住宅街を歩くのが好きだ。朝の散歩では家をチェックしながら進んでいく。
都内、しかも23区内なのに表札がある一軒家を見ては金持ってんなー!と下品な感情を抱き、どんな人が住んでいるのかを妄想する。きっとここは実家で家族で住んでいるのだろうか、それとももう家族を無くしたお爺さんが一人で暮らしているのだろうか。
そんな妄想をしていると、次は海外の建物のようなパステルカラーのアパートが目に入る。いいなあ、ここに住みたいな、けど少し狭そうかな?友達を呼ぶ時、「ピンクのアパートだよ」と言ったら1発でわかるだろうな。見た目も中身もボロなアパートに住んでる身としては、外観のかわいさは魅力的。
他にも家チェックをしていると面白い名前のアパートがたくさんある。「ベルツリー」「ウェストリバー」なんてアパート名をみたら持ち主の苗字を想像する。
家賃を想像する。大きなお世話だ。そして次はここに住もうかな、という候補を見つけていく。
残念ながら人の家なので写真を載せることはできない。それにしても、なんて品のない散歩なのだろう。
目覚ましより2時間近く早く起きてしまい、眠気もどこかに消えてしまった時、諦めて外に出る。そして東京の歌をまとめたプレイリストを聴きながら、しょうもないエモ映画のワンシーンのフリをして目的なく歩く。