臨時特急「いにしへ」information
運転日/2026年11月30日までの土・日曜・祝日
運転区間/京都~宇治~奈良間、全車指定席
運転時刻/
いにしへ61号⇒京都10:42発~宇治10:59発~奈良11:32着
いにしへ62号⇒奈良16:13発~宇治16:45発~京都17:00着
値段/1810円(京都~奈良間、指定席券を含む。チケットレスサービスでの価格)
発売箇所/JR西日本インターネット予約「e5489」など
運行日程や購入箇所など、詳しくは「JRおでかけネット」へ
「いにしへ」推しポイント!
全車指定席のプレミアム空間
大型荷物スペース付き
内外装で奈良の魅力を表現
宇治や桜井線の観光にも便利 疲れ知らずな「いにしへ」の旅
六地蔵、城陽(じょうよう)、木津……と、通常は停車するはずの主要駅を、ゆるやかに速度を落としながら走り抜ける。
ホームでは大人から子どもまで、私が乗る列車にスマホのカメラを向けてくる。その姿を見て、思わずドヤ顔してしまう。被写体は自分ではないが。一日2回しか出合えない特別な列車は、走行中でも神々しいオーラを放っているのだろう。
「いにしへ」の登場は、京都〜奈良間の移動をぐっと快適にした。普通や快速もあるが、「いにしへ」は全席指定なので通勤時間帯や観光シーズンの車内混雑とは無縁。ゆったり座って古都間を移動できるのだ。
せっかくなので『源氏物語』の宇治十帖の舞台から山の辺の道をめぐる旅に出かけてみた。前日に京都を観光し、翌朝7時頃の普通列車で23分揺られ、宇治に着く。早朝は観光客もまばらで、宇治橋通りや寺社の参道も澄んだ空気に包まれている。
[宇治駅]「平等院」混雑する日中を避け朝のうちに拝観を
十円玉で有名な鳳凰堂を有する寺院。土・日曜は開門前から行列必至。阿字池越しに望む鳳凰堂、水面に映る「逆さ鳳凰堂」のほか、ミュージアムの鳳翔館や鳳凰堂内部の国宝・阿弥陀如来坐像など、見どころ豊富だ。
☎0774-21-2861
8:45~17:15受付(鳳翔館は9:00~16:45受付、鳳凰堂内部は9:30~16:10〈20分ごと、各回定員50名、受付9:10~先着順〉)、無休
宇治市宇治蓮華116
JR奈良線宇治駅から徒歩10分
宇治川沿いでは、地元の人がジョギングしたり、木陰で読書したり。うらやましい休日だ。
この旅のお目当ての1つである『うなぎ和佐』で、京料理店が手がける雅な朝食を堪能。お替わりOKのご飯を2杯いただき、パワーチャージしたところで、宇治駅10時59分発の「いにしへ」に乗車。
[宇治駅]『うなぎ和佐』京料理店の技を朝から味わえる穴場
天保11年(1840)に創業した『京料理 辰巳屋』の手がけるうなぎ専門店が、ホテル1階に2025年オープン。宿泊客への朝食を一般にも提供。魚か鶏肉に出汁巻きや副菜が付く「料理屋の朝ごはん」はご飯、味噌汁、飲み物がお替わりOK。
☎0774-25-8989
7:00~9:00LO・11:00~14:00LO、第2・4火と水休(朝食は毎週火休)
京都府宇治市宇治妙楽178-13
JR奈良線宇治駅から徒歩3分
その入線は、ホーム上の人々にどよめきを与えた。金箔塗りといわれても信じてしまうほどに輝く車体。一転、車内に足を踏み入れると照明抑えたシックな内装。奈良の悠久の歴史を映す宝相華(ほうそうげ)文様があしらわれ、静謐(せいひつ)な美しさに包まれる。
シートが思いのほか深く倒せることに驚いた。列車のくつろぎは、リクライニングの角度に比例するのかもしれない――そんなことを思いながら、車窓に目を向ける。平城山(ならやま)を越え、奈良盆地の視界が開けると、ああ、奈良へ来たのだと思う。
奈良市内で宿泊するのも手だが、その先の櫟本(いちのもと)駅や三輪に足を延ばすべく、桜井線(万葉まほろば線)に乗り換え。神社好き、そして酒好きにとってはずせない大神(おおみわ)神社や、国宝の十一面観音立像を安置する聖林寺(しょうりんじ)を目指す。
[奈良駅]『JR奈良駅旧駅舎』2003年まで駅舎として使用されていた
[櫟本駅]『CÉUEU(セウエウ) 櫟本駅』築128年の歴史ある駅舎がまるごとホテルに!
[三輪駅]「大神神社」神話に伝わる日本最古の社
三輪山そのものをご神体と仰ぐ、日本最古の神社。本殿はなく、拝殿から三ツ鳥居を通して山に向かって拝む。酒造りの神としても全国の蔵元から崇敬されていて、毎年11月14日には醸造安全祈願祭(酒まつり)を開催。
☎0744-42-6633
境内自由
奈良県桜井市三輪1422
JR桜井線三輪駅から徒歩5分
[桜井駅]「聖林寺」天平時代の最高峰とされる観音像を安置
奈良時代の和銅5年(712)に藤原鎌足の長子・定慧(じょうえ)が創建したと伝わる。多武峰(とうのみね)の山腹の高台に位置し、三輪山や奈良盆地を見晴らす眺望が見事。国宝・十一面観音立像の荘厳な佇まいに心奪われる。
☎0744-43-0005
9:00~16:30、無休
奈良県桜井市下692
JR桜井線桜井駅からバス8分の聖林寺下車、徒歩5分
東京からはかなり長旅のはずだが、疲れを感じていないのは、途中に快適な特急を挟んだからだと気づく。
もちろん、復路も奈良駅から「いにしへ」で。この特急に乗ること自体が、旅の目的の一つになりそうだ。
取材・文=吉永有希 協力=JR西日本
『旅の手帖』2026年11月号より
※特急「いにしへ」は運用の都合により、やむを得ずリニューアルしていない車両で運行している場合があります
※臨時特急「いにしへ」は、特急「まほろば」の車両を使用しています







