すっかり綺麗になった国分寺駅の北口を出て、少し歩いた先の路地。
確かにだいぶ古い建物だな。
「でも、なんかいいじゃない?」
扉を開けると、確かにレトロな、でもとても美しく整った店内。
机の上の美しいスタンドに「傘が落ちやすい為、お気をつけください」
触りませんとも。眺めるだけ。
棚の中には、いろいろな国のお皿や人形たち。
「おばあちゃんの家にこんな棚あったよ。もっとごちゃごちゃだったけど」
レアチーズケーキがやってきた。
シンプルだけど、ほどよい酸味がうれしい。
丁寧に淹れられたコーヒーと静かに流れる音楽。
常連の紳士とお店の女性との話声。
居心地最高だ。
と、棚にひどく古い雑誌がある。
2001年発行の散歩の達人!
そこには「でんえん」の記事が。
「昭和32年に産声をあげ、おしゃれピープルが列をなした」と書いてある。
お、そんな昔からの店なんだ。
「店で出会った一橋の学生さんと学習院出の若い奥さんが駆け落ちを決行。夫と店のスタッフで大捜索するも見つからず」
いやいや、今ではなかなかこんな紹介記事はないのでは?
2001年の散歩の達人も堪能して、満足して店を出る。
あとから、この店が伝説の名曲喫茶だと知った。
気になる店の扉は開けなくちゃ。