<山岳名>
川苔山(かわのりやま。川乗山とも表記)
 
<川苔山の魅力>
(1)百尋ノ滝
登山コースの途中に奥多摩を代表する滝のひとつである百尋ノ滝があります。緑深い渓流の奥にある落差約40mのダイナミズムはなかなか見応えがあります。
(2)多彩な登山コース
複数のポイントからアプローチが可能であり多彩な登山コースがあります。もっともメジャーなコースは今回ご紹介する川乗林道から入り百尋ノ滝を経由して山頂にいたりJR青梅線「鳩ノ巣」駅に下りていくルートではないでしょうか。
 
<登山コース>
●川乗橋~鳩ノ巣駅コース
JR青梅線「奥多摩」駅→ 西東京バス「川乗橋」バス停(バス乗車時間 約15分)→ 細倉橋(50分)→ 百尋ノ滝(50分)→ 徒渉点・分岐(50分)→ 川苔山(60分)→ 東ノ肩分岐(5分)→ 船井戸・分岐(10分)→ 大ダワ分岐(20分)→ 大根ノ山ノ神(70分)→ JR青梅線「鳩ノ巣」駅(30分)
コースタイム/ 約5時間40分
標高差/ 1000m程度
※標準タイムによる目安(休憩時間含まず)

「川乗橋」バス停から細倉橋までの道は渓流沿いの舗装道路の坂道です(川乗林道)。

百尋ノ滝の前後は細い登山道で足元がよくありません。濡れた岩の上を進むこともあり滑りやすいです。片側が切れ落ちたガケや沢になっている箇所もありますので注意が必要です。過去には滑落事故も発生しています。

今回ご紹介した川乗橋から鳩ノ巣駅までの登山道は基本的に濃い緑の森の道です。展望スポットはほとんどありません。川苔山山頂は北西方向(雲取山方面)にすこし開けています。
 
<概要>
所在地: 東京都西多摩郡奥多摩町
標高: 約1363m
花の百名山(アズマイチゲ)
 
<補足情報>
登山道上に売店等はありません。奥多摩駅と鳩ノ巣駅には売店と自動販売機があります。
登山道上にはトイレはありません。奥多摩駅と鳩ノ巣駅にはトイレが併設されています。
奥多摩駅からバスに乗る場合、川乗橋バス停に向かうバスの本数は少ないです。事前に時刻表をご確認ください。
通常は東日原行きのバスに乗車して川乗橋バス停で途中下車しますが、土日祝などは川乗橋バス停終点のバスが臨時運行されることもあります。

<ご留意点>
百尋ノ滝に向かう場合、道は細倉橋から先は舗装道路が終わり登山道になります。登山靴や登山ウェア等の登山装備が必要です。
 
<私的な雑感>
川苔山といえば百尋ノ滝というほどこの2つはセットで語られることが多いかと思われます。極端に言えば百尋ノ滝を見ずに何しに川苔山へ行くの?と問いかけられても不思議ではないかもしれません。
川苔山自体はとくに眺望に恵まれているわけでもなく、キレイな花の群生などがあるわけでもなく、ただひたすら森の中を歩く道が続きます。悪く言えば「単調」といえるかもしれません。しかし個人的にはけして“嫌い”ではありません。逆に静かな森歩き(山登り)を楽しむにはもってこいなのではないかなーと感じています。
奥多摩の中出も知名度はあるほうですが、雲取山、御岳山や三頭山のように人が賑わうほどではありません。
そういうわけで、そこそこ登り応えがあり、渓流と滝を眺めつつ、緑豊かな静かな山歩きにはぴったりなコースだと思います。

<登山後の楽しみ>
鳩ノ巣駅そばにある「鳩の巣釜めし」さんにお邪魔しました。駅から国道411号線(青梅街道)に下りてすぐのところにあります(徒歩1分くらい)。
看板メニューは店名のとおり“釜めし”です。通常は2種類あります(“きのこ釜めしセット”と“山菜釜めしセット”)。やや小振りの土釜ですが中にはぎっちりとご飯が入っています。付け合わせとして、水炊き、お漬物、刺身こんにゃく、天ぷらとプチデザートがセットになっています。
もちろん釜飯は満足できますが、鶏の水炊きもメインの釜飯に負けず劣らずのボリューム感です。鶏肉のほか白菜、長ネギ、人参やキノコなどが具だくさんで嬉しいです。淡泊なあっさりとした味わいなので最後まで飽きることなく楽しみながらいただけました。