いくつものペンダントライトの電球色に包まれた広~い空間、大小色~んなカタチの木製テーブルとイスが散らばって、壁には様々なアンティーク時計、おばあちゃんの家にあったような振り子時計もある。
昭和の大教室を思わせる空間に、高さも大きさもバラバラな本棚、無数の本の隙間から、古めかしいメガネやタイプライターなどの雑多な小物が潜んでる。
金曜の19時の頃合い、花金はなきん、 しかしこの言葉めっきり聞かなくなった......カップルからひとり客まで、老若男女、色~んな年代の人達のさざめきが流れる。わたしはひとり窓際のカウンター席に座る。
壁際には、カバーを取った文庫本がズラリ、宮部みゆき、北方謙三、石田衣良、司馬遼太郎など、名前は知ってるが未知の本ばかり、「怪盗とジゴロと孔雀警視/志茂田景樹著」??.......
手に取ったミステリー本を、ぽつぽつ読んでいると―普段は集中できず数ページで放り出してしまうのに物語に入り込んでる―しばらくして、スタッフが飲み物を載せたワゴンカートと共に登場。
ホイップクリームは、添えられたシナモンスティックでかき混ぜるそばからカップの縁から溢れ出す、なるほど、それで銀色の小盆付き。
とりあえずクリームとコーヒーに集中、スプーンでクリームを舐め舐め、たま~にクリームとコーヒーをチョコッと混ぜる、かき混ぜ過ぎでクリームとコーヒーが早いうちに同化してしまうともったいないので慎重になる。この感覚、懐かしい、ビーカーの水にはレモンの輪切り。
メニューは、ガレット、焼きカレー、焼きグラタン、煮込みスパゲティ、各種トースト、各種デザート、各種コーヒー、クリームソーダ、フラッペカプチーノ!?、アルコールに至るまで揃ってる。
どうやら、ここのドリンクや料理は、運ばれてきたときの驚き、インパクト大なルックスが特徴のよう。しかも、華やかなビジュアルに負けないこだわりの味とボリュームが、愛されているようだ。
例えば、クリームソーダは、コーンのソフトクリームが逆さまに載った状態で現れ、その日のお天気によって、メロン、苺、レモン、など、色と味が変わる仕掛け。
なかでも、毎日朝7時から11時のあいだ、ドリンクを頼むと付いてくる「Good morningセット」は人気だ。
分厚いトースト1枚、卵料理、ヨーグルト又はサラダなどの「クラッシック・グッドモーニングトースト」か、「本日の文庫のグッドモーニングトースト」から選べる。
例えば、金曜日のグッドモーニング⇒グラタントースト、4月20日宮沢賢治デビューの日⇒マシュマロトースト、7月21日、ヘミングウエイ生誕日のグッドモーニングトースト⇒牡蠣味噌チーズトースト、といった具合。
ついあれこれ語ってしまった。
人が長年使いこんだ日常の道具がもたらす安らぎ、一見無駄なようで、あるのとないのとでは大違いの雑多な小物たちと古本に囲まれ、懐かしくも新しいウインナーコーヒーをかき混ぜてたら、日頃の緊張がほぐれてた、ってことが言いたかった。
ボリュームのあるメニューたちは小腹どころか大腹も満たしてくれそう、また行こう、と思う。
【Café青山文庫 -本と珈琲とインクの匂い-】
本はテーブル毎にテーマが決められ、恋愛、ミステリー、絵本、文学全集など、ビジネス書に至るまで多くのジャンルがあり常時数千冊の本が揃う。
その場で読むだけでなく、文庫本はすべて100円で販売、貸本コーナーの本は、1冊につき50円以上の募金をすると借りることもでき、募金は「絵本を届ける運動」へ寄付される仕組み。
月~土 7:30~23:00
日・祝 7:30~21:00
(グッドモーニング 7:30~11:00)
宮城県仙台市青葉区中央2丁目1-27 Ever-i中央5F
TEL/022-209-5115
URL/https://weare-bestcafe.com/aoyamabunko/
★Café赤居文庫
〒010-0001 秋田県秋田市中通4-6-16 M’sBirudjingu 1F
★ Café黒澤文庫cafe_kurosawabunko
〒103-6199 東京都中央区日本橋2-5-1 日本橋高島屋三井ビルディング新館 4F
参考:「本と珈琲とインクの匂い」
https://weare-bestcafe.com/