今回のゴー!ゴー!

『春日浦フードスタジアム』(大分県大分市)

広大な屋外駐車場を囲むように配置された複数棟の建物に、ホームセンターやレストランなどが入る複合施設は、2007年開業の『フレスポ春日浦』。そのなかで、ひと際目を引く建物が今回の主役です。

外壁には「春日浦FOODSTADIUM」の文字と、ピッチャーやバッターのシルエットの装飾。建物そのものも、古きよき時代のレンガ造りの野球場を彷彿とさせます。

ここは、大分県下23 店舗を展開する「トキハインダストリー」が展開するスーパーの一つ『春日浦フードスタジアム』。社名の「トキハ」は歴史的仮名遣いで「ときわ」と読み、地元では誰も間違えません。

もとは90年以上県民に親しまれてきた、大分を代表する老舗百貨店「トキハ」のグループ。2026年からはイオン九州の一員となりましたが、地元密着スーパーとしての立場は変わることなく、地元の食を大事にする魅力あるご当地スーパーです。

野球がテーマになっている理由は、ここが「県立春日浦野球場」の跡地であることなど同社と野球には深い関わりがあります。

スコアボードと青空の精肉・鮮魚売り場。ゲーム展開に細かい演出あり。
スコアボードと青空の精肉・鮮魚売り場。ゲーム展開に細かい演出あり。
「うちの野球部を応援するスコアボードも楽しんでください! オリジナル『焼きあご入りしんけんだし』がおすすめです」と田中慎二店長。
「うちの野球部を応援するスコアボードも楽しんでください! オリジナル『焼きあご入りしんけんだし』がおすすめです」と田中慎二店長。

軟式の社会人野球チーム「トキハインダストリー」は、いまも活躍する同社の野球部として県民に知られる存在。戦後、県民らが自ら土を運び作り上げたのが春日浦野球場でした。

プロ野球の公式戦や高校野球の舞台となり、“大分の甲子園”として深く親しまれてきましたが、時代の流れとともに2005年にその歴史に幕を閉じることに。

当時の同社社長もまた熱い野球人であったことから、跡地に出店。店名も球場を感じる『春日浦フードスタジアム』とし、写真を展示する「春日浦ボールメモリー」をイートインコーナーに併設。

かつての球場で見られた歓喜と熱狂の記憶は、形を変えて大切に守られています。食だけでなく、地域の文化と歴史を感じる素敵な空間になっているのです。

実は夕方から夜に眺める外観もおすすめ。店名や野球のモチーフなどが照明で鮮やかに浮かび上がり、まるでナイトゲームの始まりのような高揚感も味わえますよ。

野球モチーフのロゴやトイレのサイン。
野球モチーフのロゴやトイレのサイン。
入口は「GATE 01」など、遊び心ある仕掛けがいっぱい。
入口は「GATE 01」など、遊び心ある仕掛けがいっぱい。
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家でもご当地食、地域の味覚

その場で味わえるのがうれしい、スーパーの手作りや地域のみなさんが作るお総菜、和菓子など。家でも再現可能な地元メーカー品も販売中なので、お土産にもおすすめ。

毎朝行列ができる産直コーナー。野菜はもちろん、生産者手作りの郷土のお菓子なども。
毎朝行列ができる産直コーナー。野菜はもちろん、生産者手作りの郷土のお菓子なども。
漫画『美味(おい)しんぼ』でも紹介された「吉野鶏めし」のおにぎり。
漫画『美味(おい)しんぼ』でも紹介された「吉野鶏めし」のおにぎり。
自宅で作れる「吉野鶏めしの素」。
自宅で作れる「吉野鶏めしの素」。
大分の総菜売り場の定番「とり天」。
大分の総菜売り場の定番「とり天」。
家で作る派のための「豊後とり天調味液」と「豊後とり天粉」も人気。
家で作る派のための「豊後とり天調味液」と「豊後とり天粉」も人気。
平麺を甘いきな粉で食べる郷土料理「やせうま」。語源は痩せた馬ではなく、平安時代に幼い若君が乳母の八瀬(やせ)に「うまいもの!」と、せがんだという伝説に由来する。
平麺を甘いきな粉で食べる郷土料理「やせうま」。語源は痩せた馬ではなく、平安時代に幼い若君が乳母の八瀬(やせ)に「うまいもの!」と、せがんだという伝説に由来する。

地元の味、ご当地商品

長年地元の人たちに愛されてきた、地元メーカーの商品を取りそろえる。住んでいるかのように買い物をしても楽しいし、お土産探しをするのも充実した旅の思い出に。

ネバネバ海藻「くろめ」。大分県産「くろめ」と「くろめ納豆」は地元でも人気が高い。
ネバネバ海藻「くろめ」。大分県産「くろめ」と「くろめ納豆」は地元でも人気が高い。
お土産好適品が並ぶ「日本一のおんせん県おおいた」のコーナー。
お土産好適品が並ぶ「日本一のおんせん県おおいた」のコーナー。
唐揚げ専門店「ポッポおじさんの大分からあげ」の「とりかわサクサク揚げ」は、おつまみの王様。
唐揚げ専門店「ポッポおじさんの大分からあげ」の「とりかわサクサク揚げ」は、おつまみの王様。
お隣・臼杵(うすき)の老舗「小手川パン」の生クリーム牛乳入りの食パンを数量限定で販売。信じられないほどのフワフワ食感に驚く。
お隣・臼杵(うすき)の老舗「小手川パン」の生クリーム牛乳入りの食パンを数量限定で販売。信じられないほどのフワフワ食感に驚く。
スタジアムグルメコーナー「スタグル」には、現役球場「クラサスドーム大分」のレストラン「ドリーム」の人気メニュー「ドリームコロッケ」も。
スタジアムグルメコーナー「スタグル」には、現役球場「クラサスドーム大分」のレストラン「ドリーム」の人気メニュー「ドリームコロッケ」も。

「春日浦野球場の歴史」に注目!

店内のイートインコーナー「春日浦ボールメモリー」には、球場だった頃の風景や優勝チームの写真を展示。『フレスポ春日浦』のホームセンター横の広場には、実物のスコアボードが記念碑とともに残っており、地域の歴史も感じられる。

住所:大分県大分市王子北町5-1/営業時間:9:30~21:00/定休日:無/アクセス:JR日豊本線西大分駅からバス4分の春日浦下車、徒歩4分

取材・文・撮影=菅原佳己
『旅の手帖』2026年6月号より