高尾の奥の中華そば専門店「味幸(みこう)」で中華そば。
神頼みより、身内に頼んだ方が力を貰えると高尾まで墓参り。父さん、伯父ちゃん、じいちゃん、ばあちゃん、コロンとユキに息子の未来をお願いし、お腹が空くおそい昼。この時間なら大丈夫なはずと夏の大行列に躊躇した「味幸」へ。
高尾駅から北に向かう。陣馬街道に入り「スーパーアルプス」の手前。到着するとまだ待ち人。モータリゼイションな場所ながら根をはり愛されるお店。向かいの「スーパーアルプス第3駐車場」に車を停めて並びに加わる。
回る回転。それほど待たずに、司令塔のお兄さんの案内のもと、暖簾をくぐり店内へ。カウンター4席と4人掛け2卓に2人掛け1卓の小さな店内。丸椅子に座り、壁に掛かる黄色の札に赤文字のメニューを眺める。
「中華そば」の(並)と(大盛)に「バラチャーシュー」、「メンマ」、「薬味」のトッピングそれぞれと「ライス」と「コーラ」でやってますの「中華そば専門店」。「中華そば(並)」を二つと「バラチャーシュー」をお願いする。
水を汲み、待つ時間。流れる演歌。そう、ここは昔から演歌の記憶。しばし聞き入る。厨房はお兄さんズ。丁寧で柔らかい物腰の司令塔のお兄さんの指示のもと回る回る回転。程なく我が家の中華そば。くすぐったい接客で配膳されるそれぞれ。
茶褐色の見惚れるいつもの八王子顔。いただきますとレンゲでズ。ふわり動物が漂う円やかな醤油。旨みと深み。膜をはる脂のこってりと甘み。
汁を吸い黄色が少し茶に染まる細いストレートな麺。スルスルと喉を下り、ぱっつんの噛み心地。
エノキのような塊のメンマ。糸のように引き裂かれたそれ。病みつきになるこれ。シャキコリと味わい楽しみ、ほろほろの大きなバラを噛みしめる。脂身の甘みとトロと崩れる優しい口当たり。
からむ刻み玉葱の爽快感。麺と啜り、汁を飲み干して、器に付くそれを一粒ずつ拾い噛みしめる。これが王道だと勝手に思っている八王子。いつもの通り家族みんな一心不乱に平らげる。
おいしいに満ちる一時。ごちそうさま。