三鷹の「定食あさひ」でしょうが焼き定食。
とある講座で知り合った方が、お店作りのお手伝いしたと聞いてからずっと気になっていたところで明日「ロースとんかつ定食」を食べると決めた金曜日の夜。それからずっと頭の中をリフレインする「ハナレグミ」。
三鷹駅の北口からさくら通りに入り「Quiet Light」を口ずさみながら13分ほど歩き、むらさき橋通りとぶつかるとこらへん。
ある時期ベランダの周りをこんな感じのRのカーブが付く外観にするが流行っていた頃があったよねの2階建ての古い家を改装したお店。
深緑に塗られる外壁にほぼ間口一杯の柄の入る摺りガラスが幾何学模様のように嵌め込まれいい具合に焼け風味が出る木製の建具。白の暖簾が掛かり、端の壁にぶら下がるフライパンの底に描かれる水色の葉の中に「定食あさひ」。
しばし眺める愛着と親しみが湧く出で立ち。
も、店の前の椅子に乗る「今日のごはん」を眺めると、あれ、とんかつではない日…。少し落ちた気持ちで暖簾をくぐると「いらっしゃいませ」とやわらかな物腰の奥様に迎えられる。
カウンターへどうぞと案内され、懐かしい小学生だった頃に座っていたような椅子に座る。厨房を囲む厚みのある使い込まれた木の板の存在感あるカウンターに4席。
その後のお客さんは2階に案内される。
黒の土間に白の塗り壁。梁と桁と床が剥き出しの天井に厨房に立つ柱。下がりほんのり灯る灯りの距離感がいい感じ。
凛とした佇まいながらメニューの文字やイラストに緩く余白を感じるもうすでにずっとここにいたいと思う空間
お決まりでしたらと問われ、北海道放牧豚(厚真町)のロースとんかつが食べたっかったけれども、その豚のしょうが焼き定食をお願いする。
配膳される小鉢とおしんことお冷と熱いお茶。ズズズとお茶を飲みテレビを眺めぼんやりと待つ。
パチパチパチパチカラカラカラと揚がるからあげの音と交じり合うジュワーーーと炒まる豚の音と薫る芳ばしい匂いに包まれる店内。
その匂いでお腹が鳴る頃に、艶やかな真っ白なご飯と湯気が立つお味噌汁がやって来て、そしてポテサラが添う茶に染まる豚こまのしょうが焼きが届く。
いただきますと啜る味噌汁は、きのこと揚げと豆腐の入るやさしさに満る味噌汁。とりあえず一息つき、おいしいと呟く。
摘む豚はほんのり生姜が染みるほどよい噛み心地の肉感。咀嚼して口の中に溢れる染み込むタレの旨みと脂身の甘みと玉ねぎの甘み。
進むしかないご飯。ふっくらと炊き上がるかための米。茶碗を持ち、箸で口に運び、噛み締める。ただそんなことが良いなと感じるご飯。
薄味の出汁が染みる小鉢の大根と青菜にやさしく漬かる大根と蕪の漬物を肉、ポテサラ、味噌汁と三角に食べ進め頬張るゆったり穏やかに流れる時間。
壁に掛かるメニューに赤星に黒ラベルと焼酎にお酒。昼から飲める。昼から飲みたい。葛藤する心。も、これから保護者会だと自制する。
やわらかで朗らかな奥様と寡黙に調理を進めるご主人。日常にあるといいなの心遣いが伝わる定食。ごちそうさま。
気持ち良くありがとうございましたと見送られお店を出る。次は絶対にとんかつの日。