「パリジェンヌ洋菓子店」の武蔵境駅前の支店でバタークリームのケーキ。
用事があり武蔵境。新婚のころ住んだ町。なんとなくいつもパトロールする南口の開発から漏れて残るあたり。
ここで営業を始めた「パリジェンヌ洋菓子店」の駅前の支店。錆が浮く銀色の波鉄板の小さい箱。間口いっぱいのガラスのサッシの先にケーキが並ぶショーケース。
覗くガラス越しにバタークリームのケーキがあるを見つけ迷わず扉を開ける。「いらっしゃいませー」と低い声でコックコートを纏う高齢な男子と女子に迎えられる。
陳列されるここ特製のシベリアとここ定番の半額を謳う水ようかんとカスタードプリンと共に並ぶボリュームあるケーキたちと鎮座するホールのケーキ。
眼が泳ぎ悩む妻。どれもこれも後ろ髪惹かれる魅力あるケーキ。わかる。でもおいらはバタークリームのガトーホワイト一択で決まるこころ。
息子の好きな昔ながらのモンブランと悩みに悩み決めたごろごろと並ぶ苺と頭に生クリームがのる苺のタルトをお願いする。
丁寧に箱に収まりお会計をして店を出ると、小さな子連れの家族がこんなところにケーキ屋さんと眺めてる。お勧めなとこですよと心で呟き念を送ると、入れ替わりで店に入り感嘆する子供たち。
なんとなくいい気分で戻るイトーヨーカドーの駐車場。
お家に帰りおやつの時間。箱を開けてたたずむケーキに胸が躍る。それぞれを皿に取りいただきます。
フォークを刺してパク。こぼれる皆の旨。うん、ケーキ。
ねっとりとろける舌触りのラム薫るぽってりとした質感の甘いバタークリーム。受け止める少し硬めのしっとりのスポンジ。
あの頃の昭和。幼いころ大好きだったニコちゃんがのるケーキを思い出す。ゆっくりと時間をかけて平らげる。
一口とお互いにフォークを伸ばしつまみ食べるそれぞれ。繊細ではないけれどやさしいケーキ。こんなケーキが好き。
ここでキャラデコ作れます。僕らの大切なパリジェンヌ。久しぶりにメレンゲクッキーが食べたい。