30歳にかけての半年間、当時の夫と長旅をしたことがある。以前パタゴニアについて書いたのも、この旅の中でのできごとだ。いつかこの連載で旅について書きたいと思っていたのだが、いかんせん半年間という長い期間でのできごとなので、思い出がありすぎる。印象的なエピソードだけ拾って書いたとしても、全10話くらいの大作になってしまうだろう。そこで今回は、「旅の間に読んだ本」に焦点を当てて、旅を断片的に振り返ってみたいと思う。いつもとは体裁が少し違う、番外編のような回だ。
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調布での暮らしはなんだったのだろう? はじめての一人暮らし、半同棲の果てに選び取ったもの
前回、新橋の会社で働いた話を書いたが、そのとき私は横浜の父の家に住んでいた。実家は札幌だが、父が横浜に単身赴任していて、専門学校時代から居候していたのだ。
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ようやく採用してもらえた新橋の勤め先で、だけど私は頑張れなかった
今まで、新橋について書くのを避けてきた。思い出すのも嫌だったからだ。
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夏休みの思い出。函館のおばあちゃんちで、私は曖昧に笑ってばかりいた
夏休みの思い出といえば、海や花火大会などのイベントから、ラジオ体操や部活といった日常のものまでさまざまだ。楽しい思い出はもちろん、大人になった今では、それほど楽しくなかった思い出すら懐かしい。たとえば、お盆になると毎年行った函館のおばあちゃんちの思い出。函館のおばあちゃんちは退屈で、人見知りの私にとって居心地の悪い場所だった。
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この先もきっと忘れない、パタゴニアで出会った友人との数日間
出不精で家にいることが多い私だが、地球の裏側に行ったことがある。今から10年ほど前、夫(当時)と3ヵ月かけて南米を旅したのだ。その前にはメキシコ、その後にはフランスとスペインへ行ったので、トータル半年間の長旅だ。
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アイドルきっかけでできた友達がもたらしてくれた、ひとつの気づき
「大人になると気軽に遊べる友達が減る」とよく聞く。若い頃はしょっちゅう一緒に遊んでいても、お互いに家庭を持ったり仕事が忙しくなったりすると会う機会は減る。自由に使える時間が減るにつれて、友達の優先度も下がる。また、大人は新しく友達を作る機会も減る。学生の頃はクラス替えのたびに嫌でも出会いがあったが、大人にはそれがない。職場によっては、新しく人と出会う機会がほとんどないことだってあるだろう。
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青春コンプレックスを感じていた私が、新宿で過ごした幻のような一夜のこと
青春コンプレックスがある。たびたび書いているとおり、私は中2で不登校になり、通信制高校に進学した。当時の私は演劇に打ち込み、充実した日々を送っていたのだが、どうしても「絵に描いたような青春を謳歌してる人」に対しての羨望と嫉妬が拭いきれなかった。それがどういう人たちかと言えば、全日制の高校に進学し、「いつものメンバー」がいて、イベントごとにプリクラを撮る人たちだ。そういう人たちが羨ましくてたまらず、たびたび気持ちのやり場に困った。
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「『実家に帰って来なさい』とは言わない」。母の言葉が、ひとりで桜を眺めたときと同じくらい嬉しかった
昔から、小心者でメンタルがひ弱で依存心が強い。今はひとり暮らしだし、ライターとして経済的には自立しているのだが、「精神的に自立できているか」と問われれば自信がない。30代後半になった今も、私は甘ったれだ。
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15歳、初めての一人旅。京都での日々が、動き出そうと思うきっかけをくれた
さんたつ読者には一人旅を好む人が多そうだが、私は一人旅をほとんどしない。出張することはあるし、チケットが1枚しか取れなければライブも舞台も一人で行く。山小屋時代は他のスタッフと休暇がかぶらなかったので、仕方なく一人で縦走した。だから決して一人行動が「できない」わけではないのだが、好んで「したい」とは思わない。理由は単純で、一人よりも話し相手がいたほうが楽しいからだ。何かに触れたとき、「すごいね」「美味しいね」と感想を言い合いたい。思ったことを言えないと物足りなくて、なんだか手持ち無沙汰になってしまう。そんな私の一人旅デビューは意外にも早く、15歳のとき。札幌出身だが、訳あって一人で京都に行くことになったのだ。京都にいる間、私はひたすら街を歩きまわった。知らない街を一人で歩くことに、意外にも不安や寂しさはなかった。旅先には知っている人がいない。私のことを知る人がいない街で過ごす時間は、自由で心地いいものだった。
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