大覚寺(だいかくじ)は、京都市右京区嵯峨大沢町にある真言宗大覚寺派の大本山の寺院です。平安時代初期に在位した嵯峨天皇の離宮として建立され約1200年の歴史を誇ります。
空海(774~835)の勧めで持仏堂に五大明王像(現存せず)を安置します。その後、貞観18年(876)に皇女・正子内親王の願いにより寺に改められ、大覚寺が開創されました。

天皇家ゆかりの「五大明王像」初めて5体そろって東京で公開

平安時代後期の仏像の最高傑作のひとつである、明円作「五大明王像」(本尊)が初めて5体そろって東京で公開されており見所の一つです。


↓重要文化財 五大明王像(ごだいみょうおうぞう)明円作 平安時代・安元3年(1177) ※特別に許可を得て撮影しています。

「正寝殿(しょうしんでん) 御冠の間(おかんむりのま)」を会場内に再現

通常非公開の重要文化財「正寝殿(客殿)」(しょうしんでん(きゃくでん))のうち、歴代門跡の執務室であった「御冠の間」(おかんむりのま)が展示室内に再現されており、こちらも本展の見どころのひとつです。


↓「御冠の間」(おかんむりのま)

華やかな障壁画100面、一挙公開

安土桃山~江戸時代に制作された約240面におよぶ襖絵や障子絵などの障壁画は重要文化財に指定されています(重文指定116面、附124面)。東京国立博物館で展示されているのは現在14か年に渡る大修理の途中ですが、本展では修理を終えたものを中心に、前後期併せて123面(前期100面、後期102面)を展示します。狩野山楽による重要文化財 「牡丹図」や重要文化財 「紅白梅図」といった花や大樹を描いた傑作が鑑賞できます。大覚寺は、いけばな発祥の花の寺であり「いけばな嵯峨御流」の総司所(家元)でもあります。(障壁画が展示されている第4章は写真撮影可です。)

障壁画が360度展示されているスペースは、大パノラマ空間で圧巻のスケールです。
大覚寺は天皇家とゆかりが深く、本展覧会では大覚寺中興の祖(ちゅうこうのそ) 後宇多法皇(ごうだほうおう)(1267-1324)をはじめ、ゆかりの深い歴代天皇の書宸翰(しんかん)も展示されています。

会場の東京国立博物館 平成館の展示会場は大覚寺の世界観に没入できる空間です。是非会場で大覚寺が所蔵する寺宝、重要文化財の魅力に触れて見ては如何でしょうか。

開創1150年記念 特別展「旧嵯峨御所 大覚寺 -百花繚乱 御所ゆかりの絵画-」
東京国立博物館 平成館(上野公園)
2025年3月16日(日)まで
9時30分~17時00分
(入館は閉館の30分前まで)
月曜日

050-5541-8600(ハローダイヤル)
JR上野駅公園口・鶯谷駅南口より徒歩10分
東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅、千代田線根津駅、京成電鉄京成上野駅より徒歩15分
一般 2,100円
大学生 1,300円
高校生 900円

↓写真奥 第4章展示風景 重要文化財 牡丹図 狩野山楽筆 江戸時代・17世紀