中央通りの一本裏手。煉瓦敷の道路が趣と重厚感を醸し出す「金春(こんぱる)通り」。
なかなかディープな看板がぶら下がる景観とは裏腹に、可愛らしい響きの由来は、江戸時代に能楽「金春流」のお屋敷が立っていたことに由来しているとのこと。
昼夜問わず様々なグルメや美味しい珈琲を味わえる、全長約130mほどの歓楽街。

東京高速道路を背に、「金春通り」の看板を確認して直進。ランチの準備をするお店や納品車を横目に、日比谷方面から伸びる花椿通りをまたいで。
お洒落なコーヒースタンド、おでんの名店、そして現れた今回のお目当て「豊岩稲荷神社」。

まるで銀座じゃないみたい。


そんな声が聞こえてきそうなこの小路。狭い道なので、ゆっくりどうぞ。この先に神様がいらっしゃいますからね。

なんて、気取って案内したくなりますが、神秘的な朱色と生活感漂う灰色のコントラストや釣灯籠の温もりに目を奪われると、自然と歩みが遅くなること間違いなし。

手入れが行き届いた祠には、お揚げとお酒と、狐さま。
暑い中でもびしっと着こなした狛狐は、マズルが太めの醤油顔。精悍な顔つきの中にも可愛らしさが垣間見えるような気がします。
豊岩稲荷神社は、銀座界隈の商業繁栄は勿論のこと、火防や恋愛成就のパワースポットとも言われています。
平成5年に社殿が建築される以前より、この地から数多の恋の行方を見守ってきたのでしょうか。
暑い中、毎日お疲れ様です、と二礼二拍一礼。

幻想的な道を数歩で抜けると、そこはいつもの炎天下。眩しい日差しに目を細めて、徒歩3秒の「瑞花銀座店」さんへ。

日差しをたっぷり取り込むガラス張りの大きな窓と、洗練されたアイボリーの内装が特徴的なお煎餅屋さん。米どころ新潟県のお店です。都内直営店は銀座のみ。
お目当てのお煎餅を無事購入、お目当てだけにとどまらなかったのもお約束。

小腹がすいたので、神様の近くでちょっと一口。
甘辛い醤油味のお煎餅は、表面のひび割れに味がたっぷり染み込んだ一枚。食べ応えのあるサイズ感もまた魅力的。


お稲荷さまは五穀豊穣の神様でもあるそうです。
揚げた「大豆」と「お米」、ものは違えど、美味しい大地の恵みを共有しながら、路地散歩から飲み物探しの散歩となりました。