この記事に関連する書籍
旅の手帖 2026年5月号
旅の手帖 2026年5月号
古来、日本の大動脈である東海道と中山道。その旧街道に目を向けてみれば、歴史の記憶を刻むスポットがあちこちに。気ままで楽しい街道歩きに出かけよう。特集2は、さわやかな初夏の風が気持ちいい那須。連続テレビ小説『風、薫る』主人公のモチーフとなった大関和の出身地、黒羽地区も案内!

パンダがいなくても! 南紀白浜の新ウエルカムモードに期待大

エメラルドブルーの海が、水色の空に溶けていく。カップルの歩く砂浜は、まぶしいほどに白い。

2025年、美しい白良浜(しららはま)に誕生したのが『Suntide(サンタイド) Cafe & Bar Shirarahama』だ。店長で地元出身の甲斐智也さんは「白浜町から白良浜を盛り上げたいとお声がけをいただき、営業を始めました。テラス席は水着着用の方も愛犬連れの方もOKです」とニッコリ。

白良浜内の遊歩道は昨年から犬とのお散歩が可能に。広島から来た旅行客の愛犬、その名も“ウミ”ちゃんは海を眺めての散歩に、しっぽをフリフリ。

愛犬と散歩できるようになった白良浜内の遊歩道。
愛犬と散歩できるようになった白良浜内の遊歩道。

創業昭和8年(1933)の『福菱本店』は、2016年にカフェもオープン。生クリームを挟んだ生かげろうが人気を博す。

「毎年何種類か、生かげろうの新フレーバーも登場します。2025年はカフェの向かいに、『かげろうBAKERY』も開店しました」と広報担当の小中さん。小中さんが思う白浜の魅力は、「電車の駅も空港も近く、円月島や千畳敷など絶景ポイントが多いこと!」。

円月島は真ん中の円月型の穴が美しい。春と秋は穴の中に夕日が収まることも!
円月島は真ん中の円月型の穴が美しい。春と秋は穴の中に夕日が収まることも!
円月島の手前には瀬戸漁港。
円月島の手前には瀬戸漁港。
千畳もありそうな岩盤が荒波に浸食され、さまざまな形が生み出された千畳敷。
千畳もありそうな岩盤が荒波に浸食され、さまざまな形が生み出された千畳敷。

原点回帰を掲げ、2018年に大幅リニューアルをしたのが、『SHIRAHAMA KEY TERRACE(キー テラス) HOTEL SEAMORE(シーモア)』だ。

「海への眺望をよりよくしようと客室70室を改装したほか、海とつながっているような足湯を新設しました」と総支配人の林英紀さん。2023年にはサウナハウスやプール、ジム、翌年は有料で使えるミーティングルームも誕生した。

「滞在中の選択肢が増えることで、お客様に喜んでいただけたら。ゴールデンウィーク前後にはプール開きをし、隣のテラスでバーベキューも楽しめるようになります」

海と境目がないかのようにつながる『SHIRAHAMA KEY TERRACE HOTEL SEAMORE』の三段の湯。深さ120cmの立ち湯を備える。
海と境目がないかのようにつながる『SHIRAHAMA KEY TERRACE HOTEL SEAMORE』の三段の湯。深さ120cmの立ち湯を備える。
5月3日には、白良浜で本州一早い海水浴場開きを開催。フラダンスなどが行われる。
5月3日には、白良浜で本州一早い海水浴場開きを開催。フラダンスなどが行われる。

同ホテルから海辺へ5分ほど歩いた岬の先っぽには、日本最古の湯の一つとされる『崎の湯』が。

「男湯の手前の湯船には小さな窪みがあり、そこがもともとあった湯船といわれています。紀州藩主だった徳川吉宗も入浴したかもしれません」と白浜町観光課の長谷充浩さん。

かたや海側の湯は、入浴すると海面より自分が低いと錯覚するほど海が近い。今日は満潮で風も強く、波の迫力を体感!

