愛をこめて麺を揉む東小金井のくじら食堂。
息子が
「くじら食堂って知ってる」
「知ってるよ」
「めちゃおいしそうだよね」
「うん、おいしいかったね」
「いま一番食べてみたい」
「じゃ、部活無いし行ってみるか」
そんな会話で始まる日曜日。
涼しくなってきたからラーメン食べたいと言ってた妻も乗っかる30度オーバーなフェーン現象の台風一過。
すっかりと見晴らしの良くなった東小金井駅の北口。コインパーキングに車を止めて高架下のnonowaを目指す。
この場所に移転してからなんとなく余所行きになったような気がしていて初めて訪れる「くじら食堂nonowa東小金井店」。
大きく明るくカフェのような箱。
券売機で醤油、醤油、塩と買い、案内されるテーブル席。息子だけ無料の大盛をお願いする。
店内を見渡すと、家族連れが多い。赤ちゃんを連れた夫婦。小さい子とお父さん。それぞれのベースでラーメンを楽しんでいる。
一人でビールを傾ける昔からの常連さんのような方や、若い夫婦も。
そうか、おいしいラーメン食べたいを分け隔てなくウエルカムしてくれる箱なんだ。
ホールとか調理場とか関係なく手が空いてるスタッフがラーメンを運んでる。そんなのを見ていたら、なんでもっと早く来なかったんだろうと少し後悔した。
そして届く塩。なんかもう端正でイケ麺に心が躍る。
啜るスープは胃に沁みるやさしい塩。ほどよい塩けを旨みが包む心地よいスープ。納得するまで味わってから麺を啜る。
揉んで揉んで揉んだ愛がこもる幅広でうねるむちっとした小麦の風味が溢れる麺。塩スープの旨みと塩けを全身に纏い喉を駆け抜けていく。
うん、おいしい。
ブラックペッパーが効く細切りのカリコリとしたメンマがほんとに好き。
柔らかな豚バラもおいしい。
スープと交じりあうフライドオニオンの薫りと食感がとてもすてきでただ食べるに集中する。
隣の醤油の妻と息子も恍惚としてる。
目の前の低学年のお姉ちゃんもおいしそうに頬張るラーメン。
もっと早く来ていればと後悔。
うん、またね。