日本A2ミルク協会
この度、一般社団法人日本A2ミルク協会(北海道富良野市、代表理事:藤井雄一郎、以下日本A2ミルク協会)は、「A2ミルクへの挑戦 安心安全なA2ミルクをお届けするために」~倒産危機を乗り越え持続可能な酪農を日本に広めるために挑戦を続ける牧場経営者の実話にもとづくストーリー~を公開することをお知らせいたします。
お絵描きムービーで構成されたストーリーは、日本A2ミルク協会の創設者でもあり代表理事を務める藤井雄一郎が、酪農業を営むなかで数々の苦難と対峙した結果、経営戦略を大変革し試行錯誤するなか、A2ミルクとの出逢いを通じて、酪農業界の未来のために立ち上がった軌跡を伝えています。厳しい時代が続く日本の酪農業界を救うために、自費を投じて挑む牧場経営者の勇気溢れるストーリーをぜひ多くの方にご覧いただけましたら幸いです。
酪農家として幾多の経営難に苛まれたことから事業改革に乗り出す
■厳しい経営状況が長期化する酪農業界を取り巻く環境
日本の酪農業界は長期的な経営難の時代が続いています。1960年代には全国で41万戸以上あった酪農家戸数が、今では1万400戸台にまで減り、2024年内に1万戸を割り込む可能性が出ています(*1)。酪農家の85%が赤字経営を余儀なくされており、60%近くが離農を検討していることが報告されています(*2)。ロシアによるウクライナ侵攻や円安に伴い、牛の飼料やエネルギー価格の高騰がさらに経営を圧迫しています。将来不安を背景に担い手不足による高齢化や後継者問題への対策も課題となっています。酪農業は365日24時間、一時も止まらず稼働し続ける性質上、これらの環境を踏まえた事業計画の見直しが急務となっています。■酪農家として生き残るために試行錯誤する毎日
数々の経営危機に遭遇し、牧場の存続のために奮闘するなか、ようやく再建の目途がついたある日、今度は牛乳の大量廃棄というニュースが世間を騒がせていました。酪農家として生き残るために新規事業に取り組むことを決意し、さらなる試行錯誤が続くなか、10年ほど前のとある日、牛乳の健康への影響に関する著書(*3)を偶然知り、かなりの衝撃を受けました。
再建のための奮闘が続くさなか、牛乳に関する本に出逢い酪農の存続が危ぶまれる事態に
■酪農業界の未来のために自費を投じて立ち上がることを決意
著書で初めてA2ミルクとそのメリットを知ることになりました。学術研究によると胃腸にやさしいとされ(*4)体質的に牛乳が苦手な人々にとって解決策となり得る可能性(*5)に感銘を受けました。論文や文献を調べるうちに海外では20年ほど前からA2ミルクの研究が進められていることが分かりました。一方で当時の日本には何も情報がなく、酪農業界内でさえ知られていない分野でした。熟慮の結果、自費を投じてA2ミルクの取り組みに着手しました。2020年に日本A2ミルク協会を設立し、前出の著書を執筆したA2ミルクの世界的第一人者キース・ウッドフォード博士を学術顧問として迎え、海外の最新事例をもとに日本での普及活動をはじめました。
A2ミルクがおなかに優しい牛乳であることを知り、酪農業界を代表して日本に広める決意を固めました
■“安全なものでないと意味がない”- 命がけで牛乳づくりに取り組む酪農家としての使命
酪農家として消費者の安心安全を最優先することは揺るぎない理念です。そのためには牛の遺伝子検査だけでなく、生乳検査が必要不可欠であると考え、当時の日本には存在しなかった生乳検査の構築とともに品質基準の制定が目標となりました。その礎となるA2ミルクの学術研究に向けて、第一人者である教授や専門家の皆様に最新の知見のもとご協力いただき準備を進めました(*6)。そして2024年、日本初の品質管理基準となるA2協会認証の制定(*7)に伴い認証牛乳を発表、東京・大阪近郊をはじめとした百貨店や食品スーパーなど大手量販店での販売を開始し、全国規模への販路拡大に向け取り組んでいます(*8)。既にご購入された消費者の皆様から想定以上に高い評価と激励の声をいただきました。A2ミルクの取り組みにご賛同いただいた酪農業界の皆様からも多数のお問い合わせやご相談をいただくようになりました。日本の皆様に安心安全なA2ミルクをお届けしていくために、そして日本の酪農業を救うために、日本A2ミルク協会は貢献してまいります。
安心安全を最優先した製品づくりを通じて、日本の酪農業界と消費者に貢献していきます
この度の発表について、日本A2ミルク協会代表理事の藤井雄一郎は次のように述べています。「北海道開拓期から120年続く酪農家の5代目として、酪農業界をいかに守り抜き、次世代へ受け継いでいけるのか、持続可能な酪農とはどうあるべきなのかを考え続けてきました。酪農家の一人であるからこそ、どれほどまでに事業存続が危ぶまれ、困難な時代が続いているのかを当事者として目の当たりにして来ました。私の周りにも離農を余儀なくされた方々が大変多くいらっしゃいます。だからこそ酪農経営には革新的な事業戦略が必要不可欠であると切実に感じています。そのうえでA2ミルク事業による新たな価値提供を通じて、酪農家の経営難を救うために貢献し、年々減少傾向にある牛乳の消費拡大につなげていきたいと考えています。日本の酪農を存続していくために、未来を見据えた新時代の酪農に向けて、一丸となって取り組む重要性を知っていただく機会となりましたら幸いです」。■ストーリー概要
タイトル:「A2ミルクへの挑戦 安心安全なA2ミルクをお届けするために」
