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思い出横丁の「岐阜屋」でラーメン。
西武新宿駅
更新日:2021.11.22
ひつじ堂さんの投稿
東京のにしがわからあれやこれや。
土曜日の昼下がり。さらと「岐阜屋」でラーメンでもと通りすがるも、宣言が明け息を吹き返す思い出横丁。満を持して意気揚々と昼酒の方々で埋まるカウンター。
線路側の奥のほうにポツンと空いている席を見つけ、すいませんーと座る客の背中と壁の間をカニ歩きで進み席に付く。
あっちも飲み、こっちも飲み、そっちも飲み、上も下も飲み、みんな弾ける笑顔、楽しそう。飲みたい飲みたい飲みたいけど我慢の日。「ラーメン並」とお願いする。
カウンターの中にいつものお姉さんとおっちゃんず。あっちのこっちのオーダーを手際よく楽しそうに熟す。
充満するしあわせ満ち溢れる空気。やっぱり飲みたい。雰囲気だけでもと足を踏み入れたのが間違い。響く笑いと炒めの音。カコンカコンと小気味良く振る鍋の音に活気がこもる。
いい頃合いで大鍋から手際よく平ザルで麺を掬い丼ぶりに放り具をのせラーメン。いつもの顔。ひさしぶり。
いただきますとスープをズ。かわらぬ化学を纏う旨み多めのやさしい鶏ガラの醤油。うん、これ。ぐびぐびと飲み浸る。
むっちんぱっつんのほんのり硬めのむにっとした平打ちの麺。この麺があればなんでもできるの自家製麺。この麺が好き。おいし。
味染みるメンマもいい感じ。店内に漂う炒めの芳ばしい薫りをめいっぱい鼻で吸い込みながら噛み締める肉。しゃきしゃきともやしを頬張り、麺を啜り、汁を飲み干す。どこかに沁みる。
外に出て、まだ明るいよと、一杯ひっかけてきたみたいな気分になる。この場所のほぼ最古参。昭和21年からの町中華。ごちそうさま。
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