歩いたコース[長尾山→金時山]
●今回歩いた距離・時間
約4.8km・約3時間
●登山口までのアクセス
箱根登山電車箱根湯本駅からバス27分の乙女口下車すぐ
※所要時間に休憩は含んでいません。
山頂からの眺めに感動!
東京から日帰りで行ける手軽さと眺めのよさと達成感。そのどれを取っても、金時山は屈指の名山だ。紅葉は11月上旬から下旬にかけて。「日光の紅葉が終わったら箱根」という感覚だそう。
箱根の奥座敷にあり、仙石原と御殿場とを隔てる箱根外輪山の一翼をなす金時山には、登山口が複数ある。
今回選んだのは、乙女口から登って公時(きんとき)神社に下りるコース。山頂までの往路が比較的ゆるやかで初心者にも安心なうえ、登り始めて約50分で、まずは乙女峠から富士山の絶景を拝むことができるなど、ご褒美も多い。
山頂の眺めは言うにおよばず、金太郎ゆかりの大岩や公時神社も興味をそそられる。
電車とバスなら乙女口バス停で下車、マイカーであれば公時神社周辺の駐車場に置いて、乙女口登山口の林へ入る小さな階段からコースに取りつこう。
歩き始めてしばらくは檜の森。道はよく整備されているが、木の根が多いので要注意。きちんとした登山靴が望ましく、年齢が高めな人のなかにはダブルストックで臨む姿もよく見かける。
あたりが色づく雑木林に変わった頃、乙女峠に到着だ。小さな展望台に上れば、真向かいには富士山の勇姿。
ここから先はゆるやかな尾根沿いをゆく。眺望こそないが、木々の間を抜ける快適ハイク。林の中の広場のような長尾山頂、ちょっとした鎖をつかんで通る岩場などを経て、合計2時間ほどで金時山の頂に着く。
富士山と仙石原と芦ノ湖。パノラマ望む山頂ご飯
絶景の頂で味わいたいのは『金太郎茶屋』のまさカリーうどんだ。数年ぶりに訪ねた筆者を、店主の勝俣直人さんが歓迎してくれた。
「新作があるんです。『金太郎まさカリーうどん』。下にご飯が隠れてて締めにカレーライスが楽しめる」
どんぶりの底のご飯はひと工夫してハムで覆ってあるので、うどんを食べたあとにしか登場しない。狙いどおりじゃないですか!と話す筆者に勝俣さんも満面の笑み。
残ったルーはむかしから「持参のおにぎりを入れて食べるといいですよ」と案内していたし、水の貴重な山頂では洗い物を減らすために、ルーを食べ切ってあげたほうが店側も助かる。
今回は朝早めに登ったので常連客も多く、「私は登頂6000回」「私は連続登頂850日」と笑って話す“伝説の”女性たちにも会うことができた。
登頂何百回、何千回を示す名札が『金太郎茶屋』の奥の壁にずらりと並ぶ。それほどの愛好家が数多いる、飽きない名山なのだ。
『金太郎茶屋』絶景と味わう「まさカリーうどん」
金時山山頂に2軒ある茶屋の1つで、15種類のスパイスを使って煮込んだまさカリーうどんが名物。麺はやわらかめで登頂したての胃にもやさしい。店主の勝俣直人さんや常連の登山客との会話も楽しみだ。
☎080-1271-1212
8:00~15:00(時期により変動あり)
荒天時休
乙女口登山口バス停から徒歩1時間50分
さて、下山は少し急だが足取りは軽い。途中の分岐を右に折れて巨大な金時宿り石の脇を抜けると、ほどなく公時神社の裏手に至る。
ちなみに「マサカリ担いだ金太郎」は、平安時代の武将・坂田公時と重ね合わせた勇猛なキャラクターとして江戸時代にブームになったもの。
絵馬の中にいる金太郎にほほえみながら、仙石原のすすき草原まで足を延ばそう。
『仙石原品の木一の湯』金時山麓の林に佇む日帰り入浴OKの温泉宿
バス通りから1本裏に入った閑静な林の中にある、一帯でも貴重な日帰り入浴歓迎の宿。露天風呂は大涌谷、内湯は大平台と2つの異なる源泉を引く。日帰り入浴すると、同日中は系列のほかの宿でも入浴できるのがうれしい。
☎0460-85-2244
1泊2食1万8630円~
日帰り入浴/13:00~19:30受付、不定休。1400円(タオル・バスタオル付き)
部屋数/40室
泉質/酸性-カルシウム-硫酸塩・塩化物泉、アルカリ性単純温泉
神奈川県箱根町仙石原940-2
箱根湯本駅からバス25分の品の木・箱根ハイランドホテル下車、徒歩1分
ここも見ておきたい!
『高原茶寮 福風』仙石原の老舗は鯛とろろが絶品
すすき草原まで徒歩7分の静かな湿原通りに立つ料理店。仙石原は相模湾と駿河湾に囲まれており「活け」が港から1時間で届くエリアゆえ、店の名物は鯛とろろ御膳。丹沢の自然薯(じねんじょ)を用いたとろろと漬けの鯛のハーモニーをぜひ登山後に。
☎0460-84-5050
11:00~14:00LO(土・日は16:30~19: 00LOも営業)
火と2月休
神奈川県箱根町仙石原1246
箱根湯本駅からバス27分の仙石高原下車、徒歩9分
取材・文・撮影=高橋敦史
『旅の手帖』2026年10月号より







