一般社団法人全日本学生投資連盟
2025年8月12日(火)~13日(水)の2日間にわたり、「Student Investment Conference 2025
(SIC2025)」が東京証券取引所の東証ホールにて行われました。
本カンファレンスは、早稲田大学や明治大学をはじめとする各大学の投資サークルに所属す
る学生たちが主導した企画です。「ゼロからはじめる学生投資」をテーマに、投資初心者の
中高生や大学生を対象とし、講義・体験・対話を通じて、参加者が“自分で投資を始められ
る”レベルにまで到達することを目指した、大型の実践型金融教育イベントとなりました。
プログラムでは運営陣による一方向的な講義形式にとどまらず、業界有識者と学生投資家に
よるパネルディスカッションに加え、投資サークルが独自に設計した資産運用シミュレーシ
ョンゲームや、投資AIエージェントの開発・運用体験、四季報分析ワークショップなど、学
生ならではの「楽しく学べる」企画を実施。多くの参加者の熱気とともに、盛況のうちに幕
を閉じました。

(全体写真)
■ 投資初心者の学生に刺さるテーマ設計のパネルディスカッションカンファレンスの最初のコンテンツとして「20代の最適な投資戦略」「おすすめの投資本の
選び方」など、学生ならではの関心に寄り添ったテーマで、著名な業界関係者を招いた本格
的なパネルディスカッションを開催しました。
登壇者には、東京証券取引所の岡崎啓氏、ウィブル証券の三塚英毅氏、S&Pダウ・ジョーン
ズ・インデックスの吉崎哲哉氏、ブラックロック・ジャパンの小野正法氏、TradingView 元
日本代表の山中康司氏、スタンフォード大学客員研究員の志村暢彦氏、米国株YouTuberのロ
ジャーパパ氏などが登壇。「20代の投資戦略」をテーマにしたセッションでは、本カンファ
レンスの企画者・惠良祐太が学生投資家代表として登壇し、「学生時代の貴重なお金と時間
をどう使うか」について参加者と共に白熱した議論を交わしました。

(左図:初日パネルディスカッション)
(右図:二日目パネルディスカッション)
■ ゲーム感覚で資産運用を学べる、チーム対抗ポートフォリオマネージャーゲーム
ポートフォリオマネージャーゲームとは、会期前半で学んだ知識をアウトプットする目的で
設計された、ターン制の資産運用シミュレーションゲームです。具体的には、10種類のセク
ターとそれに対応した企業銘柄を投資対象として、運営から毎ターン開始時点に発表される
各企業の今期企業業績と次期業績予想のファンダメンタル情報をもとに、チーム内で10銘柄
の投資比率を変えていき、8ターン後の最終的な投資パフォーマンスを競うというゲーム性
です。約2時間という限られた時間の中で、毎期発表される各チームのパフォーマンス推移
に一喜一憂しながら、セクターの特徴や投資戦略の基礎を実践的に学べる充実したコンテン
ツとなりました。

(運営が独自に設計した、投資対象10銘柄の3ターン目のファンダメンタル情報と株価推移)

(毎期配布される企業業績情報をもとにチーム内で分析する様子)
■ 学生スタートアップとのコラボによる、投資AIエージェント開発・運用体験
投資AIエージェントの開発・運用体験では、投資領域で起業する学生エンジニアチーム「株
式会社Yozora Finance」との共同企画として実施。カンファレンスの初日に各チームで独自
の投資AIエージェントのプロンプトを作成し、エンジニアチームが全チームのデモ版をひと
晩で設計し、過去1か月分の運用パフォーマンスを算出。翌日の2日目で各チームの運用パフ
ォーマンスを発表し、投資AIに最適なプロンプト内容について議論した。プロンプトの記入
用紙は大きく定性要素と定量要素に分かれており、まだ具体的な投資指標を知らない参加者
が定性要素として、ChatGPTと同様に自然言語による曖昧な投資判断基準を記入。カンファ
レンスの中でいくつか投資指標を覚えた中級者には、財務健全性や価格動向など6つのカテ
ゴリーで定量的な投資判断基準を記入することで、より細かいAIモデリングが実現できるな
ど、やり込み要素の詰まった非常にセンセーショナルなコンテンツとなった。

(投資AIエージェントのプロンプト記入用紙と優勝チームのパフォーマンス結果)
■ カンファレンスの締め、数字で語れる投資家を目指す四季報分析ワークショップ
カンファレンス最終日には、四季報を活用したファンダメンタル分析ワークショップを開
催。東洋経済新報社が提供する四季報に掲載されている約3.800社の中から、運営側で独自
に厳選された200社のデータを切り取り、チームで決めた基準に基づいて各自で分担しなが
らスクリーニング作業を実施。最終的に1銘柄を選定してもらい、その分析内容を1枚図にま
とめてもらい発表を行うという構成です。
冒頭には東洋経済新報社の編集長 中山一貴氏が登壇し、四季報の読み方やスクリーニング
基準について解説。その後は、学生メンターやウィブル証券のアナリストたちが各チームを
巡回しながら、3時間にわたるワークを徹底的にサポートしました。コンテンツの最後に
は、各チームが選んだ銘柄とその分析内容をウィブル証券に皆さまに講評してもらい、参加者にとっては、これまで学んだ知識を実践に落とし込む絶好の機会となる、レベルの高いワ
ークショップとなりました。

(左:ワークの様子)
(ウィブル証券メンターによる優秀班発表)
■ 一般社団法人 全日本学生投資連盟(JPSI)について
JPSIは、「学生による学生のための投資教育」を理念に、主要大学の投資サークルに所属す
る学生メンバーが設立した一般社団法人です。
代表理事を務める早稲田大学4年の惠良祐太氏は、会員100名超の国内最大級学生投資サーク
ル「Foward」の運営経験をもとに、「投資×遊びの両立」をテーマに様々な金融教育企画を
主導してきました。
例えばSIC2025の看板企画「四季報分析」は、彼が代表時代にサークル内で実施していたも
ので、約3,800社を徹夜でスクリーニングし、テンバガー探索をゲーム化した人気コンテン
ツとして知られています。
2024年には、世界9カ国・12大学を巻き込んだ国際デモトレード大会「World Investment Co
mpetition」を企画。TradingView Inc.の協賛のもと、本格的な取引環境と日本往復航空券
を優勝賞品に設定したユニークな仕掛けが、多くの投資サークルや業界関係者の注目を集め
ました。今回のSIC2025は、大学生よりも若い中高生もターゲットに据えた新たな投資教育ムーブメ
ントとして企画立案され、それに共感した各大学の投資サークルメンバーが、学生メンター
として企画に全面協力。2か月近くにわたる集中的なトレーニングにより投資知識が洗練さ
れた学生メンターが各チームに配置されることで、チームコミュニケーションやコンテンツ
のゲームフロー進行を徹底サポートし、参加者全体の満足度向上に大きく貢献しました。

(SIC2025実行委員会メンバー)
■ SIC2025の開始概要
・企画名:Student Investment Conference 2025(SIC 2025)
・主催:一般社団法人 全日本学生投資連盟(JPSI)
・場所:東京証券取引所ビル2階 東証ホール
・日時:2025年 8月12日・13日、1日目 10:00-19:00/2日目 10:00-17:00
■ 協賛企業
・東京証券取引所
・ウィブル証券
・東洋経済新報社
・株式会社イベントス
・その他 各登壇者関連企業・団体
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