築地方面からてくてくとお散歩がてら歩いてきたのには理由がありまして。そのお目当ては、晴海通りから一本細い道に佇むカフェ、<THINK’A SAKE&COFFEE>さん。
東銀座というよりは表参道や青山の路地裏にお店を構えているような瀟洒な外観に惹かれていつか来訪しようと思っていたカフェ。看板と店名からお察しの方もいらっしゃるかと思いますが、お昼からお酒もコーヒーも嗜める楽園。全国津々浦々から厳選したクラフトビールなどと一緒にランチを楽しんだり、豆から挽いてくれる珈琲とスイーツを味わうことができるとのこと。
私はコーヒーをおとす一連の作業を見るのが大好きで、ついつい拝見させていただけないかとお伺いせずにはいられない。「5回に分けて落としていきます。」という店長の松井さんの説明と所作に目を奪われてしまいます。
本日の私のセレクトは【ETHIOPIA・YIRGACHEFFE ARICA NATURAL】(エチオピア・イルガチェフェアリーチャ ナチュラル)というホットコーヒーと、【いちごと日本薄荷のヌガーグラッセ】。
コーヒーは今シーズン流行りの果実感のあるテイストが主軸。白ワインのような含みをもたせた芳香がふんわりと出迎えてくれ、甘酸っぱいベリー系のさっぱりとした味わいへと変化。ホットでも夏にぴったりな軽快なテイストが嬉しいですね。エアコンが効いた室内なのでより美味しくいただけます。と、油断していたらブラウンシュガーのほんのりウッディといいますか、男性的な深みといいますか強かな味わいが顔を覗かせ、ちょっとしたサプライズ。
待ち望んでいたいちごと日本薄荷のヌガーグラッセは、レアチーズケーキのアイスクリームのような冷たいデザート。とはいえ、レアチーズケーキよりももっとふんわりとした軽やかな口当たりです。チーズやバターのコクも重たすぎず心地よく舌に纏わりつきます。ナッツはキャラメリゼするというひと手間を加え、よりかりっとした歯応えをプラス。そしてこのお菓子のメインといっても過言ではない、大胆に刻まれたフレッシュな日本薄荷とごろりとした苺。青臭さは皆無。日本薄荷の美味しい清涼感のみが鼻を通り抜けていき、さらにキュンとした酸味が癖になる苺もまたインパクト大。
実はこちらの日本薄荷と苺は、こちらのお店の北海道にあるという自社農園にて栽培されたものとのこと。意外な組み合わせかもしれませんが、北海道から直送される大地の恵みがお皿の上で手を取り合う、そんなスイーツに癒されつつも刺激された昼下がりでした。
ドアをくぐればまた灼熱の西日。けれど、どこか秋の気配も感じられるのは、涼やかなお菓子をいただいたからでしょうか。