独立行政法人国立公文書館
夏の特別展「終戦-戦争の終わりと戦後の始まり-」会場内で8/21(木)まで

独立行政法人国立公文書館(所在地:東京都千代田区、館長:鎌田 薫)は、令和7年7月19日(土)~9月15日(月・祝)の間、令和7年夏の特別展「終戦―戦争の終わりと戦後の始まり―」を開催しております。
本展では、終戦の日(8月15日)に合わせて、昭和20年(1945)8月15日の玉音放送でも知られている、「終戦の詔書」の原本特別展示を8月8日(金)~8月21日(木)まで実施いたします。
「終戦の詔書」原本特別展示

「終戦の詔書」について
昭和20年(1945)8月15日正午、戦争終結を国民に伝える玉音放送がラジオで放送されました。
玉音放送では、戦争終結を国民に伝えるため、前日の8月14日に作成された「終戦の詔書」の内容を、昭和天皇が朗読した録音盤(玉音盤)が用いられました。
ポツダム宣言受諾(じゅだく)を表明した「終戦の詔書」は、8月14日の閣議において決定されました。
閣議では、数回の休憩を挟みながら詔書案の修正が行われました。
閣議と並行して、一方では内閣理事官の佐野小門太(さの こもんた)による公布原本の浄書(じょうしょ、清書のこと)が進められていました。
この浄書作業は、通常では閣議決定後になされるものですが、時間の関係で閣議決定を待たずに始められました。
そのため、詔書の公布原本にも修正を加える必要が生じましたが、書き直す余裕がなく、用紙を削り、あるいは括弧を用いて字句を書き足すという、通常では行うことがない対応がとられました。
展示箇所と見どころ
1.修正が施された部分 展示期間:8月8日(金)~14日(木)
「終戦の詔書」は8月9日、ポツダム宣言の受諾が決定された後に文案の準備が始められたとされています。その文案をもとに、8月14日の閣議で詔書案の検討が行われました。閣議が長時間に及んだことから閣議と併行して浄書が進められていましたが、閣議で文案が修正・追加され、公布原本も修正する必要が生じました。しかし、全体を書き直す時間がなかったことから、展示箇所で見られるように、用紙を削り、あるいは括弧を用いて字句を書き足すという、通常では行うことがない対応がとられました。修正箇所の「戦局必スシモ好転セス」は、陸軍を中心に強い反対を受けて修正されたことが知られています。

2.御名御璽の部分 展示期間:8月15日(金)~18日(月)
「終戦の詔書」は閣議における文案の検討や浄書の作業が行われたのち、8月14日深夜に昭和天皇による朗読の録音が行われました。録音されたレコードは天皇の肉声が記録されたことから「玉音盤」と呼ばれています。玉音放送は15日正午に行われました。展示箇所には、玉音放送の一節として広く知られている「堪ヘ難キヲ堪ヘ忍ヒ難キヲ忍ヒ以テ萬世ノ為ニ太平ヲ開カムト欲ス」の部分が確認できます。

3.副署の部分 展示期間:8月19日(火)~21日(木)
「終戦の詔書」には昭和20年8月14日の日付とともに、内閣総理大臣鈴木貫太郎をはじめ、海軍大臣米内光政、陸軍大臣阿南惟幾、外務大臣東郷茂徳など、当時の鈴木内閣の閣僚全員の署名があります。陸軍大臣の阿南は、「終戦の詔書」の公布原本に署名した後、8月15日未明に自決しています。

関連グッズの御案内
開催中の特別展「終戦―戦争の終わりと戦後の始まり―」の図録には、「終戦の詔書」全文をフルカラーで掲載。終戦から80年を迎え、戦争末期の施策や終戦、占領下の様々な改革と、日本が大きな変化を迎えた昭和20年の出来事について、当館所蔵資料を中心にご紹介しています。
当館の特別展展示図録は、東京本館1階での販売のほか、郵送販売にも対応しております。郵送販売の詳細は、当館HPをご確認ください。

【特別展開催概要】
特別展タイトル:「終戦―戦争の終わりと戦後の始まり―」
協力 :NHK
開催期間 :令和7年7月19日(土)~9月15日(月・祝) ※8月25日(月)は休館
開催地 :国立公文書館 東京本館1階展示ホール
〒102-0091 東京都千代田区北の丸公園3-2
アクセス :東京メトロ東西線 竹橋駅下車 1b出口 徒歩5分
開催時間 :午前9時15分~午後5時00分
※期間中の毎週金曜日は、午後8時まで開館します。
国立公文書館HP:https://www.archives.go.jp/exhibition/

<報道関係の方からのお問い合わせ先>
独立行政法人国立公文書館 展示担当 TEL:03-6680-7206
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