とある平日の午前10時30分。
【一番街シルクロード】は、昨夜の賑わいが、まるで夢や幻だったこのように、ひっそりと静まり返っている……と思いきや、我々を出迎えてくれたのは「元祖千ベロ」の文字。
平日も午前11時から営業している『酒月 赤羽シルクロード総本店』の看板だ。
それにしても、“お好きな酒3杯 1,000円”とは。
赤羽、流石である。
「木曜は5ふくろでお願いします」
取引している、おしぼり業者とのやり取りだろうか。
酒場は、お店とお客さんだけで成り立っているわけではない。
お店を支える多くの取引業者との信頼関係の上で、我々を魅了する酒場が成り立っていることを忘れてはならないのだ。
今日も美味いビールを飲ませてくれる、全ての酒場と、酒場を支える取引業者の皆さまに感謝したい。
【一番街シルクロード】を、単純な飲み屋街だと思ってもらっちゃ困る。
撮影専門の『大石スタジオ』
マニア垂涎のアイテムが揃う『ホビーショップ ウチダ』
古本を扱う『紅谷書店』
呑兵衛が酒場を求めて赤羽に集まるように、別の目的を持って赤羽を訪れる人もいる。
その目的になるようなお店たちだ。
この雑多な雰囲気も、私が【一番街シルクロード】を愛してやまない理由の一つだ。
おっと、気がつけばもうすぐ【一番街シルクロード】を抜ける。
そこで、赤羽を代表する人気店の登場だ。
『丸健水産』は、いつだってオープンと同時に行列ができている。
【一番街シルクロード】の散歩に、この時間を選んだ理由はこのお店にある。
そろそろ、休憩には良いタイミング。
熱々のおでんと、「丸眞正宗 Maru CUP」の“だし割り”で休憩してから帰るとしよう。
【一番街シルクロード】の1日は、すでに始まっているのだ。
赤羽駅方面から歩いて【一番街シルクロード】を抜けると、そこは『区立赤羽小学校』の前。
「酒は呑んでも、吞まれるな」
呑兵衛なら、これまで耳にタコができるほど、言われてきた言葉だろう。
昼どころか、朝から酔うことはいとわない。
しかし、子ども達から見て「あんな大人になりたい!」と思ってもらえる酔っ払いでいようと心に誓うのであった。