伝統のかけ湯でお肌が喜ぶ『峩々(がが)温泉』【宮城県川崎町】
蔵王の南麓、標高約850mの山奥にある一軒宿。明治時代初期から受け継がれる湯は、「日本三大胃腸病の名湯」として知られ、飲泉・入浴・かけ湯の三拍子の湯治が可能だ。さらに炭酸水素塩泉と硫酸塩泉の2種を含むため、クレンジング効果によって肌がつるすべに。高い美肌効果が期待できる。
大浴場は38〜42度のぬる湯と47度のあつ湯を備え、あつ湯では、竹筒で熱湯を腹部に何杯もかける伝統の「かけ湯」を体験できる。ほかにも露天風呂や貸切露天など、多彩な湯処が充実。
携帯電話は圏外で、聞こえるのは川のせせらぎと鳥の声だけ。便利さとは無縁の山奥だからこそ、時間がゆっくりとほどけていく。“本気の湯治”を求める人にふさわしい秘湯だ。
『峩々温泉』詳細
天然の化粧水を浴びる『有福温泉 よしだや』【島根県江津(ごうつ)市】
1350年前、法道上人が山間に立ち昇る湯けむりを見つけたことから始まった有福温泉。
江戸時代創業の『よしだや』は源泉をいまも大切に守り、湧出した温泉をそのままにかけ流している。無色透明のアルカリ性単純泉は化粧水のように肌にまとわりつき、とろりとした湯ざわりがたまらない。
宿の近くには3つの外湯も点在しているので、気ままな湯めぐりを楽しもう。
夜は屋上ラウンジで里の灯りと満天の星の下、そよぐ風に身をまかせるだけ。浜田漁港直送の海の幸や山陰の旬の食材が並ぶメニューも温泉旅の醍醐味といえよう。湯上がりのすべすべ感と、翌朝の軽やかな体に思わず頬がゆるむこと間違いなしだ。
『有福温泉 よしだや』詳細
潤沢な源泉でお肌イキイキ『はやぶさ温泉』【山梨県山梨市】
地下1000mから毎分500Lが自然湧出するという、力強い源泉が自慢の日帰り温泉施設。pH9.95という高アルカリ性の源泉をかけ流しでザブザブと贅沢に享受できる。カランやシャワーの湯まで源泉という徹底ぶりだ。
露天の岩風呂では澄んだ空気に包まれながら、ぬるめの湯に身をゆだねよう。館内の大広間では食事も可能。湯上がりもゆったりと過ごせる。
『はやぶさ温泉』詳細
日本三古湯で美肌を極める『白浜温泉 湯処むろべ』【和歌山県白浜町】
⽇本三古湯の一つに数えられる白浜温泉のなかでも、最上質と評される「甘露の湯」を24時間楽しめる。
近くには湧出温度約85度の源泉があり、そこから引いた湯はやわらかな感触で、肌なじみが抜群だ。大浴場には源泉かけ流しの内湯とサウナ、岩造りの露天風呂を備える。
カップルからファミリーまで気兼ねなくくつろげる、南紀白浜の名湯を満喫できる一軒だ。
『白浜温泉 湯処むろべ』詳細
700年続く水俣の湯治場「湯の鶴温泉」【熊本県水俣市】
山間の清流・湯出川沿いにひっそりと湧く秘湯で、平家の落人(おちうど)が川岸の湯で傷を癒やす鶴を発見したことが由来。数軒の旅館や共同浴場があり、つるすべの湯を堪能できる湯治場だ。
暮らすように泊まる『温泉ゲストハウス Tojiya(とうじや)』
明治時代初期創業の老舗旅館が廃業後、約10年前に梁や柱を生かしてリノベーション。
自家源泉かけ流しの湯はpH値が高めでとろみがあり、美肌効果が期待できる。半地下式の大浴場のほか貸切風呂も備える。夜は宿の対岸にオーナーが営む屋台が登場。
『温泉ゲストハウス Tojiya』詳細
地元で愛される共同湯『きくの湯』
湯出川のたもとにある共同浴場。基本は無人なので、入口に設置された料金箱に硬貨を入れよう。
自家源泉かけ流しの湯は、ほのかに硫黄泉のにおいが漂い、ぬるぬるとした肌ざわり。体に細かい気泡が付着する。ほどよい湯温で、川のせせらぎを聞きながら長湯したくなる。
『きくの湯』詳細
文=富永玲奈(峩々温泉、有福温泉 よしだや、はやぶさ温泉、白浜温泉 湯処むろべ)
取材・文=佐藤 史(湯の鶴温泉) 撮影=玉村恵理子(湯の鶴温泉)
『旅の手帖』2026年2月号より






