向かうは銀座4丁目。
といいますのも、「散歩の達人」9月号・東京ひとりさんぽに掲載されていたとある神社へ向かうため。
意気込んで「散歩にいくぞ!」「あの場所にいくぞ!」と計画を立てるのも悪くはありませんが、ふらりと「ちょっと行ってこよ~」っと体を動かす散歩も大好きです。


お昼のピークを過ぎた銀座4丁目。煉瓦通りは人通りがありますが、みなさん移動のために通っているとおぼしき人ばかり。美味しそうな香りは影を潜め、初秋の澄んだ空気と車道のくすんだ匂いが混ざって流れ込んでいます。
煉瓦敷の道をてくてく歩くと、いました。小さな案内人。
お猿さん。
一見すると、腕を広げているだけのお猿さんですが、その右指の先へと視線を向けますとそこには、まごうことなき参道が。

お猿さんが立っているG4 BRICKS BLD.(旧名古屋商工会館)の一部が、銀色のスタイリッシュな参道に。「銀」座、だからでしょうか。
一人通れるほどの道幅の「猿結参道(えんむすぶさんどう)」を抜けると、灰色の景色にパッと映える赤い鳥居。小柄ですが、艶やかでパネルの展示や足元には季節の花が活けてあるなど、手入れが行き届いているといいますが、大切にされているといった印象を受けました。

境内には三対の狐さんが。個人的に、お賽銭箱をお守りしていた木彫りのお稲荷さんがお気に入り。
からんからん、と軽やかな鈴を鳴らして二礼二拍一礼。
後ろにはスマホを構えた女性お二人もいらしていて、観光地としての人気もうかがえました。

こちら「宝童稲荷」の謂れは、江戸時代に徳川将軍のご子息の早世を防ぎ、また、子供たちがすくすくと成長しますようにとの願いが込められたことからはじまったとのこと。
かつて町の主である「弥左衛門」の名前をとった「弥左衛門町」と呼ばれていた頃から、地域の人々から熱い信仰を受け明治の大火や関東大震災を経てもなおこの地にとどまり続けているお社。街の人達から愛されているのが伝わります。
こちらのご利益は「夫婦円満・子育て・縁結び・商売繁盛・防火」など様々ですが、人との繋がりを感じるあたりは、なるほど銀座といったところ。


視線を感じて振り向けば、そこには2匹のお猿さん。
お猿に寄り添うやや小柄なお猿は、親子でしょうか?それともカップルでしょうか。

なんだか無性に娘や夫が恋しくなってまいりました。

さて、煉瓦の道を抜けて晴海通りを渡り「銀座あけぼの本店」さんへ。
秋を感じられる栗のクリームが詰まった銀座ロマン、ではなく、銀座マロンをおやつに購入してお迎えへ。
次は娘と一緒に来て、ゆっくりと銀座五十音さんが手掛けるおみくじ等を物色したいところです。

前途多望な子供たちの未来が明けていく「あけぼの」が、健やかなものでありますように。


ここだけのお話し、宝童稲荷神社のお猿三匹にあわせ、タイトルにも「猿」の文字を三つ入れてみたのでした。