乗代雄介(達人)の記事一覧

乗代雄介
達人
乗代雄介
作家
1986年、北海道生まれ。法政大学社会学部メディア社会学科卒業。2015年に「十七八より」で群像新人文学賞を受賞してデビュー。2018年に『本物の読書家』で野間文芸新人賞、2021年に『旅する練習』で三島由紀夫賞を受賞。「犬馬と鎌ケ谷大仏」を『鉄道小説』(交通新聞社)に収録。
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サバの味噌煮【上野のおとしぶみ/乗代雄介】
LINEのグループ名は「26卒同期」だった。二十人ほどの内定者懇親会の一角で作られたグループに、強制ではないと言いながら全員が入らされ、いつの間にやら、その運用も兼ねて入社式前に上野公園で花見をやろうということになっていた。その計画が自分たちのもとに届いた時、隣にいた養田(ようだ)くんが、聞こえるか聞こえないかの声でつぶやいた。「花見やる会社にだけは入らないぞって思ってたのにな」
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読めない弄球【上野のおとしぶみ/乗代雄介】
スマホがふるえて「もういる」とLINEのメッセージ。そのすぐ上のやりとりには「いつもの駐輪場横のベンチで」と待ち合わせ場所が書いてある。
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パンダが帰る日【上野のおとしぶみ/乗代雄介】
ホームからの階段を上がって時計を見ると、12時15分。ちょっと遅れたけど、慌てるほどでもない。でも不安になって、新幹線の予約を確認した。上野発、こまち23号、秋田行き、13時26分。
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