「私の知っているみたらじゃない!」人気の道の駅に変貌

……私の知っている「みたら」じゃない!

私は思わず叫びそうになりました。

これまでの「みたら」は、たとえ休日でも人が多いとは言えず、どちらかというとひっそりとした雰囲気で地元の人が訪れてのんびりしている、という場所でした。なので、たとえ連休でも込み合っているところなど見たこともなかった(いやほんとなんです……)

それがいまはどうでしょうか。

ソフトクリーム売り場は列をなし、お土産売り場(お土産売り場も以前よりはるかに広くなっていた)の「ボルタ(※)」は、売り切れるという偉業を成し遂げているのです。

※ボルタ……北海道室蘭市製鉄会社の門前町・輪西町で、鉄を用いたまちづくり活動を行っているテツプロが製作しているボルト人形のこと

……私の知っている「みたら」じゃない!(二回目)

私は、なんだかよく知っていた幼馴染が、いつのまにか人気者になっていて置いて行かれたような寂しさを勝手に感じてしまいました。

……と、感傷に浸りつつも、せっかくだから食べないわけにはいかないと、うずらソフトの列に自分も並びます。私が知っている頃の「みたら」には、まだうずらソフトはなかったので、今回初めて食しました。

あら、おいしい。

このソフトは材料にうずらの卵が使われているというのが売り。けれどそもそも鶏とうずらの卵の違いが何なのかと問われても、大きさと柄以外、正直わかりません。それでもなにか「ひと味違う」感が溢れています。なんというか甘みがまろやか。並んで食べて損はありませんでした。

うずらソフトを食べつつ、私は心の中で「さようなら、思い出のなかの『みたら』」と、呟いていました。

絵鞆臨海公園へ。懐かしのカニちゃんを探しに行く

そんな勝手な感傷に浸りつつ、そもそも私がここを訪れたかった一番の目的は、「みたら」に隣接している「絵鞆臨海公園」にある階段状の護岸(堤防?)の隙間にいるカニを獲ることでした。我が家の子どもたちが小さい頃は、ここの護岸のコンクリートの隙間にいるカニを、当時隣接していた屋台村で焼き鳥などを買っては、餌にしてよく釣ったものです。

同行していた女子大生の次女は、その時の記憶がいまだ鮮明で、今回ここに来た時に私より先に、「カニを獲る!」と叫んでいました。……いやいやいや。

まだかろうじて夏の名残は残っていますが、9月の終わりともなると北海道はもはや秋の気配の方が強いのです。しかし、せっかく来たのだから確かに私も久しぶりに、「みたら」のカニちゃんに会いたい……。(いや正確には「絵鞆臨海公園」のカニちゃんなんですが)

こうして母と娘のカニ探索が始まりました。

アラカンの女と女子大生が、しゃがみこんで護岸の隙間を覗いているのですから周りから見たら、かなり怪しい光景だったと思います。しかも時間はもう夕方だったため、海はすでに満潮。護岸階段にも海水が押し寄せており、一歩間違えば足が浸かってしまいます。

わたしは早々に、(残念だけれど無理だよなぁ)と、階段の上の方で待機していました。すると、次女の「いたーー!」という声が響いてきたのです。

あらあらと呼ばれた方に近づくと、いました。確かに。カニちゃんが!コンクリートの隙間にちょこんと。

懐かしい!また会えたね!と、思わず声をかけますが、当然向こうはこっちのことなど知る由もなし。

捕まえる気はないけれど、その姿をできればしっかり見たいので、なんとか隙間から出て来てくれないだろうかと、次女と二人そーっとそーっと、持っていたカフェラテについていたストローでカニちゃんをつつくも、少し横に逃げるだけでカニちゃんは頑として隙間から動こうとしません。

その後、急いで「みたら」の土産コーナーでスルメを買い、それを餌に釣ろうと試みましたが、敵もさるもの。上手くつついて食べるだけで、釣れてはくれませんでした。

日も落ちてきたので、私と次女はようやく諦め、その場を去ることにしました。長女と旦那はよく待っていてくれたと思います。

今年の夏の終わり。久しぶりに室蘭を訪ね、うずらソフトを味わい、カニ探しに夢中になり、少しだけ昔を懐かしむ。そんな時間を過ごして、私の夏は静かに幕を閉じました。