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浸かって、飲んで、歩いて…… 温泉街にいるだけで健康に
三朝温泉は、約850年前に開湯した歴史の湯。世界有数の放射能泉(ラジウム泉)で、「三たび朝を迎えると元気になる」といわれ、浴室で空気を吸ったり、飲泉したりすることで新陳代謝を活発にし、免疫力アップなどの効果が認められ、生活習慣病の予防に役立つという。
温泉街を流れる三徳川(みとくがわ)の両岸に旅館やホテル約30軒が並ぶ。なかでも登録有形文化財に指定される歴史ある佇まいの『木屋旅館』は、温泉街を代表する名宿。
自家源泉、足元湧出の「楽泉の湯」をはじめ、多種多様な浴室を備え、若旦那の御船利洋さんが「お湯に浸かり、飲んで、吸って、寝る」4つの楽しみ方から入浴法をアドバイスしてくれる。
木屋旅館の向かいにある『茶房木木(きぎ)』は文学好きに知られる店。大旦那の御船秀さんがサイフォンで淹れたコーヒーを飲みながら、店内にあるギャラリー「カムパネルラの館」に目を向けてみよう。カムパネルラとは、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』に登場する主人公・ジョバンニの親友。そのモデルが『木屋旅館』の大女将の父にあたる俳人・河本緑石(かわもとろくせき)だという。
三朝温泉のメインストリートである温泉本通りには、駄菓子店をはじめ、射的やスマートボールなどで遊べる娯楽場などがあり、昼でもにぎわいを見せる。
全国でも珍しい自家源泉の足湯を併設した地域のコンビニ『プチマルシェ シンドウ』は、ちょっとした買物に便利。商品のなかでも“湯上がりに飲む”をコンセプトにした三朝ヨーグルトは、温泉街らしい新名物だ。
宿で夕食が始まる頃、温泉街のスナックの看板にも灯りが点る。温泉街唯一の酒蔵『藤井酒造』は夜9時までの営業だから、宿の夕食後に訪ねることもできる。蔵に併設する店舗では試飲を楽しみながら、14代目社長・藤井公典さんの日本酒愛たっぷりの話を聞ける。
温泉街には3カ所の飲泉場がある。ラジウム温泉は飲むことで胃粘膜の血液量が増加し、健康によいとされている。1回200㏄程度が適量なので、飲みすぎないように。
そういえば、『木屋旅館』の若旦那が「三朝の町は温泉の成分が空気中に漂っているから、歩いているだけで健康になる」と言っていた。浸かって、飲んで、歩いて、温泉街を楽しむうちに自然と癒やされるというのだからありがたい。
『木屋旅館』古きよき湯宿の建物は国の登録有形文化財
江戸時代は鳥取藩に山の産物を卸す庄屋を営み、明治元年(1868)から旅館を開業。明治から昭和にかけて建てられた建物は国の登録有形文化財。自噴するラジウム温泉を使った6つの入浴施設がある。
☎0858-43-0521
1泊2食2万3250円~
14室
泉質/含弱放射能-ナトリウム-塩化物泉
鳥取県三朝町三朝895
JR山陰本線倉吉駅からバス20分の三朝温泉観光商工センター前下車、徒歩3分
『茶房木木』宮沢賢治ファンなら訪ねたい「カムパネルラの館」を併設
『木屋旅館』の向かいにある旅館直営の喫茶店。マスターは大旦那の御船秀さんで、サイフォンで淹れるコーヒーを宿泊客には無料で、一般客には1杯500円で提供。
☎0858-43-0521
8:00~10:00・17:00~21:00、不定休
鳥取県三朝町三朝895
JR山陰本線倉吉駅からバス20分の三朝温泉観光商工センター前下車、徒歩3分
『プチマルシェ シンドウ』三朝土産を買うなら要チェック
