蓮は、花も蕾も何もかもでっかい。
池からすっくと立ちあがっている。
一つ一つは勇ましいけれど、辨天堂を背にピンクの花がプカプカしているのは、
やっぱり極楽の世界。
花は3日~4日の間、朝開いて、午後は閉じてしまうという。
見に来ている人も一人だったり、二~三人だったり。
年齢層高め、大人のお愉しみという感じ。
辨天堂の近くに、利行碑がある。
「放浪の画家、日本のゴッホ 長谷川利行」と書かれている。
二科展などに入選した画家だったが、流浪の生活を送り、昭和15年に行路病者として養育院に保護されて亡くなった。規則によって、持っていた自分の作品も燃やされてしまったという。
友人に「詩集とゴマ塩と砂糖と菓子を持って見舞いにきてほしい」と頼む手紙も紹介されている。利行さんが心配過ぎて、今年も看板を熟読してしまった。
昭和40年代になって、ここに碑が作られた。石に書かれた文字は熊谷守一さんの文字だという。
不忍池から、階段を上って寛永寺・清水観音堂へ。
この輪っかは「月の松」。
真ん中に不忍池の辨天堂が見えているのが、とても可愛らしい。
江戸時代からの人気スポットで、歌川広重の「名所江戸百景」にも描かれた景色だとか。
上野の山は、江戸時代は徳川三代に仕えた天海大僧正が創建した東叡山・寛永寺が広い広い土地を持っていた。山一帯を比叡山に、清水観音堂は清水寺、不忍池は琵琶湖に見立てられていたという。東京の中で京都の気分。
散歩の終わりは、国立科学博物館近くのスターバックスコーヒーへ。
平日朝のテラス席はゆったり。
すっかり綺麗になった上野駅で蓮の花見は終了。まだ朝9時半!