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旅の手帖 2026年5月号
旅の手帖 2026年5月号
古来、日本の大動脈である東海道と中山道。その旧街道に目を向けてみれば、歴史の記憶を刻むスポットがあちこちに。気ままで楽しい街道歩きに出かけよう。特集2は、さわやかな初夏の風が気持ちいい那須。連続テレビ小説『風、薫る』主人公のモチーフとなった大関和の出身地、黒羽地区も案内!

今回歩いたコースはこちら!

[中山道 醒井宿]
今回歩いた距離・所要時間●約2km・約30分(休憩などは含まない)
出発駅へのアクセス●JR東海道本線醒ケ井駅下車

外歩きが気持ちのいいシーズン。いざ、街道歩きを始めようと思っても、どんな服装で行けばいい? どんな持ち物が必要? ちょっとした疑問は多い。快適に歩くための準備やコツ、街道用語を知れば、もっと楽しい街道歩きに。

問屋場がむかしのままの姿で残る「醒井宿」

醒井という地名の由来は、地蔵川の源流・居醒(いざめ)の清水から。かの日本武尊(やまとたけるのみこと)が伊吹山の神との戦いに敗れ、意識朦朧となったが、この清水のおかげで正気を取り戻したという。地蔵川近くには西行水、十王水などの湧水もある。

地蔵川は梅花藻の群生地としても有名だ。梅花藻は年間水温14度前後の清流に生息する沈水植物で、5月中旬から9月下旬にかけて小さな花を咲かせる。最盛期は7月初旬から9月中旬。透き通った水流の中でユラユラと揺れる梅花藻は、見ているだけでも涼やかな気持ちになる。

8月末頃には白い梅花藻の花と赤いサルスベリの花の共演も楽しめる。
8月末頃には白い梅花藻の花と赤いサルスベリの花の共演も楽しめる。
8月の最盛期はライトアップも実施。形が梅の花に似ていることから梅花藻と名づけられた。
8月の最盛期はライトアップも実施。形が梅の花に似ていることから梅花藻と名づけられた。

名建築も見逃せない。全国の宿場でも数少ない問屋場が完全な形で残っている。

明治時代に来日したアメリカの建築家・ヴォーリズが関わった擬洋風建築の旧醒井郵便局も素晴らしい。昭和9年(1934)に改修された現在の局舎は新古典主義様式の外観で、重厚な印象を与える。

国の天然記念物・オハツキイチョウで知られる了徳寺、平安時代の名僧・最澄が刻ませたと伝わり“尻冷やし地蔵”の呼び名をもつ醒井延命地蔵尊などと一緒にめぐりたい。

醒井宿内にある法善寺の山門は彦根城の城門を移設したといわれている。
醒井宿内にある法善寺の山門は彦根城の城門を移設したといわれている。

『丁子屋製菓』宿場歩きのおともに手作り和菓子とパンを

醒井餅はのし餅を薄く切って焼いたかき餅。
醒井餅はのし餅を薄く切って焼いたかき餅。
丁子屋のかき氷900円は、梅花藻パウダー入りの蜜をかけたかき氷の中に水まんじゅうが入る。
丁子屋のかき氷900円は、梅花藻パウダー入りの蜜をかけたかき氷の中に水まんじゅうが入る。

親子3代続く和菓子とパンの店。彦根藩の幕府献上品を復刻させた醒井餅のほか、夏期にはプルンとした食感の名水まんじゅう、梅花藻ソフトクリームなどを販売する。パンも店内で焼き、キメの細かい食パンが人気。

☎︎0749-54-0128
9:00〜18:00
水休
滋賀県米原市醒井392
JR東海道本線醒ケ井駅から徒歩10分

『醒井宿資料館(旧醒井郵便局局舎)』和の町並みに溶け込むモダンな洋風建築

外装は完成時は板張りだったが、昭和9年(1934)にモルタル張りに。国の有形文化財でもある。
外装は完成時は板張りだったが、昭和9年(1934)にモルタル張りに。国の有形文化財でもある。
1階では建物の変遷や醒井宿の見どころも紹介。無料休憩所になっているので、気軽に立ち寄ろう。
1階では建物の変遷や醒井宿の見どころも紹介。無料休憩所になっているので、気軽に立ち寄ろう。

建物は大正4年(1915)に完成した醒井郵便局局舎。昭和48年(1973)まで使われ、2000年から資料館に。2階の展示室(有料)では、醒井宿で庄屋や問屋場を務めてきた江龍宗左衛門家の古文書などを展示している。

☎︎0749-54-2163
9:00〜17:00
月(祝の場合は翌日)休
200円
滋賀県米原市醒井592
JR東海道本線醒ケ井駅から徒歩5分

『本陣樋口山(ひぐちやま)』醒井の名水が育んだニジマス料理は絶品!

昼御膳梅コース2200円〜。ニジマスは川魚特有のクセがなく食べやすい。
昼御膳梅コース2200円〜。ニジマスは川魚特有のクセがなく食べやすい。
石橋を渡って玄関へ。
石橋を渡って玄関へ。
ニジマス甘露煮はお土産にも人気。
ニジマス甘露煮はお土産にも人気。

本陣跡に立つ日本料理店。館内には諸大名や幕府役人が宿泊した際に掲げられた関札が展示されている。昼御膳は3種類あり、醒井の名水が育んだニジマスのお造り、焼き物、炊き込みご飯などが味わえる。

☎︎0749-54-0016
11:30〜14:30・17:00〜20:30
不定休
滋賀県米原市醒井122
JR東海道本線醒ケ井駅から徒歩10分

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文=内田 晃
『旅の手帖』2026年5月号より

諏訪大社下社の春宮と秋宮を中心に広がる下諏訪宿はぶらっと歩いて回れる規模感が日帰り旅にぴったり。江戸時代の旅籠(はたご)風情が残る、町じゅうに点在する温泉も楽しい!
老舗が守り抜く“不変の美”と現代的な感性が生み出す“新たな価値”。伝統と革新が静かに響き合う、奈良井宿の過去と未来の物語をひもといていく。
——木曽路はすべて山の中(島崎藤村『夜明け前』より)山峡の道を踏みしめて歩けば、かつての旅の景色が立ち上がる。見どころ多い二つの宿場町を結ぶ、木曽路の街道歩きへ。
歩く、歩く、ひたすら歩く。江戸時代の旅は体力勝負だから常にエネルギー補給が求められた。そう考えると、サッと食べられて体力が回復でき、腹もちもいい餅や団子はうってつけ。街道沿いの茶屋の名物になったことも納得できる。