大井町の「永楽」でラーメン。
渋谷の「喜楽」でラーメンと思っていた水曜日の夕暮れ時。念のためと営業時間を調べると、そもそも定休…。頭の中は焦がしネギ浮く汁。朝からそんな気分で働いた夕暮れ時。スマホを手に落ち込む品川駅。
も、そうだ、あそこ。と思い調べると大丈夫。山手線のホームから京浜東北線のホームに移動して向かう大井町。品川からひとつ。東口を出て東小路飲食店街へと向かう。飲み屋が連なる横丁。
路地を進むとおおきな赤いテント。の下に並ぶ外待ち用の丸椅子。かかる暖簾に中華そば「永楽」。もこっちは出口。反対側の入口からプシュとアルコール消毒をしてこんばんは。
厨房を囲むLのカウンターにテーブル席。赤が似合う店。あれもこれも赤。壁に貼られる黄色のメニューを眺めラーメンをホールの女子にお願いする。
ビール片手に餃子な方とか、汁をラー油で真っ赤に染め啜る方とか、おもいおもいの店内。
高台越しにスープを炊く煮立つ寸胴。茹だる大鍋に手際よくぱらぱらと麺を入れ蓋をする。の向こうに出番を待つタレとあれが入るどんぶり達。
スープを注ぎ。平ザルで麺を上げ、もやしを大鍋に投入し、さっと上げ、どんぶりに盛る。流れる所作。チャーシューと卵をのせ配膳される。
油膜はる黒い汁に盛るもやし。朝からそんな気分だった麺。気持ちが上がる。レンゲですくう汁。浮かぶ焦がしネギ。ズズと啜る。
薫る揚げて焦がすネギ。汁に染み出すコクと旨み。やさしい甘みにぐいとくる醤油。おいしい。もやしを頬張り、麺を啜る。
しゃきしゃきのもやし。平たいまっすぐな麺。するすると啜る。麺に絡むネギ。もやしに絡むネギ。レンゲで啜るネギ。しあわせ。
むっちりとした肉をかみしめ、固ゆでの卵をぱくつく。朝からそんな気分だった思い通りの麺。
汁を飲み干しどんぶりにつくネギを箸で拾いごちそうさま。
少し前にごたごたとして閉店かをさらと乗り越えて営業する創業1956年の老舗。渋谷の「喜楽」、大森の「喜楽」と同じ流れをくむといわれるここ。とかあまり関係なくここで愛されるがひしひしと伝わる町中華。