「丸長 目白店」でつけそばを食べる。
ほんとに久しぶりに事務所の外に出る平日。直行でひばりが丘。視察を終え解散する12時半。半休を取り「ひばりが丘二郎」に向かう上司を見送り、ぐるぐると頭の中を巡るなに食べよう。
ここで「サニー」か。桜台で「二郎」か「丸長」か、池袋まで行き「滝野川大勝軒」かと欲張りな優柔不断。
悩みながら通る改札。ちょうどホームに入る急行池袋行きに乗り座り、途中下車もめんどいし、池袋の「滝野川大勝軒」で食べようと決めて揺られる電車。
も、もうすぐ池袋という頃に突然「丸長目白」に行きたいの波が頭の中に押し寄せる。
降りる池袋のホームでお店に電話を掛け、これから行っても大丈夫ですかと確認し、大丈夫ですよーの返事をもらい乗り換える山手線。
駅を降りて少し上りの目白通りを西に5分ほど進みそこ。昭和29年に開業し何年か前に建て替えられてマンションの1階となる店舗。
13時半で5人ほどの並び。その後ろに付いてギラギラと刺す日差しを浴びガラス越しに恨めしく眺める店内。
しばらくするとオーダーを取りに外に出る接客のお姉さん。ひとりひとりに、いつものね、野菜辛め濃いめでいい、メンマかな、あ、ゆで卵終わっちゃったんだよねーとフレンドリーな応対。
姉さんの記憶力がすごいのか、ほんとに毎日のように来ている方々なのか、昔バイトしたホテルニューオータニのやり手の駐車場係のように覚えるそれぞれの客のオーダー。
メニューを見るとラーメンが消えつけそば一択。以前ここでラーメンを頼みほかの客から奇特な目で見られながらおいしいと啜った思い出を思い出しつつ、つけそばでとお願いする。
少しして席が空き、とても丁寧にテーブルを吹き上げてどうぞと招かれる店内。暖簾をくぐりこんにちは。
厨房に添う7席ほどの赤のLのカウンター席のちいさなお店。席に着き水をもらい一息つく眺める厨房にいつもの姉さんズ。
炒めて、茹でて、じゃぶじゃぶと麺をしめて、つけ汁を作り、目を配り、どうぞーと気持ちよくお客を迎え、テンポと手際でこなすそれぞれのつけそば。
よく混ぜてくださいねと渡されるつけ汁と丸長ライクな中太でストレートな麺がのる皿。青磁の器に詰まるジャンクな汁の出で立ちに上がる気持ち。
いただきますと麺をすくいダイブしてぐりぐりとよく混ぜからめ頬張り啜る麺。スッパ甘辛を纏い喉を掛ける。うん、おいしい。
しぐれ煮のようなホロホロとほぐれるチャーシューの甘辛と煮込まれた甘めのメンマとざく切りの葱の辛みに細く切られたナルトの食感が染み出るショッパーな汁。
柔柔ながら弾力あるぷるもちの麺を浸しただただ無心で大切に味わう。正統でジャンク。虜の虜。
麺を食べ終えて余韻に浸りつつ高台に器を乗せお願いするスープ割り。寸胴から注がれるスープで湯気が立つそれをそっと下ろす。
ほんのり濁り旨みが増しとたんにやさしくなるスープ。ゆっくりと最後まで飲み干してしあわせに浸る。
お会計をしてごちそうさま。ぐるぐると回転良く回る目白の小さな巨人。