保谷町の「ラーメンチョップ」でラーメン。
新青梅街道と保谷新道の交差点のすこし先のいなげやの手前にあるころころとラーメン屋が入れ替わるなかなか落ち着かないな場所に10月にオープンした新店。
webに流れるその噂を眺め膨らむ食べたいの気持ち。この日に行くと決めた秋晴れの土曜日に西武柳沢駅の北口からてくてくと10分ほど歩き目指す。
ガラスのサッシが並ぶ横に長い平屋のお店。黒の外壁にまっすぐ横一文字で伸びる大きな赤のテントの右隅に白字で「ラーメンチョップ」。
右端の開いているサッシからお店に入ると「いらっしゃいませ」と明るく朗らかな奥様とカウンターに座る娘ちゃんに迎えられる。
グッと引き込まれる愛着。
券売機でラーメン(並)をポチとして、一直線のカウンターに並ぶ丸椅子に座り食券を渡すと、お冷のコップとともに「お好み」はと聞かれ「麺やわらかめで」とお願いする。
ガラス越しに温かく柔らかな日差しが差し込みFMラジオが流れるなんとなくのんびりな空気に包まれる店内。
厨房には炎が上がる鋳物のガス台にのる大小の寸胴。大きな二つの寸胴で炊かれる獣のスープと小さめの寸胴で茹でる麺。
気持ちよく丁寧で快活なご主人と助手さんを眺めて待つ時間。
寸胴の熱湯でどんぶりを温めて、ボウルのほうれん草に湯を注ぎ少し泳がしてぎゅーっとしっかりと水気をしぼり、チャーシューを用意して、タレを入れ、麺の茹で加減を確かめながらスープを注ぎ、海苔を刺して運ばれていくラーメン。
「やわらかめもう少々お待ちくださいー」と輪唱する3人からのアナウンスを受けて徐々に上がる気持ち。平ザルで麺をすくい整えてお待ちどうさまでしたと高台に届くラーメン。
そっと下ろす青磁のどんぶりに泡立ちあぶらが渦巻く茶諾のスープと添う濃い緑のほうれん草とチャーシューと海苔が3枚並ぶ正統で凛々しい家系の麺顔。
レンゲを取りいただきますとスープを啜ると、しっかりと獣が満るべたつく粘度ながらまろやかがバランス良く交じる深く旨みが溢れるスープ。うん、おいしい。
ヌラヌラとした細目で平打ちの麺はテロンとした食感で滑らかに喉を滑り、噛みしめるとむっちりもっちりとした歯応え。やわらかめで正解。家系のこの麺の感じが好きのど真ん中。
スープを啜り、麺を啜り、スープを吸うほうれん草を麺と交え頬張り、とけない海苔でスープを纏う麺を巻き啜り上げるしあわせな時間。かぶり付くチャーシューはみっちりと肉々しい旨みが染み出る肉。
とにかく最後まで熱を持つスープと麺に感激。店主の気遣いが溢れるラーメン。久しぶりにどんぶりを持ち上げスープを飲み干し余韻に浸る。
ハートを鷲摑みにされました。もう虜。ありがとうございましたと見送られる娘ちゃんにもメロメロ。
ごちそうさまでした。毎日食べたいチョップ。