発掘前に30分ほど、東松山の地層の成り立ちと化石、発掘機材の使い方についてレクチャーがあります。
ちなみに写真の右奥に見えるのは、現在の深谷市で73本の歯が見つかった「カルカロドン・メガドロン」という史上最大の肉食サメのあごの模型で、体長は12mほどと推定されています。こんなに大きなサメがいたなんて驚きです。

サメの他には、パレオパラドキシアというカバみたいな生物の歯やウニの棘、貝なんかも見つかるそう。結構小さなものもあるようなので、石ころと間違えないように形を頭にいれておきます。

学習を終えたらいよいよ化石発掘の時間です。ここでは2種類の方法で化石を発掘できます。
1:ハンマーと鏨で石を割る
2:室内のテーブルにセットされた砂をふるいにかけて探す

私は石を割ってみたかったのですぐ外の石割場に向かいましたが、常連らしき他のお客さんたちは誰一人として外に出てきませんでした。部屋の中は涼しいですしね…。レンタルのゴーグルを装着して、奥に積んである石をいくつか台の上に置きました。

鏨を石に当て、ハンマーでコンコン。

このハンマー、めちゃくちゃ重い。一振り一振りにかなり力が要ります。自分で選んだ石(写真右上)が堅すぎて割れなかったので、スタッフさんが割れやすい石を持ってきてくれました。

うまいこと粉々に割れた石から、化石を探します。これは!というものをスタッフさんに見せて「石ですね」といわれ、しょんぼり。あとはひたすら割って探してを繰り返します。
一体いくつ割ったか。テントの下とはいえ暑い。あー疲れたと手を止めて、ふと下を見ると、明らかに石ころではない艶々したものが転がっていました。

サメの歯!?

すぐに専門家のいる窓口に持っていって鑑定してもらいました。結果は中新世のオオワニザメの歯でした。「いつどこで採れたものなのかがわかるから、周りについていた石と一緒の方が価値が高くなるのよ」とスタッフさん。この歯がピッタリはまる穴の開いた石を探して持ってきてくれました。石屑だと思って捨てていたものにそんな価値があったとは。

見つけた化石はラベル入りでビニール袋に入れてもらえ、至れり尽くせりです。

残りの15分くらいはふるいでも探してみましたが、こちらからはなにも見つけられませんでした。それでも自分で化石を見つけられて大満足。

近くの席の人は、50分間砂をふるい続けて12個も見つけたそう。効率はこっちの方がいいのかもしれません。ただ、石を割るのが結構快感なので、私は次に来たらやっぱり石割場に向かうと思います。