「白浜には温泉や海の幸があり、足を延ばせば清流・日置川(ひきがわ)や熊野古道もある。パンダの陰に隠れて伝えきれていなかった魅力を、これからも発信し続けたいです」

高さ約50mの断崖が続く奇勝・三段壁。
高さ約50mの断崖が続く奇勝・三段壁。
illust_2.svg

『崎の湯』古の人々と同じく飛沫(しぶき)を浴びながら

波をかぶるほど海が間近に。写真は特別な許可をもらって撮影。
波をかぶるほど海が間近に。写真は特別な許可をもらって撮影。
「向かいの崖の摩崖仏が崎の湯を見守っています」と白浜町観光課の長谷充浩さん。
「向かいの崖の摩崖仏が崎の湯を見守っています」と白浜町観光課の長谷充浩さん。

道後・有馬と並ぶ日本最古の湯の一つ。『日本書紀』には、斉明3年(657)に有間皇子が牟婁(むろ)温湯(現在の白浜温泉)に行幸されたと記されており、その歴史は長い。湯船は男湯2つ、女湯3つで、突端の湯船は太平洋が目の前!

☎0739-42-3016
8:00~17:30受付(時期により変動あり)
無休(荒天時など臨時休あり)
500円
泉質/ナトリウム-塩化物泉
和歌山県白浜町1668
JR紀勢本線白浜駅からバス23分の湯崎下車、徒歩5分

『SHIRAHAMA KEY TERRACE HOTEL SEAMORE』宿泊客以外が利用できる新施設も続々

長さ30mの大足湯・インフィニティ足湯。
長さ30mの大足湯・インフィニティ足湯。
室内やお風呂から海を望むデラックスルーム。
室内やお風呂から海を望むデラックスルーム。

行幸(みゆき)源泉をかけ流す三段の湯や海側の客室など、立地を生かした大海原の眺めが魅力。インフィニティ足湯にベーカリー、無料のビジネスルームと宿泊客以外も利用できる施設も。夕食はビュッフェや和食、寿司などからチョイスできる。

☎ 0739-43-1000
1泊2食1万6650円~
13:00~20:00、無休。
1000円
160室
泉質/ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉など
和歌山県白浜町1821
JR紀勢本線白浜駅からバス19分の新湯崎下車すぐ

貸切利用のサウナハウスは宿泊客の場合、2時間2万2000円~。水風呂と露天風呂が並ぶガーデンテラスも併設。
貸切利用のサウナハウスは宿泊客の場合、2時間2万2000円~。水風呂と露天風呂が並ぶガーデンテラスも併設。
本館1階にはベーカリー。
本館1階にはベーカリー。
総支配人の林英紀さん。
総支配人の林英紀さん。

『シラセン食堂』魚屋さん直営だから安くて新鮮

食事の品書きは海鮮丼1500円〜、1種のみ。彩るネタは基本7種、この日は白浜のタイや那智勝浦のマグロなど。丼は軽くて持ちやすい和歌山県海南市の漆器。
食事の品書きは海鮮丼1500円〜、1種のみ。彩るネタは基本7種、この日は白浜のタイや那智勝浦のマグロなど。丼は軽くて持ちやすい和歌山県海南市の漆器。
店内はカウンター8席。
店内はカウンター8席。
1階には生け簀や水槽が。
1階には生け簀や水槽が。

白浜で創業40年以上の白浜鮮魚が、2023年の移転を機に2階で開業。1階で朝締めした鮮魚をさばく海鮮丼はネタが大ぶりで新鮮。「もともと魚嫌いだったのに、嫁いでここの魚を食べて魚派になりました」と店主の吉田加奈子さん。

11:30~14:00(食材がなくなり次第終了)
月・火と毎月1日休
和歌山県白浜町2679-4
JR紀勢本線白浜駅からバス9分の大浦下車、徒歩2分

『Suntide Cafe & Bar Shirarahama』白砂ビーチに夕陽の特等席誕生

地元の白身魚のフライに梅肉入りのタルタルソースをかけて挟んだSHIRAHAMAバーガー1500円や、パエリアが人気。
地元の白身魚のフライに梅肉入りのタルタルソースをかけて挟んだSHIRAHAMAバーガー1500円や、パエリアが人気。
店内は南国の雰囲気。
店内は南国の雰囲気。
店長の甲斐智也さん。「5月からはビーチベッドの有料レンタルも始めます」。
店長の甲斐智也さん。「5月からはビーチベッドの有料レンタルも始めます」。

広い窓から白良浜の夕日を一望。三ツ矢サイダーを世に広めた中谷整治氏が白浜出身ということで作られた、ウォッカの三ツ矢サイダー割、オンザビーチやサンセット各1200円で喉を潤したい。こちらはノンアルコール版も用意。

