【甲州にぎり】海なし県が見つけた一番うまい寿司の食べ方『すし処 魚保』

「甲州にぎりランチ」1100円を頼むと、穴子だけでなくマグロや海老にも謎のタレが。「むかしは駿河湾のマグロを馬で運んでいたので、どうしても色が悪くなり、鮮度も落ちる。そこで、甘じょっぱいタレで照りを加え、臭みを消すことでおしいく食べる工夫をしていたんです」と志村駿さん。この甘ダレが、脂ののったネタやシメサバの酸味と好相性!

4代目の志村さん。「握りのサイズが大きいのも特徴です」。
4代目の志村さん。「握りのサイズが大きいのも特徴です」。

『すし処 魚保(うおやす)』
☎055-235-7009
11:30~13:30LO・17:00~21:00LO(日・祝は~20:00LO)、月・火休
山梨県甲府市太田町20-6
JR中央本線甲府駅からバス11分の遊亀公園下車、徒歩1分

【やまなし源水ラーメン】清冽な湧水と山梨魚が織りなす“名水系”ラーメン『麺’ズ冨士山 セレオ甲府店』

「山梨にも地元ならではのラーメンを」という思いで、山梨ご当地ラーメン協会が旗手となり、2023年11月に誕生。名水スポットの多い山梨の軟水のうまさを生かすため、澄んだ淡麗スープが特徴で、あと味に県産ブランド魚「富士の介(ふじのすけ)」の風味がふわり。「やまなし源水ラーメン」990円は、中央市産のドライトマトの甘みがアクセントに。

店長の保坂天生(てんせい)さん。「甲府で3軒、ほかにも県内3軒で提供中!」。
店長の保坂天生(てんせい)さん。「甲府で3軒、ほかにも県内3軒で提供中!」。

『麺’ズ冨士山 セレオ甲府店』
☎055-225-3600
11:00~21:30、基本無休(セレオ甲府の休館日は休)
山梨県甲府市丸の内1-1-8 5F
JR中央本線甲府駅下車すぐ

【鳥もつ煮】かつて全国1位にも輝いた、山梨が誇るB級グルメの王『生そば きり』

約75年前、甲府の老舗そば店が捨てられていた鳥もつを料理に活用できないかと考案。「一般的なもつ煮と違い、小鍋を振って“炒り煮”し、美しい照りを出すのが特徴。うちの「鳥もつ煮」700円は、そばのかえしや砂糖などで味つけしています」と河西司郎さん。各部位は生から炒めるので、ハツや砂肝はプリップリ、レバーはやわらか~。

2代目の河西さん。「きんかん(生まれる 前の卵)も名脇役!」。
2代目の河西さん。「きんかん(生まれる 前の卵)も名脇役!」。

『生そば きり』
☎055-252-6002
11:00~14:00・17:00~23:00LO、水休
山梨県甲府市北口2-5-1
JR中央本線甲府駅から徒歩5分

【ほうとう】小麦文化と甲州味噌が生んだ県代表選手!『ほうとう 金峰』

「狭い盆地で斜面が多く、むかしは稲作しにくい土地柄。その分、小麦を手打ちし、麦麴で造る甲州味噌を使ったほうとうが根づいたのでは」と宮原さん。こちらの「ほうとう(きのこ)」1700円は、むかしの家庭と同じ手打ちで、プリッとした弾力が魅力。カツオや干しシイタケ、昆布など出汁を重ねた無添加のつゆはやさしい味わいだ。

2代目の宮原和彦さん。「甲州味噌のまろやかな風味は欠かせません」。
2代目の宮原和彦さん。「甲州味噌のまろやかな風味は欠かせません」。

『ほうとう 金峰(きんぷう)』
☎055-226-5493
11:00~14:00LO・17:00~19:30LO、日・月休
山梨県甲府市徳行1-13-18
JR中央本線甲府駅からバス14分の徳行下車、徒歩4分

取材・文・撮影=鈴木健太
『旅の手帖』2024年12月号より

南に富士山、北に八ヶ岳、西に南アルプスと山々に囲まれ、山梨県の中央にぽっかりとあいた甲府盆地。石和(いさわ)温泉や湯村温泉など盆地内にもいい湯は湧いていますが、実は盆地のヘリにもいい温泉、あるんです。甲府盆地と山々が織りなす絶景の湯浴みが叶う温泉へ。