大阪市旭区は、大阪市の北東の端っこに位置している。大半は住宅地だが、千林と森小路の地区には大阪では有名な千林商店街を中心に多くの商店街が連なっており、静かではあるが人の気配は常にある居心地のいい町だった。

京阪本線の森小路駅から徒歩2分ほどのところに住んでいたのだが、京橋駅まで10分弱で行けるのと、1時間くらいかかるが当時390円(現在でも420円)で京都の三条駅や祇園四条駅まで行けるのが気に入っていた。大阪メトロの関目高殿駅や千林大宮駅も徒歩圏内で、梅田にもすぐ出ることができる。

ソフトクリームを溶けずに持って帰ってこれるくらい自宅の目の前だった甘味処「カドヤ 東店」と、徒歩7~8分ほどの場所にある千林商店街入口近くの「角屋」がお気に入り。

特に、「角屋」は大阪にいるときは、会社の同僚と夕食後に行くこともあった思い出の店だ。

壁に張り巡らされたメニューは数十種類はある。悩みに悩んだ結果、みんな違うメニューをオーダーするのだが、かき氷を掘り進めていくと氷の中からたくさんのフルーツやプリンなどが出てきて、「これ、結局全部同じじゃない?」と爆笑したことを思い出す。

私以外は今もこの近くの大阪の職場にいる。ここでまた同じメンバーでかき氷を食べるのが夢で、一年半ほど前、大阪出張の時声がけしたが結局集まれず……ひとり角屋に訪れた。5年経っても全然変わらなかった。

2回目の東京転勤をしてからもう7年半になろうとしている。今年の夏は8年ぶりにまた私が集合をかけてみよう。みんなでかき氷を食べて、この町が変わらず過ごしやすい町だと確認しに行くのが直近の目標になった。