花小金井の「麺やまるしょう」で醤油ラーメンと半チャーハン。
花小金井駅の北口を少し歩く線路沿いに2003年頃にオープンし20年近くになる、西武線の車窓からもとても目立つ黄色い大きなテントに赤字でデカく「ラーメン つけ麺」、黒字で「麺や まるしょう」。
開店したころはたしか夜だけの営業でコロナ過になり昼の営業を始めた町中華の体のお店。ここでラーメンと半チャーハンが食べたくて久しぶりに目指すランチタイム。
線路際に自転車を停め暖簾をくぐると7席ほどのカウンターの小さいお店は昼飲みの常連さんたちで埋まる。「いらっしゃいませ」と厨房の親父とたぶん娘。
その娘が手際よく壁にアクリル板を取り付けてお一人様席を作りこちらにどうぞと招かれる。セルフの水を汲み席に着きメニューを眺め頃合いで醤油ラーメンと半チャーハンをお願いする。
隣のおっちゃんは緑茶ハイとおつまみを寡黙にたしなむ。
注文を請けておもむろに丼にお湯を注ぎ温める心遣い。麺をデポに放り、ガス台に火をつけ振る中華鍋。具と飯を入れ、コンコンカコンカコンカコンコンコンコンカンコンカンとリズムよく響く炒めの音。
分殺でお玉でよそいカーンと小気味よく皿に盛り、その横で手を進めるラーメン。「お待たせしました」とほぼ同時に配膳されるラーメンと半チャーハン。
大判の海苔が刺さるヌラと油膜張るすこし濁る茶の汁に2枚のチャーシューとメンマとほうれん草がのる細い麺がユラと泳ぐラーメンと卵と葱と角切りのチャーシューが混じる小さくもこんもりとしたそそる山。
いただきますと啜る汁はほんのり魚介ただようやさしい旨みが染み出る汁で細く縮れた中華麺は汁を纏いスルスルと喉を滑る。
一息つき右から左に持ち替えるレンゲで掬い頬張るチャーハンはやさしい塩気と胡椒の刺激が良い塩梅のふわりしっとりとしたチャーハン。
ラーメンに合うチャーハンでチャーハンに合うラーメン。普通に旨い。右、左とレンゲを持ち替え食べ進み平らげる。
隣のおっちゃんは寡黙に2杯目の緑茶ハイ。
マスターと親しく声を掛けられる親父。連れの子供用にと胡椒無しのチャーハンのオーダーに何かを作る時に日本酒を入れ過ぎて大変なことになったと楽しそうに話す。
付かず離れずの常連さんも一見さんも分け隔てなく明るく丁寧な気持ちの良い接客でなんだかとても居心地が良くハイボールが飲みたくなる。
そろりと常連さんへの階段を昇ってみようかと思いながらごちそうさまと店を出る。