今回、ご紹介する『渡なべ』はそんな女性にこそ食べに行って欲しい。ラーメン屋と聞いてイメージする、こってり、ギトギトなスープや、威勢のよい店員の挨拶による活気ある厨房。そのどちらにも良い意味で『渡なべ』は当てはまらない。

一見、和風居酒屋のようなささやかな看板が掲げられた入口。ピーク時には並ぶこともあるが、一人客が多いせいか静かに列になっている。そっと加われば、準備完了。

店員も、こちらから声を掛ければラーメンの種類など説明してくれるが、「へいらっしゃい! 」というような押しつけがましさはない。テーブルの上の調味料が足りていないと持ってきてくれるし、お冷が少なくなれば何も言わず静かに足してくれる。ラーメンを待っている間も、居心地の良さがあるのだ。

ラーメンの種類は、らーめんと、つけめんの2種類。そこに日替わりのらーめんが加わる。いたってシンプル。「マシマシ」という、常連やラーメン好きが使う言葉を知らなくても大丈夫。らーめんかつけめんか、日替わりかを選べばいい。トッピングも味付き玉子や、チャーシューとわかりやすい。胃袋に余裕があれば、ご飯やチャーシューご飯もあわせてどうぞ。

定番のらーめんは、ねぎたっぷりのシンプルなラーメン。細麺にスープが絡んでちゅるちゅると気持ちよくすすれる。和風な器も、見ていて美しい。この日は限定らーめんの『中華そば』に挑戦。弾力のあるちぢれ麺が、煮干しの出汁が効いたスープによく合う。さりげなく、普通盛り(950円)に対して、小盛り(850円)があるのも嬉しい。

ラーメンのうんちくを傾けてみたい気にもなるが、本能のままに「ラーメン美味しい! 」の一言。ランチタイムには女性客も見かけるので、気兼ねなく一人ラーメンを楽しみましょう!