大宮駅東口の大衆食堂「多万里」で半チャンラーメン。
大宮駅の東口で目指す高島屋の裏。大衆酒場の角を曲がり路地を進むとオサレなコンクリートの箱の居酒屋さんをクランクした先の高島屋の搬入口のトラックヤードの前に凛とたたずむ昭和21年からの大衆食堂「多万里」がある。
とても暑い日。がらがらと引き戸を開けてお店に入る。ひんやりとした空気。気持ち良い。入り口の横に「食券お求め下さい」の噂の番台。壁にかかる短冊のメニューをいそぎ眺め、目に飛び込む「ラーメン半チャーハン」をおばちゃんに注文する。渡されるプラスチックの札。案内される席に座りお冷をいただき札を渡す。
昭和な感じが漂うも古びてはないレースのカーテン越しに柔らかく光が注ぐ明るくきれいに整う店内。そこそこ広く緑のパイプ椅子が4つ並ぶ茶のテーブルが15席ほど。14時過ぎだけれども買い物の帰りに寄ったのよのようなお一人様のおばちゃんとおじちゃん達で埋まる。
それぞれ静かに啜るラーメン。その間をお揃いのようなエプロンをした給仕のお母さんズが軽やかに品物を運び、お冷のお代わりを注ぎまわる。少しして「はいお待ちどーさまー!」と配膳されるラーメン。
グリーンピースがチャーシューの上にコロリと添えられた愛嬌のあるお顔。
いただきますとスープをズ。あっさりのようで潜む動物と野菜のコクと旨み。沁みる。しばらくレンゲ。沈むとても細い中華麺。けっこうな量。ズルズルズルと啜る。甘く付け込まれたメンマにムギュっとしたチャーシュー。うん、おいしい。
遅れて半チャーハン。おしんこ付き。パラリとしたナルトにチャーシューに玉子と葱の炒め。普通においしい。レンゲでチャーハンを食べ、スープを啜る。そしてレンゲを箸に持ち替えて麺を啜る。静かな昼下がり。穏やかな空気。「お冷どうですか」と軽やかにまわるお母さんズ。
なんだかとても幸せな気分。ごちそうさまと外に出るとギラギラとした太陽。暑い。現実に戻る夏の思い出。