大正4年(1915)に青果店として開業。現在は、地域密着型コンビニエンスストアとして親しまれている。生鮮食品から日用品、お土産まで品ぞろえは幅広い。三朝温泉のプライベートブランドも豊富。
☎0858-43-0101
9:00~21:00、無休
鳥取県三朝町山田11-5
JR山陰本線倉吉駅からバス20分の三朝温泉観光商工センター前下車、徒歩5分
『藤井酒造』日本酒の長期熟成酒は海外からも高い評価を得る
寛文9年(1669)創業の蔵元。県産の酒米と敷地内に湧く井戸水を使い、江戸時代から続く伝統と技術で酒づくりをする。蔵に併設した店舗では、試飲をしながら買い物ができる。
☎0858-43-0856
9:00〜21:00、不定休
鳥取県三朝町三朝870-1
JR山陰本線倉吉駅からバス20分の三朝温泉観光商工センター前下車、徒歩4分
『三朝ヨーグルト』大山(だいせん)育ちの湯上がりグルメ
“湯上がり”をコンセプトにしたヨーグルト専門店。地元大山乳業の白バラ牛乳を使い、ゆっくり発酵させたヨーグルトは、さらっとした食感で、文字どおり湯上がりにぴったりの味。店内工房で手作りするスイーツも見逃せない。
☎080-6243-4758
10:00〜21:00(土・日は9:30〜、火・水は〜17:00)、無休
鳥取県三朝町三朝901-1
JR山陰本線倉吉駅からバス20分の三朝温泉観光商工センター前下車、徒歩3分
飲泉場で味めぐり!
三朝温泉街には無料で利用できる3カ所の飲泉場がある。同じ泉質だが、源泉ごとにナトリウムやカリウムなどのミネラル成分の含有量が異なるので、それぞれ違った味に。味比べはいかが?
神の湯
三朝神社の守り神。手水舎「神の湯」のお清めは、温泉を使っているので温かい。飲んで健康を祈ろう。24時間利用可。
薬師の湯
温泉街の神様「お薬師さん」が祀られている広場にある。湯温は少し熱めで塩味がある。利用は9時~21時30分。
株湯
三朝温泉の起源の湯。お吸い物の出汁のようなまろやかな口あたりで、少し塩味がある。24時間利用可。
三朝温泉街のひとり泊OK宿
『自家源泉かけ流し露天風呂 清流荘』
豊富な湯量を誇る自家源泉をもち、8つの浴室を備える。
☎0858-43-0321
1泊2食1万8850円〜
日帰り入浴は11:00〜20:00受付、無休。1000円
29室
泉質/含放射能-ナトリウム-塩化物泉
鳥取県三朝町三朝309
JR山陰本線倉吉駅からバス20分の三朝温泉観光商工センター前下車、徒歩5分
『三朝館』
足湯や飲泉を含め12の湯処がある。朝食は約50種類の品々を楽しめるビュッフェ形式。
☎0858-43-0311
1泊朝食1万4450円〜
日帰り入浴は11:00〜21:00。1000円
74室
泉質/含放射能-ナトリウム-塩化物泉
鳥取県三朝町山田174
JR山陰本線倉吉駅からバス20分の温泉入口下車、徒歩1分
※2026年7月17日まで全館休館
『三朝温泉 後楽』
長屋門に迎えられる風情のある宿。料理は鳥取和牛をはじめ、地元食材を使用している。
☎0858-43-0711
1泊2食1万7800円〜
日帰り入浴は15:00〜20:00、無休。900円
35室
泉質/含放射能-ナトリウム-塩化物泉
鳥取県三朝町三朝972-1
JR山陰本線倉吉駅からバス20分の三朝温泉観光商工センター前下車、徒歩1分
編集・制作=アド・グリーン
旅の手帖MOOK『温泉ひとり旅』より
※宿泊料金は、平日に大人1名で宿泊した場合の税込金額です。営業時間は特別の事由がない限り、閉館時間を表記しています。
※ひとり泊対応は、時期や曜日により各宿で異なります。






