今回のゴー!ゴー!
『スーパーモール ラッキー』(秋田県横手市)
かつて交通の要衝として栄え、いまも商人文化が息づく横手市十文字町。十字路にあたる場所だったことが町名の由来となったという十文字町は、冬には数mもの雪が積もる豪雪地帯で、現在は少子高齢化も進んでいます。
そんな町で、ひと際目を引くブルーに白い「Lucky」のロゴがまぶしい建物が『スーパーモール ラッキー』です。
店を運営する『マルシメ』の始まりは昭和25 年(1950)、この地で産声を上げた小売店『マルシメ洋酒店』。時代の変化とともにディスカウント店などを経て、1999年には衣食住のすべてがワンフロアでそろう巨大な商業施設、『スーパーモール ラッキー』の開店に至ったのです。
「地域の困りごとは、新しいニーズ」。そう語る4代目の遠藤宗一郎社長が就任した約20年前、町は公共バスの減便に見舞われていました。自力での移動が難しく、特に冬の積雪によって外出すら諦める高齢者。
ある日、客同士が車に乗り合わせて来店する姿を目にした遠藤社長は、2011年から無料の「お買い物バス」の運行を決断。いまでは14ものルートを走り、人々を支えています。
さらに雪下ろしや雨漏りなど、暮らしの困りごとを地元企業へつなぐ窓口も展開し、地域生活全体のインフラとなっているのです。
売り場もまた規格外。近隣の生産者が旬を届ける「Farmer’s Market」や創業の歴史を物語る充実の地酒、ローカル食が並びます。広々としたイートインスペースには本格的な薪窯ピッツァの店があり、地元産の具材を楽しむ若いファミリーも。
そして特筆すべきは、多くのテーブルを「学校帰りの学生が勉強したり、近所の人がお茶を飲んでおしゃべりしたりするのも大歓迎」と開放していること。「すべてはここに来てくれることから始まる」と考えているのです。
江戸時代、街道が行き交う場所として栄えた町は、単にモノを売るだけではない場所として、いまも形を変えながら人々を引きつけ、この町になくてはならない“人と食と文化の交差点”として輝き続けています。
名物いっぱい『マルシメ』オリジナル
米どころの秋田はおかずも美味。味噌や醤油など伝統的な発酵食品も根づく地域特有の味を『マルシメ』が追求。地元の名店とのコラボもあるオリジナル商品に舌鼓を。
地元の味、ご当地商品
地元の生産者さんが出品する「Farmer’s Market」に並ぶ、季節の果実や野菜、加工品。お土産にも喜ばれる、掘り出し物が必ず見つかるコーナーは、まさにワンダーランド。
「〇〆暖簾」に注目!
○に〆と染め抜いた暖簾がかかる店内の一角。『スーパーモールラッキー』の原点となった、酒類の小売店「マルシメ洋酒店」の時代にタイムトリップしたかのよう。秋田の地酒やおつまみ、全国の美酒を集めた『マルシメ』渾身のセレクトをどうぞ!
取材・文・撮影=菅原佳己
『旅の手帖』2026年8月号より








