古代檜の浴槽でぬる湯に浸かる幸せ『湯涌(ゆわく)温泉 銭がめ』【石川県金沢市】
築300年の庄屋屋敷を生かした一軒宿。加賀前田藩主が鷹狩りの折に休んだといわれ、山と川に抱かれた金沢の奥座敷、湯涌温泉に佇む。自家源泉の湯をかけ流しで堪能できると評判だ。
古代檜の浴槽にとろりと満ちるぬるめの湯は無色透明。体を芯から温め、疲れを解きほぐしてくれる。浴場の大きな窓越しに四季の山景を眺めながら湯に浸かる時間は格別で、冬は雪をまとった木々が湯けむりに浮かぶ。
夕食は囲炉裏や火鉢を囲んでいただくぼたん鍋のコース、川魚料理や旬菜の天ぷらなどが味わえる銭がめコースを選べる。一日3組限定の静かな空間で、心身を癒やしたい。
『湯涌温泉 銭がめ』詳細
地中から直に届く湯の強さ『桜田温泉 山芳園(さんぽうえん)』【静岡県松崎町】
空気にふれさせず、加水せず、圧を抜かずに、敷地に湧く約72度の源泉を湯船へ届ける独自の「地中直結型源泉かけ流し」が唯一無二。広さ20畳、深さ1mの貸切大露天風呂は、湯に足を踏み入れた瞬間に体が持ち上がるような密着感に包まれ、思わず歓声がこぼれるほど。地中から湧き上がる新鮮な湯の力強さが、身も心も非日常の世界へと誘う。
ほかに唐傘天井の桧風呂、室岩風呂(女湯のみ)、家族風呂(貸切)があり、湯めぐりが楽しめる。
10室の客室はすべて異なる造りが特徴で、メゾネットタイプの離れや露天風呂付き客室なども用意されている。湯の華がきらめく源泉100%の贅沢を味わおう。
『桜田温泉 山芳園』詳細
湯の華が舞う乳白色の湯『日光湯元温泉 紫雲荘(しうんそう)』【栃木県日光市】
延暦7年(788)、勝道上人が発見したと伝わる湯元温泉の硫酸塩泉を引いており、自然の中で湯の恵みを味わえる素朴な隠れ宿と名高い。湯は緑がかった乳白色で、入浴後のうるおい感は格別だ。
料理は野菜たっぷりのヘルシーなメニューが中心で胃にやさしい。客室は全部で5室のみ。静かな環境で気ままに過ごせる居心地のよさも人気の秘訣といえるだろう。
『日光湯元温泉 紫雲荘』詳細
文化財の宿でとろ湯を満喫『湯河原温泉 源泉上野屋』【神奈川県湯河原町】
創業300余年、木造純和風建築の全3棟が国の登録有形文化財に指定されている。敷地内の地下約300mから湧く自家源泉は、無色透明の湯でやや熱め。やさしいとろみがあり、肌にしっとりとよくなじむ。
男女入れ替え制の御影石(みかげいし)風呂と桧風呂の大浴場のほか、山並みを望む貸切露天、屋上の天空足湯など、極上の湯めぐりが味わえる。
『湯河原温泉 源泉上野屋』詳細
文=富永玲奈
『旅の手帖』2026年2月号より





