五反田の「プランタン」のナポリタン。
五反田に泊まる夜。目を付ける夜ご飯。ナポリタン好きの聖地と聞き腹が鳴り向かう喫茶パブ。五反田駅の東の有楽街の奥。
外装の工事の足場がかかるビルの一階にほんのり灯る逆L字の看板に英字とカタカナで「プランタン」。少しくたびれる木製の框の扉を開けてこんばんは。
迎えられるピンクの電話。換気の扇風機が回る思うよりも小さな年季の入る店内。流れるオールディーズ。
先に入るお一人様が静かに夕飯を食べる静かな空間。奥の厨房に赤シャツのマスター。
席に着き少しするとお冷を運ぶマスターに「決まってるの」と聞かれ「ナポリタン」とお願いする。阿吽な感じがいい
パチパチパチパチパチと静かに始まる炒めの音。ジュワー、カコンカコンカコンと軽やかな鍋の音。しばらく続くパチパチパチパチパチ。
冷蔵庫から何かを取り出し投入したあと、ガッコンガッコンガッコンと重みが伝わる炒めに変わる。
丁寧にゆっくりと絡め炒めるを繰り返すガッコン。けっこう長めが終わりカチャカチャカチャと皿に盛る後に表舞台に現れる湯気立つナポリタン。
おもむろに味噌汁を注ぎ運ばれる半熟の目玉焼きが乗るオレンジ。普通盛りながらなかなかな盛り。
くるくると巻きいただきます。ムチと噛みしめる固めのアルデンテ。ラードを纏いしっかりと絡まる濃厚な水気の飛ぶケチャップが絡みつく。
ほんのり酸味の味濃いめのケチャップ味にやさしい甘み。おいしい。
具はピーマンと玉ねぎとハムの王道。くるくると巻きスルスルと腹に収まる。食べられるかなの心配をよそに進むフォーク。
粉チーズをかけ、黄身を潰し絡め、楽しむナポリタン。いくらでも食べられる。
やさしい味わいの味噌汁で口の中の濃いのを流しリセットし再びくるくるとフォークを巻く。しあわせ。
食べ終わる頃に来店するおされな若いカップルがナポリ二つとマスターに伝え席に着く。寡黙に水を運び籠る厨房でカコンカコンと始まるルーチン。
なんだかいい茶店。
コンビーフピラフとかオムライスとか気になるが並ぶメニューを眺めながら、ナポリタンが出来上がるをのんびりと待ち、頃合いでお会計をしてごちそうさま。
また今度。