吉祥寺の八丈島の料理の「浜やん」。
24年前に指定された以前勤める会社の面接会場。4つ上の2代目の大切な店。バンダナにイッセイミヤケのエプロンを巻く親父に初めて紹介された日。
それから吉祥寺で飲むはほぼここ。東急デパートの裏の海亀の剥製がかかる階段を下りたところの八丈島料理の「浜やん」。
島寿司と明日葉の天ぷらと大根煮でとことん飲めるとこ。だけれどもくさやだけはどうしても駄目であの臭いが立ち込めただけで萎える気分になる思い出。
会社が変わり、吉祥寺に行く用事がなくなり、ずいぶんと足が遠のくもたまに思い出し、行きたいなーと妻と話してた。
そんな今日。吉祥寺で息子の用事を済ませる午後5時。向かうよねと東急裏。
OPENの看板を横目に下りる階段。ガラス戸の向こうに動く親父。安心安堵し扉を開けてこんばんは。
明るく元気な娘に迎えられ、検温、消毒をして、クリアのパネルが立つテーブルに案内される。
おしぼりとお通しをはいはいはいと運ぶ親父に「お久しぶりです」と声をかけると、「うん、元気だった」と肩を叩かれる。
紹介する息子をいじる軽口と味が滲む手書きの短冊のメニューが躍る壁に島の酒がずらと並ぶいつもの景色に心落ち着く。
中生とコーラをお願いし乾杯。ぷっはー、旨い。12月以来の外で飲むビール。もずく酢と明日葉の天ぷらの(大)と5貫の島寿司を二つとハムカツをお願いする。
もずく酢とお通しと雰囲気で進む酒。ハイボールに代えて潤す喉。少しして「塩振ってあるからこのまま食べて」といつもの声かけとともに明日葉の天ぷら。
いただきますと手に取り頬張る。サクパリサク。衣に葉っぱにほんのり塩気。これこれ。いくらでもつまめる天ぷら。
お待ちどーと島寿司。赤と白の漬けがのる寿司。これこれこれと頬張るとつーんと辛味。わさびでなくからし。涙が出るをハイボールで流し込む。
大丈夫と息子に進めるも頬張り顔をしかめコーラを掻き込む。だよねとからしを取り息子に取り分ける。
次に次にと訪れるお客でほぼ満席になる17時半ころ。相変わらずに人気。落ち着いた心地よいざわつき。ゆったりと流れる時間の中、親父と娘の心遣いが満るお店。変わらないに安心し緩む気持ち。
楽しい時間。お腹と心を満たし、ごちそうさまと会計し、また来るねとほろ酔いで階段を昇る。