~倒産危機を乗り越え持続可能な酪農を日本に広めるために挑戦を続ける牧場経営者の実話にもとづくストーリー~あらすじ: 人々の健康を守るために120年続く5代目酪農家が倒産の危機や数々の困難を乗り越え、おなかに優しいA2ミルクを届ける仕組みをチームで作ったストーリー。世の中にない新たな価値を生み出そうと開拓者精神で果敢に挑戦し奮闘する姿が、酪農業に携わる方をはじめ、多くの方の勇気と希望に繋がることを願っています。掲載先:
日本A2ミルク協会ウェブサイト
https://www.japan-a2milk-association.or.jp/challenge/
日本A2ミルク協会YouTube
https://youtu.be/xLL1gn_vGzs
語り手:藤井雄一郎(日本A2ミルク協会代表理事、有限会社藤井牧場 代表取締役)■おなかに優しい牛乳として注目が高まるA2ミルク
A2ミルクがおなかに優しい牛乳(*4)と呼ばれる理由は、乳糖不耐症状が緩和されることからとも言えます。小さなお子様がいらっしゃるご家庭や、健康志向への関心が高い消費者に向けて、新しい健康習慣のために注目されているのがこのA2ミルクです。牛乳を飲むとおなかがゴロゴロする要因とされているのが、タンパク質「ベータカゼイン」。このタンパク質を持つ牛の遺伝子は、A1型とA2型の2つのタイプがあり、A1型の遺伝子が消化不良を起こすとされています。A2ミルクは、この乳中の「ベータカゼイン」がA2型のみであることが特徴です。A1型とA2型の違いは、中に含まれる209個のアミノ酸連鎖の67番目のポジションがA2の場合「プロリン」、A1の場合は「ヒスチジン」となり、この違いが消化過程において違いを生みます。昨今の学術研究により、この違いが様々な箇所に作用し、体質によっては継続的な摂取により自己免疫疾患などを引き起こす原因物質や乳糖不耐症状が緩和されることが明らかになりました。(*5)■日本A2ミルク協会について
日本A2ミルク協会は、2020年の設立以来、日本酪農乳業界のさらなる発展のもと、より健康を求める消費者への価値提供と選択肢を増やし、日本社会、酪農乳業界に貢献していくことを使命としています。生産者(酪農家)、乳業メーカー等の関係者、消費者、研究機関、大学等の関係者を含めた総合的な専門家による情報交換を通じて、専門的な知見をもとに、セミナー・講演やウェブサイト、メディア等によるA2ミルクの正しい情報の普及活動に取り組んでいます。2023年のA2牛個体登録システムのリリースに続き、2024年には日本初のA2ミルクにおける品質管理基準であるA2協会認証制度を制定し、国内第一号の基準を満たす日本A2協会牛乳を発売しました。
*1 酪農乳業速報 2024年2月26日 https://dailydairynews.jp/post/4699
*2 一般社団法人中央酪農会議 日本の酪農経営 実態調査2023
https://kyodonewsprwire.jp/release/202303174019
*3 "Devil in the Milk" Keith Woodford, Ph.D. https://www.faim.org/devil-in-the-milk
*4 Nutrients. 2020 Dec 17;12(12):3855. doi: 10.3390/nu12123855. Milk Containing A2 β-Casein ONLY, as a Single Meal, Causes Fewer Symptoms of Lactose Intolerance than Milk Containing A1 and A2 β-Caseins in Subjects with Lactose Maldigestion and Intolerance: A Randomized, Double-Blind, Crossover Trial. https://www.mdpi.com/2072-6643/12/12/3855
*5 Front. Nutr., 27 April 2022 Sec. Nutrition and Food Science Technology Volume 9 - 2022. doi: 10.3389/fnut.2022.842375. A2 Milk and BCM-7 Peptide as Emerging Parameters of Milk Quality. https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fnut.2022.842375
*6 代表理事より 年頭所感 https://www.japan-a2milk-association.or.jp/472/
*7 日本A2ミルク協会 認証制度の構築に向けた監査委員会を設立 安心安全なA2ミルクの普及を目指し日本初の品質管理基準を発表 https://www.japan-a2milk-association.or.jp/3120/
*8 日本A2ミルク協会 日本A2協会牛乳を3月1日発売 日本初の品質管理基準を満たした安心安全なA2ミルクを商品化 https://www.japan-a2milk-association.or.jp/3421/
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