☎070-1232-0110
10:00~17:00・18:00~23:00
荒天時休
和歌山県白浜町3121-8地先
JR紀勢本線白浜駅からバス15分の白良浜下車、徒歩2分

『Kagerou Cafe』ここだけで味わえるアレの生版とは

この日の生かげろうのAミックスはレアチーズや抹茶、Bミックスは板チョコや塩ミルクなど各6本で1200円。
この日の生かげろうのAミックスはレアチーズや抹茶、Bミックスは板チョコや塩ミルクなど各6本で1200円。
お土産用のかげろうは10個入り1200円~。
お土産用のかげろうは10個入り1200円~。

数人の職人のみが手作業で練るふわふわの生地でバタークリームを挟んだ、『福菱本店』の銘菓・かげろう。和歌山の定番土産だ。その生クリーム版である生かげろうは、本店とカフェ限定で販売。季節の味を楽しみたい。

☎0739-42-3129
8:00~17:30LO
無休(臨時休あり)
和歌山県白浜町1279-3
JR紀勢本線白浜駅からバス12分の白浜桟橋下車すぐ

奥のテラス席は綱不知(つなしらず)湾を一望。
奥のテラス席は綱不知(つなしらず)湾を一望。
広報の小中さん。「暑い季節は冷凍のアイスかげろうも人気です」。
広報の小中さん。「暑い季節は冷凍のアイスかげろうも人気です」。

『長久(ちょうきゅう)酒場』ご当地珍味と地酒で至福の時

モチガツオの刺身1100円、焼き物用の太地(たいじ)産クジラ1100円は生で食べてもうまい。清酒長久500円をお燗で。
モチガツオの刺身1100円、焼き物用の太地(たいじ)産クジラ1100円は生で食べてもうまい。清酒長久500円をお燗で。
お店は築17年とは思えぬ老舗感。
お店は築17年とは思えぬ老舗感。
店主の小森豊之さん。トマトの肉詰め400円など、おでんは通年味わえる。
店主の小森豊之さん。トマトの肉詰め400円など、おでんは通年味わえる。

クジラのウデモノ(内臓の湯引き)700円や亀の手1100円、さんま寿司800円と郷土の味覚がずらり。「店を開いた祖母が地元の人から教わったり、要望があった料理を増やしていき、こんな品書きになりました」と店主。

☎ 0739-42-2486
16:00~22:00
木休(臨時休あり)
和歌山県白浜町3079-6
白浜駅からバス16分の走り湯下車すぐ

『砿湯(まぶゆ)源泉』歴史ある源泉が装い新たに!

外湯の牟婁の湯などに供給される砿湯源泉。2026年5月中旬にはその隣に、温泉の蒸気をスチーマーのように浴びることができる顔湯や、卵とネット持参で温泉卵を作れる施設が完成予定!(写真は2026年3月に撮影)

☎0739-43-6588(白浜町観光課)
和歌山県白浜町1664-2
JR紀勢本線白浜駅からバス17分のまぶ湯下車すぐ

illust_21.svg

取材・文・撮影=鈴木健太
『旅の手帖』2026年5月号より

日本標準時の基準となる東経135度線。その経線=子午線が通り“時のまち”の愛称をもつ明石は、昼網で有名な明石浦漁港を抱える“魚のまち”でもある。ピンクの桜鯛が春の訪れを告げる明石へ。
東海道五十三次の42番目の宿場として栄え、いまもおおよそ1㎞四方のめぐりやすい範囲に史跡が点在する桑名。ハマグリをはじめ、名産品も多い美(うま)し国・三重の玄関口で“新旧のいいもん”を訪ねた。
修験道の開祖とされる役行者(えんのぎょうじゃ)が開山した、大峯山(おおみねさん)。洞川(どろがわ)地区は、標高1719mの霊峰へ向かう修験者をもてなす行者宿として栄えてきた。近年は温泉街・避暑地としても人気を博す山岳信仰の里を歩いた。
2014年から“ワインの郷”を全面的に打ち出し、新たなワイナリーやワイン店も増えている山形県上山市。盆地で育まれたブドウで醸すフレッシュなワインをレトロな温泉街で楽しむと、おいしさもひとしお!